2018年8月28日火曜日

2011 国家は破綻する this time is different カーメン・ラインハート

国家破産シリーズ

 結構な大著ですけれど半分くらいはデータ集とデータ索引なので実質な文字としてはそこまででもないです。

 とにかくデフォルトや銀行破産などのデータを集めまくって分析してみましたという本。これまでこの手の本で無視されてきた国内債務、などが取り扱われている点などが特徴で、金融が発展してきた中世のヨーロッパからデータを集めております。

 言ってることはそりゃそうだろ、ってことだと思います。無茶な借り入れをすると破産するということ、国家の財政はあらゆる国で最初はめちゃくちゃであり、あらゆる国がその歴史上、財政的破滅を味わっているということ。

 最後にはお決まりの国際的な監査機関が必要だ、という結論になります。

 まぁそりゃそうなんだろうけど、作者自信無理だろって思ってる解決法を書いて終わりにするのはまぁ学者の悪いクセですよね。環境問題は悪化している、国際的な協力が必要である。
 そりゃそうだろうけど!それが出来たらなんの苦労もしません。あらゆる人間はブッダかキリストのような高い倫理性をそなえた人間になれば何の問題もありません。と同じことです。悪い人間がこの世からいなくなれば、きっと良くなります。っていうのと同じです。
 
 いやそりゃそうだけど!!そうなるはずないじゃん、まずそうは出来ないからこうなっているのだ、っていう前提条件が間違ってますもの。


 とにかくバブルと金融の破綻を防ぐ方法は無い、ってのが結論だと思います。現在、もイラン、トルコ、がトランプ政権の圧力などで経済が崩壊しかかっていますし、現在ナウ崩壊中、いや経済とかいう問題ではないっていう国もいくらでもあります。

2018年8月27日月曜日

2007 世界樹の迷宮


 大事な攻略情報

このゲームの攻略の要は職業選択とスキルの割り振りにかかっています。ゲームの難易度が大いに変わってきまする。失敗しても新たに作り直せばいいのですが相当面倒くさい。よっておすすめ紹介。

 職業の強さのバランスは相当練れていると思います、どれも弱いということはありません。好きに組んだらよろしい・・・といいたいところですが、強い構成はあります。
 メディックだけはとにかく必須。あと属性攻撃が出来るアルケ、バードのどっちかも必須です。じゃないと物理が効かないカメ?カブトムシ?に相当苦しむ。
 どのサイトもおすすめは、パラ、ソード、レン、メディ、バードとなっております、確かに一番それがバランス良いかも。
 個人的にはソード(剣)ソード(斧)ソード(どっちでも)、メディ、バードがよろしいかと。パラはあんまし役に立ってなかったような・・。縛ったりするよりも脳筋でゴリ押ししたほうが早い気がする。小細工を弄せず脳天叩き割ったほうが早いw ただつまらない編成ではあります。

 スキルの割り振り!!これが一番といってもいいほど大事。中には伸ばしてもまったく効果ないもの(パラの挑発)、伸ばしても使いみちの無いもの(サポート系)、めちゃくそ強いもの(医術防御)などあるので攻略サイトなどを見るべしですね。

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 概論

アトラス先生によるロープレですが、コンセプトが非常にハッキリしていて、アンチスクウェア!w まさにそれです。
 ムービーやグラフィックなど、映像表現を切り詰めるだけきりつめて、テキスト主体、ゲーム本位のストイックな3Dダンジョン探査型ゲーム。
 マップを自分で描き込んでいかないといけない、など、うわっ!いつの時代のゲーム感覚!?っていうくらいとにかく古き良きゲームに戻ろうがテーマになっています。

