2024年6月1日土曜日

1998 ゼノギアス

 自分の目で見て、自分の耳で聞いて

世界とのつながりを作っていくの・・・ 

誰かの作った地図なんか見る必要なんてない


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 ゼノシリーズ、の初代で、裏FF7とも言われる作品で、とても曰く付きの作品・・・


スクウェアの狂気が解き放たれた作品といえます・・・


 制作モノリスソフト


 モノリスのゲームはとにかくボリュームとスケールがでかいのが特徴、でワタシはRPGはかくあるべしってものだと思うので好きな会社です。


 ワタシ確かにプレイしたはずです 「ソイレントシステム」と後半めちゃくちゃだったことだけは覚えているので・・・だが、いまやってみると記憶がまじでまったくない・・・これは一体?ドライブ・・?断片的な記憶しかない。


 ゼノシリーズってのはだいたい、めちゃ未来の話でロボットに乗って戦う、っていう世界観は共通のものですが、話のつながりはほとんどないし、シリーズなのかどうかもわからん。

 けどゼノギアス、ゼノサーガ、ゼノブレ・・と現在でも続いています・・、ゼノブレはなんでか知りませんが、Wiiとかスイッチの任天堂ハードを代表するロープレになってますね、スクウェアなのに・・?これはどういう経緯なのかは全く知らん。


 先に言ってしまいますが、このゲーム終盤めっちゃくちゃでして、なーーんじゃあこりゃってことになる。最後のほうは、駆け足で物語だけ文字で述べられるだけになります。

 SO3がマシに思えるほどのアンチクライマックス、あれはシナリオが超展開だったのですが、これは、完全に未完成。締め切りが迫ってこうなってしまったらしい、明らかに未完成作品、本来発売しちゃダメまである。

 端的に言えば、これは不良品です。


 こう書くと途中で終わる短いゲームかとおもわれそうですが、めっちゃ長いです、普通にディスク1だけで50時間以上かかる。クリアまでには70時間くらい。

 ちゃんと完成されていたとしたら、150時間くらいのゲームになっていたと思うと恐ろしい。

 シナリオを長くしすぎたのですわね、実際ゲームにしたらどのくらいのボリュームになるかわからなくて、これはあるあるです。映画のシナリオとかでも、ニ時間でまとめるとこんなちょっとしか入らないんだ!ってなる。


 だがミロのヴィーナス効果というべきか、ちゃんと最後までやってくれなかったおかげで考察などがはびこる形となり、表紙が完全にエロ本であり、手に取ることが非常に難易度が高かった攻略本はプレミアム化してます。あの表紙はまじでどういうつもりなのかわからなかった・・・

 ゼノギアスに限らず、レトロゲームの攻略本は高騰してるみたいですが、確かにコ攻略本って情報量が多くて面白いものね・・・。

 特にこのゼノブレの攻略本は値段以上の買いにくさという点で非常にレアですね。ハンターランクが必要。昔は通販なんて無かったのだ。

 攻略本を読んで初めて、こういうことね、とわかる物語となっています(嘘です、わかりません、でもちょっとは意味がわかる)スクウェアはこのあとも、攻略本とかデータベースを参照しないと物語がわからんってものを送り出して顰蹙を買います、最たる例がFF8。

 

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 マップは3Dにキャラはドット絵という非常に凝った作りですが、激烈に見づらい、正直これはまったく良くない。グラも全然綺麗ではない、このへんはFF7のカメラを固定するやり方のほうが圧倒的に良い。

 そういう意味では是非リメイクしてほしいゲームですね、今度はちゃんと最後まで作ってほしい。改善点がめちゃくちゃあって、伸びしろが多すぎる。

 でもこの未完成のままで置いておけっていうハードファンもいるかも・・・、あとシナリオがえぐすぎて時代と合わないかも・・・

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 戦闘システムはロボットにのって戦うのも含めて結構オーソドックスなRPGですが、バランスは非常に大味。基本殴ってれば勝てる、ギアは装備買えば勝てるってだけです。

 しょうじき面白みはない。育成もあんまないし。


 ちなみに実はエーテルが超火力で、エーテルダブル、E回路、エーテルパワー、などでゴリゴリエーテル強化するとエリィが無双します。


 ほとんどがシナリオを追うのに使われていて、シナリオゲームといえます、戦闘とかはオマケ、終盤がめちゃくちゃなのもあいまって、レベルあげたりする意味はまったくない。

 というかレベル上げるとギアが強くなるのかも不明


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 さて問題のシナリオなのですが、一言で説明するのは非常にむずい、というか無理。


