だいたいにおいて2ってのは失敗するものです、95%くらい。2が作られるってことはまぁまぁ1が当たったということでもあるし、その成功に味をしめてもっといいもの・・・・、なんてのが上手くいくわけないです。
だいたいにおいて1、ってのは実はその製作期間が膨大だったりします、新人が自分のそれまでの人生、ってのを全部自由に素材として使えるから、製作期間だいたい、15年って感じですか。2ってのはそれと同じくらいのクオリティを1年か2年で実現しないといけないわけですから、だいたいは、内容がシャバシャバなものになりがち、もちろん才能人で湯水のごとくアイデアがあふれる天才ならどんどんそっから羽ばたいていけるわけですけど凡人には不可能なこってす。
更に時間をかなり開けて作られた続編っていうのはこれはもう失敗が目に見えてる。で、このトレインスポッティング2もダメな映画なんだろうなぁと思っていたのですが、なんとなく見ないわけにはいかないって感じで見てしまいました。
1はものすごくワタシ個人的な思い入れがあって、1は90年台の映画といえばこれ、っていうくらいめちゃくちゃ有名なオシャレ映画だったのですね、とにかくすべてがかっちょ良かった。ファッション、デザイン、ポスター、宣伝、俳優、構図、コンテの展開、脚本、原作、全部がめっちゃオシャレやなーーー!!っていうオシャレ映画でした。こんなオシャレな映画ないぜ、っていう。とにかくかっこいい映画でして、わたしは原作の小説も当時はつたない英語力を駆使して読んだ(めっちゃ難しいんです、ウェルシュの文章は方言で書かれていて殆ど何が書いてあるかわかんない)、映画も脚本をすべて日本語に直してディクテーションの練習にも使いました。
ワタシの英語の喋り方っていうのは初代トレインスポッティングなんですね、この人達みたいに英語しゃべりてぇって思って勉強したので。
ともかくそんぐらい個人的な思い出があるんです。
だから続編も、たぶんつまんないんだろうなぁ・・・と思いつつも一応ファンの義務として見ておきました。
結果は・・・・
そこまで悪くない!
ですかね。もちろん初代よりもいいってことは無いですけど、不安を感じていたよりは全然マシでした。むしろ単体の映画としては良い出来だと言えると思います。
ただ出て来る人間は全員50近くのおっさんばっかりで、いったい誰をターゲットにして作ってるんだって感じでもありますけどw ワタシみたいな初代にドハマリした物好きしか見ないですよねこの映画w
gentrification っていうコトバが出てきます、ジョントリ化、これは一体?このコトバは、富裕層やプチブルの生活空間が都市部でどんどん広がってきて貧困層がもともと暮らしていた場所が綺麗に再開発されたりして、家賃や物価が高くなって貧困層はそこから追い出されるっていう現象なんですね。
うわー、すごいわかる。っていう感じですね、別のイギリス映画ですけど、スタバリゼーションっていうのもありました。もともとあった味のある店とか歴史のある店、っていうのが全部綺麗になくなって、再開発されて全部スタバになってしまう、全国どこに行っても結局同じ店になっていくっていうことです。そしてみんな同じものを飲んで同じ服を来てる。
電車とかに乗るとすごいそれを感じませんか、みんな同じ姿勢でスマホをいじってる。どんどん大量生産のアンドロイドみたいになってる。
こういうコトバの裏には、資本主義の流れだから仕方ないけど、世界が全部同じもの、になっていってどんどん、貧しい人間とか個性的な人間とか社会とあんましうまくやっていけない系の人間は存在出来なくなってくってことの閉塞感みたいなもんなんでしょうね。
世界がどんどん同じもの、になってくってのはすごい感じることで、みーんなI phone を持ってるし話してることも、やってることも、だいたいは似通ってるってことです。自分の食事をSNSで公開して一体それがなんやねん、ってみんなが思ってる。
ワタシは世界が老いぼれて来てるってのをすごい感じます、老人の悪い部分がすごい出てる気がする、なんか若い世代の若い作品、ってのをなんか全然見てない気がする。パッケージとしては若い人がやってても、やってることは全部裏で手を引いてるフルくさーいものです。
そして自分の権利とかに執着して他者を受け入れない、城壁を高く築く。そういうやり方をすごいよく見る気がしますね。