水木しげるって実は妖怪モノよりも、こつこつこういう歴史物を書いておりますね。昭和史(ねずみ男の)、戦争もの、などなど、まぁ死、というか向こう側のセカイの匂いがするようなものばかりなんですが。
ただ明るい話なんて書いても作品になりませんからね~、明らかに写真を起こして描いてるシーンがあるのですけど、あれどうやってんですかね?優秀なアシスタントがいるのか、まさかコピー機を駆使して、全近代的手法なのかw 90年にはフォトショとかないし。
けど、奇特な猟奇趣味の作家というわけではなくて水木さんはバランスがとれてると思うのですよね、手塚治虫みたいに、人間はバカ。っていう諦念決めつけ路線でもないし、といって平和が一番、平和が大事みたいなアグネス・チャンみたいなヒステリー平和主義者でもない。そこがやっぱ実際に戦争に参加して片腕持ってかれてる、本当、の戦争世代の視点なんでしょう。他のやつらはすべからく、勘でしゃべってるだけですから。
ほんとに、最後の、1人ですよね、戦争現役世代の。宮﨑駿よりも18も年上なんですね、実は手塚よりも年上です、手塚も戦争には行ってないというわけで、今91才・・91才!! まじかよ。
前にも書いた記憶がありますけどあるドキュメントで、しげる氏はハナクソをほじって最後にそれを掘り当てたのですが、それをひょうと食べて、塩分補給。と言ってました。ほーーーーーぅ!wそれができるのは今では日本に1人だけじゃないですか、テレビ番組で。
ヒトラーものは大好きなIですが、これはよく出来てるなぁという気がします、特にやっぱヒトラーの貧乏時代をちゃんと描くところが良い、浮浪者ヒトラーからフューラーヒトラーへ。こんな魅力的な人物は他にいない。
やばいヤツと思われるのを覚悟でいいますけど、20世紀で一番偉大な人物はヒトラーだし、一番21世紀的な人間もまたヒトラーだと思いますね。Iはナチ党員じゃないですけどw
なんでそこまでヒトラーが魅力的かというと、ヒトラーはたぶん一番ワタシタチに似ている、他のだれでもなく、自分たち、ワーキングクラスで、安定した未来なんて描けない自分たちに一番似ている。矛盾してて、愚かで空想癖、夢見がちで、自己中、美しいものを愛していて、誰かを好きになったらおいおいとその死を悲しむ、残虐なことをしながら、本当に正しいこと、偉大なことをしたいとも願ってる、ヒトラーは狂人でも天才でもない、超人でももちろん無い。普通のニンゲンです。矛盾と迷いと弱さを抱えた、普通のニンゲンなんです、だから普通のニンゲンのココロ打つ、狂気をマジシャンのように演出できる、超越的天才なんかではないんです。
セカイの圧倒的大多数の人々、つまり夢破れてカネも無い落伍者達、の本当の夢はヒトラーになることです、権力者は当然それを目の敵にするのですけど・・・・・ともかくAHは最もニンゲンらしいヒトだとIは思いますね・・・