 テキストもTTRPGみたいに。
「そこにキラキラしたものがある、君はそれを拾ってもいいし、無視して進んでもよい・・・」

「恐るべき強敵の気配がする!逃げることは恥ではないぞ、冒険者よ、戦うか戦わないかは君の手に委ねられはいる」

みたいなゲームマスターとの対話形式の独特のテキストスタイルとなっています。ワタシこのTTRPGにすごい興味があって、やってみたいな~・・・とずっと思っています、特にクトゥルー神話のシリーズ。しかしよほど暇なゲーム好きが5人ほど集まらないといけないし腕のいいゲームマスターまで用意しないといけない、ハードル高杉晋作かよ、って話です。TTRPGカフェみたいなのがあるみたいですけど都内で遠いだろうしな・・・。出不精でさらにミザンスロープのワタシには無理ゲー。じゃあそもそもやろうと思うなって話しですけどw

 ネットで同時通話でそれが出来るサービスとかあったらいいのに、まぁクソニッチな産業なのは代わりないですけどにゃ。けどゲームっていうものの本当の源流はこのTTRPGにあるのですよね。
 対話形式の会話による集団創作みたいなとこがあります、その場その場で物語をみんなで生み出していく、「役割を演じる」、RPG。

 そんなわけでBTTB back to the basic 基本に帰れっていうことです

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ストーリー

そんなものは殆どないのだ!冒険者よ!ダンジョンとベースキャンプしかないのだ!

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システム

無茶苦茶オーソドックスなロープレですが、前後列の区別があるのがDQなどとの違い。パーティ5人、っていうのがミソで、回復のメディックは必須、物理攻撃が効かない敵がいるのでアルケミスト、あるいはバードも必須、しかしそれで後列は埋まってしまう!素早い攻撃のレンジャーは一体どこに入れればいいのだ!?防御特化のパラディンは本当に役に立っているのか?基本に忠実なソードマンをあえて外してみるのは自殺行為なのか!?なんで武闘家がいないのか!ブシドーは本当に強いのか?ペイントレード強すぎないか!?その真意は冒険者である君が確かめてもいいし、確かめないでもよい。


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 攻略情報

レビューなどにあるように序盤の難易度かなり高めです、全滅ポイントてんこ盛り。アトラス先生になれてるヒトには、まぁいつものことですけど初心者には辛い。とにかくカネがないしFOEが強い、さらに宿屋の値段が高いのが激痛。後半もいつもの通り敵の火力が高い。敵の先制、眠らされる!フルボッコ!全滅!ってのも結構ある。
 序盤の突破口はあります。レンジャーによる大量自然破壊大作戦ですw とにかく木を切りまくって木材を売りまくる、文明のちからを見よ!w 細かいやり方は攻略サイトなどを見てください。マップもまさにそれをやれっていわんばかりの製作者側の気遣いが見えます、確かに大森林のダンジョンを攻略するには、木を切り倒すのが基本、そりゃそうだ。人間ってのは木を切り倒すイキモノなのだ。

 だいたいのロープレに出てきますが中盤の壁、クイーンアントがそーとー強い。まぁアトラス先生慣れしてる人には、来たなこういう中盤の壁・・・っていう感じ、ポケモンとかで育ったガキには難しい。パーティの相性でかなりキツイ、さらに育て方間違ってても相当シーキビ。

 ただメガテンみたいに開幕ムドオン、即死!っていうのは少ない気がする、メガテンみたいに主人公が死んだ時点でイゴルことがないからですね。


 あと面倒くさい地図書きイベントですが、ゲームを通じて2つしかないのでここは我慢してやるしかありません。・・・でもやっぱ面倒くさいので地図描くシステムはなくてもいいのでは・・・


