2017年1月21日土曜日

2015 舞台 プルートー   シディ・ラルビ・シェルカウイ   森山未來

手塚治虫の鉄腕アトムというマンガの中に、史上最大のロボットというエピソードがあり、それを浦沢直樹がリメイクしたマンガ、プルートー、があって、それをさらに舞台化したという作品でありんす。

 何重にもリメイクリメイクされていて、もはや元ネタとはかけ離れていますけども、ワタシは手塚治虫マンガが嫌いなんですね、理由なんてなんにもなくてただ肌が会わないんです、デザインとか、それにたぶん人間的にも、作品の出来云々じゃなくて、なんかとにかく読めない。

 でもこの舞台は原作からかなり離れているし、ワタシ森山未來のファンなので見れました、さらに、この舞台はただの演劇じゃなくて、シェルカウイという人はダンサーであり、森山未來もダンサーとして修行した後の作品で演劇だけじゃなくてダンスの舞台としても見れます。ワタシダンスも好きなんでよく見れます。



 作品の内容は、すごいベタなんですが、トラキアというアメリカ的な国がペルシアに虐殺戦争をしたことを恨みに思った生き残りが、復讐をする。それそれをロボットに置き換えたというお話です。憎しみの連鎖は止まらない!みたいなやつ。この当時散々言われてたことですね、でもこんなのマンガにしたってコドモには刺さらない気がするのだけど・・・。

 部外者から見たイラク戦争を元にした物語っていう感じなり。けど森山氏はイスラエルにダンス修行に留学してましたんで、肌で何かを感じたんじゃないですかね。

 森山氏、くだらないテレビドラマみたいなのに出てましたけどもそれをドロップアウトしてダンス修行に行ってからは、文学的な作品とかに出るようになりました。ワタシはそのくだらないドラマでチラっと見た時からなんかこの人はちゃうなー、ふてぶてしいというかw ってのを感じましたね。でもこんなに化けるとは思ってませんでした。

 テレビドラマとかって、なんの経験もないアイドルとかお笑い芸人とかが、話題作りと数字獲得のために出て、最近では映画でもそうですけど、それなのに賞とかもらって、頑張って演技を勉強して、努力している俳優にとっては、ものすごいモチベーション下がりますよね。なんじゃいそれは。それはなんかもうイヤんなったな、ってなるのはすごいわかります。音楽とかもそう、こんなのが売れてるんだったら、もうイヤんなるな・・・。ってなる。
 森山氏はそういう俳優として成長の場所が無いバビロニアからエクソダスして上手いように位置を取ったなって感じ。演技も出来てダンスも出来る、カラダもしなやかで表現力もすごい、もうなんか現状、俳優としてトップなんじゃないかと思いますねー、姫川亜弓的ポジションですw 素人とはカラダの作りからして全然違う、恐ろしい子!!

 
 舞台、ワタシは板っていう呼び方のほうが好きですけど、俳優にとっては絶対板のほうがやってて楽しいですよね、とにかくカラダを動かして汗かいて大声出すほうがスッキリするもの、ワタシもほんのちょこっとだけ板をやってたことありますけど、板のほうが始まりがあって終わりがあって、スッキリしますし楽しいです。映画やアニメはあそこを直したい、ここ気に入らない、って何度もやり直して終わりが見えないけど板ってのは確実に終わるから、なんにせよスッキリします、気持ちいい。ただコンディション合わせたり、セリフ詰め込んだりというプレッシャーも半端ないですけども。
 板の欠点は、一握りの金持ちしか見に来ないことですね、しかもこういう人気俳優が出てるものには必ず固定ファンがいて、同じ板でも何回も見に来やがっていい席を独占して、演じ手からして見に来て欲しいと思うような人はチケットが取れないってことです、さらに転売とかヤフオクとかするクソ野郎どももいて、全然届かないってことですね。まずなによりチケット代が高すぎるしね・・・。普通に1万超えるもの。さらに東京に住んでなかったりしたら2万はかかってしまいます。
 何か社会的メッセージがあるような作品をプチブルしか見に来ないってのはまったく意味がねぇこってす・・・・