2017年1月20日金曜日

1991  羊たちの沈黙  

  大学にはだいたいビデオルームってのがあって、映画がタダで見放題なんです、少なくともうちの大学はそうでした。よってワタシは映画を見まくってたわけですが、若い頃のワタシはストイックな映画好きでして、エンタメ映画はもちろん、ホラーだのサスペンスだの大衆向け映画は糞だ、みたいなことを言ってたものです。
 しかし人間ってのは変わってくもので、今では文芸映画だの純文学的な映画だのなんてかったるくって見てらんないですw

 最近のワタシの好みは小説は探偵小説、映画もサスペンスかエンタメ映画w真逆になりました、ほんとに人間ってやつは変わりゆくものなり。
 

 この映画サスペンス物としては古典になってるようですねー。美人の捜査官と、刑務所にとらわれている犯罪者でありながら天才的頭脳を持つ心理学者、人食いレクター、に捜査に協力すれば刑を軽くしてやるという交換条件で連続殺人鬼の捜査を一緒にやるっていう。今でいうとひじょーにベタのやつですが、これがベタになったのはこのサイレンス、が定式化したのじゃないですかね。
 これがもっとポップになるとスーサイドスクワッドとかになるわけだし、なんでか知らないけど刑務所に捕まってるやつはむしろ善人、みたいな感じにすらなっています。外にいるやつらよりも純粋で、バカだけど個性のある仲間達、みたいな調子で。
 哲学者のラッセルがデモに参加して捕まった時に、友人が訪ねて来て言いました、あなたみたいな人がこんなところで何をしてるんですか?と、ラッセルは、キミはそんなところで何をしてるんだ?と返します。

 刑務所に捕まるようなことをしないってことは、オマエは何にもしてないんじゃないか?ってことなんですけど、たしかに実際には偉人とされる人物、服役経験がある人物のほうが多いんじゃないでしょうかね。ソクラテス、イエス、ガリレオ、ドストエフスキー、などなど・・・。


 話を戻すと映画としてはよく出来てますねー、POV、主観視点と、カメラを正面から見るカット、スーパーズーム、とある意味ゲームっぽい、ゲームがサイレンスからパクったのかもしんないですけどねw 印象的なカットが多いです。
 でも全体としてはドライでクールな質感に仕上がっていて、盛り上げたろう!!とかほらここ怖がるとこですよ!みたいなおしつけがましさが無くて、アメリカ映画とは思えない、ある意味おしゃれな感じです。犯人のサイコ感もなかなかいい感じ。クラリスが精子を投げつけられたりと下ネタとかダークなネタもたっぷし。映画として観てて面白いという点もクリアしていて、この手の映画が賞を取ることは少ないんですがアカデミーでも五冠?達成したのもうな付けるって感じです。

 
 あとこの時代の携帯とパソコンにあまり頼らないのがいい感じ。最近の映画ってほぼスマホとパソコンを叩いてるシーンが多すぎるんですもの。スマホってホントバカみたいに見えるのはワタシだけなんですかね?なんかいい年こいて何やってんだって思うのですよね、スマホを操作してる姿ってのがダサすぎ。
 タバコを出してカチンと火をつけて一服というのは絵になるのですけど、スマホを出して電話をする、なんてダサすぎです、探偵物語で松田優作がスマホだして操作してたらどう思います?なんかだっせーーって思いませんか?



 ・UVA、というのはUniversity Of Verginia、のことなんですね、紫外線のことじゃないですよ。