2024年10月8日火曜日

1912 失われた世界  The Lost World ロストワールド  ドイル

  作者はもちろん皆さんおなじみコナン・ドイル。


 ドイルはホームズを生み出して、探偵小説というジャンルを決定的にしたうえに、さらにこのロストワールドで、恐竜モノのSFというジャンルを確立します。

 こんな2つもジャンルを開拓する、なんてのを成し遂げたのは、作家の中でも非常に稀ですね。


 先達としてはやっぱしジュール・ヴェルヌ、ということになります。ヴェルヌはそもそも、大衆向けの娯楽小説、というメディア全体、を生み出したという功績がるあるとおもいます。

 というかエンタメ、ってものの創設者なのかもしらん。芸術、アート、ではなくてエンタメ。


 アートとエンタメ、どっちが上ということはないとワタシは思う。どっちも大事。よく言いますけども、まさに寿司とカレーもしくはラーメン。どっちも好きだしどっちも食べたいであろ?


 ドイルって人は、やっぱ人の心を掴むのが上手いというのか、非常に読みやすいし、こうだったらいいのにな、っていう読者に期待を持たせてそれを満足させるってのが上手い。

 冒頭主人公は、グラディスっていう女性がかぐや姫みたいに、偉大な冒険をしたら結婚してあげると言われて、冒険に出ることになります。

 平凡な作家なら、大冒険を終えてハッピーエンドってことになる。でもこの小説では、グラディスは、実は厄介払いをしただけで、冒険から返ってくるとくだらない男と結婚してる。

 すごくそれがなんかカタルシスというか、スカっとしますね。


 滅んだと思われたいた恐竜がもし生きていたら??


 というアイデアだけでもうこの小説は勝ったも同然なのですが、ひとひねりの加え方が上手ですね。

 もちろんこの小説からロスト・ワールド、ジュラシック・ワールドは影響受けてます、著作権払ってるのかどうかは知らん。


 ただやっぱ小説の限界も感じる作品でもある、恐竜の名前を言われてもビジュアルが全然浮かんで来ない。マンガだったらなぁ・・・と感じますね。


 実は毒ガス帯、という続編が存在していて、その続編も有名な作品・・・というわけで毒ガス帯に続く・・・