今作っている、COMO作品、L'Etranger の音楽は何がいぃかなぁと思って探していましたが、やっぱこの曲は良いですね。オープニングに使いたい。あとbjorkのauroraを使いたい。
さて実際弾いてみるとわかるのですがこのgagging order 、Ebキーなのですが、異常に弾きづらいというか無理です。スタンダードチューニングだと、小指と中指でh-p-h-pとひいて人差し指、開放弦の下から!スライドという事になるからどう考えても変則チューニングです。Ebはカポでやると1フレットでDキーで弾くのが普通ですがさにあらず、これはもっと奇妙なチューニングです、DADAC#Eでカポを1fにつけるからEb-Bb-Eb-Bb-D-F,下の三絃が開放でBbM つまりドミナントになります。Ebも弾くと、EbM79、もしくはたんにBb/Ebです。drop D open dominantとでも名づけましょうか。弾けばただ単にEbのキーを弾きやすく並べただけだとわかります。けどそれ異常に大切なのは、4,5stringが2step upでテンションが高く張ってあるので、キーは同じでも音色がか細くて、柔らかい、それがこの曲の雰囲気をつくっているのです。楽譜に直せばこの曲はすごい簡単、でスケールにすっぽり入るのです(たぶんピアノで作曲してギターで弾きやすいようにチューニングをいじったのでしょう)、チューニングさえわかれば誰でも耳コピ可能です。でもギターでしか、しかもフィンガーでしか出せない音です、シンセだと出せない音、シンセでテンションまでは変えられないですから。
実際やってみようと思う人は、テンションを高くするときに弦を切らないように注意、注意したところで切れるときは切れますw、本当はやっちゃダメです、オーバーテンションなんてw
加えてテンポなんですが、テンポというかリズムは無茶苦茶というか、トムヨークすたいるです、paranoid androidのアルペジオみたいにノリです、そしてたぶんしっかり音符で決めないで、スケールのアドリブで曲が出来てます。ヨークはギターが上手い、上手いってのは速弾きが早いとかじゃなくてこういうギターの可能性を高めてくれる人の事を言うんだと思われます・・・
グールドがなんでPOPミュージックはテンポが一定なんだ!と批判していたという話です、確かに商業音楽はテンポがほぼ同じです、それは打ち込みとソフトウェアの都合上そうしたほうが簡単で、一小説ずつ構築的にできるし、多人数いなくてもやりやすいからなんですが・・・ヨークも楽譜はリズムを表すのにはまったく向いてないと言っています、そういう風に、本来音楽の事を離れて方法論や環境で出来る音楽が決まってしまうのは恐ろしいことですね。社会のシステムで人間の精神が型にはめられてしまうみたいに、もっと純粋に音楽を進歩させないと・・・現代音楽はもっとちゃんと音を聞く事から始めないといけないですね・・・