すごくたまに自伝を書いてます。
手のひら
あれは受験生だった高校3年の時の話。教室で朝の回が終わって、すぐに移動教室だったので教科書をまとめていて少しぼぉっとしていた。なんとはなしに手のひらを見つめたいた。トモダチに手なんてみつめて何してんだよと言われて、顔をあげた。別に意味なんて無いからいらついた素振りをして、なんとなくこいつは卒業したらもう二度と会わないなと思って、先に行ってくれと言って廊下を一人で歩いてた。そしてすぐに、その何で手のひら見てるんだよと言われたやつだけじゃなくて、今まで出会った誰一人、長い付き合いをしないような気がして、本当のトモダチやら、永遠の愛やらは自分は絶対に信じられないヒトなんだときづいて、今までやってきたトモダチゲームから降りてしまった、恋愛ゲームからも。社会ゲームからも、マネーゲームからも。
普通のヒトは手のひらなんて見つめないんだと初めて知った、自分が世間一般とは違う一人ぼっちだと思った、むしろそれがありがたいと思った、他の誰かと違う事が意味があると信じた。何かが頭にひっかかる、石川啄木の歌にそんなのがあった。
はたらけど はたらけど わが暮らし 楽にならず ぢっと手を見る
手を見つめているのは自分だけじゃないと知った、泣きそうになった。