2016年10月29日土曜日

1972  ベルサイユのばら  池田理代子

 ぎっくり腰になってしまい、仕事が出来なくなったのでマンガを読むことにしました、ずっと読もう読もうと思ってたけど手が出なかったマンガ、ベルばらです。


 1972年だったんですねーふるーーー!!でもだからといっていいのかその時代の雰囲気がありますね、戦争ベイビー、つまり団塊の世代の青春時代なんです。だいたい1965~1975年っていうのは。つまるところは数の理論でこの時代のクリエイターってのは競争率が高いので、すごいレベルが高いのですねー。つまるところはビートルズがその頂点にあるって感じなんですが、だいたい戦後の古典ってのはこの時代の作品です。


 フランス革命を歴史的に追いながら、女でありながら騎士として育てられたオスカルと、そのおさなじみで平民であるアンドレというキャラクターをフィクションとして付け加えた、歴史フィクションっていうジャンルです。


 実はこの歴史フィクションってやつは一番古典的な物語でして、三国志とかもそうです。歴史を題材にとりつつ、フィクションを付け加えていく。だって三国志にだって、誰がその場面見てたん??っていうのが一杯ありますからね。

 歴史というのも実はフィクションで事実に基づいたフィクションです、支配者が変わると歴史が変わるのもそのためでして、ころころ変更が加えられます。でも一応、オリジナル、としての歴史っていうのがあってそれをみんなで改作して遊ぼうってのは一番物語としては作りやすいです。
 面白さってのは、けっこうなところ、共有経験ってのが大事でまったく意味のわからないことをまったくオリジナルにやられても意味がさっぱしわからん。オリジナリティが大事だと言うけども、本当はオリジナリティよりも、なんでしょう、追体験。のほうが大事なのですよね。


 というわけでこの作品はすごいよく出来てますねー、少女漫画ってなんでかわかりませんが誰の発明なのかみんなおんなじスタイルで書きますよね、ガラスの仮面にしろキャンディキャンディでもみんな描き方は同じ。同じ作品の別キャラでも基本みんな同じ顔ですw 見分けはヘアスタイルだけ。まぁキャラデザする必要がなくていいよねw

 だから物語に注力出来るというのか、すごい練られた物語ってのは少女漫画が多いですよね。少年漫画ってのはだいたいは行き当たりばったりです。あるいは梶原一騎スタイル、1つの強敵を倒すとまた次の強敵が現れて・・・・っていうのを繰り返す。

 ベルばらはちゃんと物語を仕上げてから構成を固めて作画インってのがすごい伝わってきますね、まぁフランス革命という歴史を追っていけばいいので、途中からの超展開とか矛盾ってのはありえないんですけど。


 長編物語を作るってのは女のヒトのほうが絶対向いてるってワタシは思います。特に歴史モノみたいにいっぱい下調べが必要なのをまとめるってのは。つまんないことをコツコツす能力ってのは女のヒトのほうがあります、ワタシは医者とか法律家とかは女の人を信用します。
 ただ一冊の小説で誰かの人生をまったく激変させてしまう、みたいな大天才ってのはなかなか女の人にはいませんね、天才はいるけども、超天才、ってのはオトコに、しかもほんのわずかにいるだけなんですな。



 フランス革命ってのについても私自身結構調べたことがあります、けども調べれば調べるほど、なんか革命ってキレイゴトじゃないなー、革命ってのがみんなが言うように革命的でもなければすっきりしたような事実もありません、民衆が虐殺されることもあれば、民衆が意味もなく虐殺することもあり、常に正しい英雄もいないし、絶対的悪みたいなのもいません。


 結局のとこ革命は失敗して、ナポレオン帝政、そしてずーーーーーっとフランスは混乱しっぱなしでドイツに何度もやられっぱなしでして、最終的にはナチスドイツに完全にボコられてしまい、三流国へと落ちぶれてしまうわけですね。世界第二の帝国だったのに、いまでは世界のプレゼンスはかなり残念なことになってます。それは英語を学ぶ人口とフランス語の人口を比べれば一目瞭然。


 革命は失敗した。ってのは当時の1972年の学生運動に敗れた若者にはどう映ったでしょうかね??