タンタンシリーズ 15作目。
今回は中東が舞台。
戦争が開戦前夜となっている状況で、オイルに混ぜものが混入して爆発事故が起こる、戦争を先導して儲けようとする、海外の石油メジャーの陰謀を暴け。
という、非常に政治的に刺さるようなテーマです。
こういういかにもやばそうなテーマ、タブーに切り込んでいって、冒険をするってのがタンタン、っていうマンガの本来のテーマであって(タンタンはジャーナリストという設定ですから)、戦争が終わってやっと本来の姿に戻ったというわけですね。ソ連、香港、満州、東ヨーロッパ、そして中東です。すべて戦争で形が変わってしまった。
黒い黄金、とはもちろん石油のこと。石油をめぐって戦争が起こり続ける、これが第二次大戦後から現在までずーーーーっと70年以上続いてる世界の現状ってわけですわ。
中東のイメージが部族主義、テロ、暴力的、ともうこのイメージなんだな・・・って感じですね。湾岸戦争から始まったわけじゃないってことですわ。
内容としては、非常にテキストが多いです、文字数がやたらと多い。なんか作者的に言いたいことがあったんでしょう、石油メジャーに対して。
あとちょっとシュールな要素が増えました、これは後期タンタンの特徴でシュールな笑いの要素がどんどん増えていくようです。表紙も非常に謎めいている。