 おはなしは、一言では説明しずらいのですが、とにかく古代兵器のロボットで戦うって話で、ロボットが出てくると必ずガンダムになってしまいます、ニュータイプ的な生まれながらのエリートがいて、ロボットなのに乗り手の適正能力で性能が上がって、もちろん主人公とヒロインはニュータイプであり・・・っていう感じですね。

 が、それだけでは終わらないのがゼノギアス。


 これもエヴァの影響というべきか、ひどく邪悪なものが背後にあって、エログロに染まっていきます。途中アニメシーンもあるのですが、エヴァそのもの。エヴァの影響がこの90年代後半はあらゆるものに入っている。 

 ほいでとんでもない鬱展開が待っている、というのがこの時期の最盛期を過ぎてマニエリスムに入ってきた・・・そっからスクウェア終焉?まで急転直下なのであった・・・


基本的には、ソラリスという謎の天上人たちが、地上の人間を実験体として、やりたいほうだいしてきた。悪名高きソイレントシステムも・・・。

 そのソラリスをみんなのでぶっ倒そうぜ!っていう話。

ここまでなら、まぁいつものスクウェアのお話なのですが、そこからがゼノギアスが始まります。

 

 正直この物語は完全に常軌を逸している。

 

 結局なーーーんのこっちゃさっぱしわがんね、でほとんどの人は終わってしまうのです。風呂敷をとにかくひろげるだけひろげまくって、ドロンです。

 キーワードだけがたくさん出てくる、鍵が必要だとか、神の依代だとか、神の再臨だとか、器、アニムスの器・・・、結局あれはなんやってん、みたいなのが無数にある。

 なんでかわからんが、人が本来の姿になると化け物になってしまうらしい・・なぁぜなぁぜ?・・・


 完全にここにもエヴァンゲリオンの悪い影響が色濃く反映されてるのですが、時期的に、エヴァを見てから作られた?ってことだけでもないと思われるので・・?途中からエヴァになっていったのかもしらんが・・、でもなぜか同じような物語になってしまった、シンクロニシティということなのかもしらん・・・?真相はわからぬ・・・


だが!このクソわけわからぬ、というところから真のゼノギアスが始まります


 高次元存在ゾハル、すべての遺伝子に存在する原初の母ミァン、精神分裂したフェイの乖離と統合、転生したラカン、波動存在との接触、第二次接触、原初の母が分離したミァンとエリィ・・・・・・・


 ここまでぶっ飛んだゲームは他には無い。もうやめてくれ!こっちがおかしくなりそうだ!ってくらいのイカれ具合です。覚醒剤をバキバキにキメまくったSF作家が書きそうな物語・・・・


 精神が不安定な人は決してプレイしちゃいけません、持っていかれます。


 なぜかというか、やはりというか、海外からの評価は非常に高い。JRPGは保守的でいっつも同じだ、といわれるのですが、確かにこのゲームは他のゲームとはまったく違う。RPGのシナリオとして最高傑作や!という人もちらほら。


 ワタシはやっぱりこれは行き過ぎだと思いますね、行き着いてしまったというべきなのか・・・、世紀末のさらに末期が生み出した鬼の子だと言えます。

 意味もなくグロが多いのが個人的には一番の難点。あと着地点も結局家族愛と愛なのだ、っていうのも、なんだかがっかり。物語のたたみ方が下手だというのか・・カレルレン実はいいやつだった、というのもむちゃくちゃすぎる、負けるといきなり人格変わるやつです。

 とにもかくにも改善点は無限にある気がします・・・


 だがそこにすごい情熱とエネルギー量、クリエイティビティがあるのは間違いなく事実。うまくまとまりすぎている昨今のゲームには無いものです、この粗削りのエネルギーは。

 だが、このゲームやってみろ、と気軽には口が裂けても言えない。やらないほうがいいとまで言いたいw

 グラフィック的にもいまやるのはきつすぎるの一言。

怖いものみたさというか、別な方向のホラーを求めている人はやってみるべきか・・・とにかく胸糞わるいものがほしいっていう、タフなメンタルを持ってる人だけに勧めましょう。


 ワタシは全然理解出来ないのですが、スプラッター系やこういう胸糞系が好きっていう熱心な輩がいるのですよねぇ。