作者はもちろん皆さんおなじみコナン・ドイル。
ドイルはホームズを生み出して、探偵小説というジャンルを決定的にしたうえに、さらにこのロストワールドで、恐竜モノのSFというジャンルを確立します。
こんな2つもジャンルを開拓する、なんてのを成し遂げたのは、作家の中でも非常に稀ですね。
先達としてはやっぱしジュール・ヴェルヌ、ということになります。ヴェルヌはそもそも、大衆向けの娯楽小説、というメディア全体、を生み出したという功績がるあるとおもいます。
というかエンタメ、ってものの創設者なのかもしらん。芸術、アート、ではなくてエンタメ。
アートとエンタメ、どっちが上ということはないとワタシは思う。どっちも大事。よく言いますけども、まさに寿司とカレーもしくはラーメン。どっちも好きだしどっちも食べたいであろ?
ドイルって人は、やっぱ人の心を掴むのが上手いというのか、非常に読みやすいし、こうだったらいいのにな、っていう読者に期待を持たせてそれを満足させるってのが上手い。
冒頭主人公は、グラディスっていう女性がかぐや姫みたいに、偉大な冒険をしたら結婚してあげると言われて、冒険に出ることになります。
平凡な作家なら、大冒険を終えてハッピーエンドってことになる。でもこの小説では、グラディスは、実は厄介払いをしただけで、冒険から返ってくるとくだらない男と結婚してる。
すごくそれがなんかカタルシスというか、スカっとしますね。
滅んだと思われたいた恐竜がもし生きていたら??
というアイデアだけでもうこの小説は勝ったも同然なのですが、ひとひねりの加え方が上手ですね。
もちろんこの小説からロスト・ワールド、ジュラシック・ワールドは影響受けてます、著作権払ってるのかどうかは知らん。
ただやっぱ小説の限界も感じる作品でもある、恐竜の名前を言われてもビジュアルが全然浮かんで来ない。マンガだったらなぁ・・・と感じますね。
実は毒ガス帯、という続編が存在していて、その続編も有名な作品・・・というわけで毒ガス帯に続く・・・