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 グラフィック路線とFF7

 このゲームが特別にってわけではありませんが、グラ重視の弊害について。
 グラフィック主体、の先駆けとなったのはやっぱりFF7だと思います、FF7がゲームを変えたし、FF7がゲームをダメにしたとも言えます。今のスマホゲーみたいな美少女キャラ集めみたいなのも、グラ重視の派生系で、もとはFF7にあると思うのです、美男美女が主人公でゲーム性よりもキャラクターが好きっていう。今でもセフィロス、クラウド~ふぉー~!っていう腐女子も、ティファ、ユフィたそ~!っていうキモオタもいるわけで、本当に時代を変えてしまいました。ゲーム自体得意ではないけどキャラが好きなのでやるっていう新規参入もめちゃ増えた。特に♀ゲーマーがこの路線になって激増しました。今ではもはやゲームに金を突っ込んでるのはもはや大半♀なのではと思うほど。
 ワタシ自身もFF7はめちゃくちゃ大好きなのです、ここが難しいところ。でもFF7路線には不満もある、アンビバレントなものを抱えています。

 sex is a weapon its like a drug!  っていうようにセックスアピールってのは麻薬ですから、麻薬と同じで一度使ったら辞められなくなる。一度美男美女でファンを獲得したら、次にゴリゴリの、まさにこの世界樹の迷宮みたいなゲームを出したら、大批判を浴びるに決まっております。
 アトラス先生も、ペルソナ、はギャルゲーロープレ、だと言われておる、確かにそういえばその通り。でもワタシはペルソナも大好きなんだよなぁw ほんとにここは難しいところです。
 麻薬が気持ちよくない人間なんていないのです、気持ち良くないなら誰が麻薬なんてやるものか。そこが問題なのです。麻薬が危険なのはそれが中毒性があるからではなくて、それが快楽だからなんです。


 でもワタシはやっぱし、グラ重視がゲームをダメにしたと思いますね。これがワタシの意見。3Dのゲームをやっていると、あれ・・・、これって実は全部同じゲームなのでは?って思いませんか?キングダムハーツにしろ、無双シリーズにしろ、FPSだろうがTPSだろうが、PSO、バイオハザード、モンハン・・・ただちょっとだけキャラのデザインと武器の射程とかが違うだけの、全部おなじゲームなんじゃないか?ってワタシは思えて急になんか、脳の奥の方からトカトントンが聞こえてきそうになります。これはワタシだけの感覚なのですかね?

 DQタイプのロープレだってそうだろ、ドラクエだろうがメガテンだろうがFFだろうがだいたいターン制の同じゲームなのになんで3Dだけが同じように思えるのか?っていうのはもちろんあります。
 そりゃ一体なんなんだろうな?って思うと、やっぱ絵、と3Dモデルの違いなんだと思いますね。イラスト、だと誰が描いたかってのがわかります、あっこれは鳥山明の絵、天野喜孝のイラスト、っていうふうに。3Dモデルってやっぱ立体として存在しないといけないわけで、ちゃんと構造をもたせないといけない、そうすると作家性が失われて、無個性になってしまう。イラストレーター、には特徴があるけど、モデラーには個性が無い、上手いと下手があるけど個性が出にくいと思う。このモデラー好き、みたいな特定のモデラーがピックアップされることもないし。

2018年8月21日火曜日

甲子園終わりぬ

 予想をまったく外して、大阪桐蔭が優勝しましたね。終わってみればそりゃそうだろ、ってことなんですが、あれですね、結局単勝1.2倍の一番人気が勝ったあとで、そりゃそうだろ、なんでこいつ外して当たるとワタシは思ってたんだ??って冷静になってしまっている気分w
 決勝はワンサイドゲーム、ちっとも面白くありませんでしたね。

 ワタシは高校野球全然詳しくなかったのですが、聞いたところによると、今は越境入学ってのが盛んでして、大阪桐蔭には県外からも優秀な選手を集めていて、殆ど西日本オールスターみたいなチームなんですってね。

 金足農業はそれと比べると、そこまでではなくて、やっぱし天才が一人現れた田舎のワンマンチームです。っていうか昨日投げて、今日も投げる、そりゃ持ちませんって、無理だぜそんなの。殺す気か。まぁ大阪桐蔭のピッチャーも連投だったのですけどね、けどリリーフがいくらでもいるのと、自分ひとりしかいないではそりゃ全然ちゃいますがな。


 やっぱり努力よりも才能と資金力である。ってのを見せつける結果となりました。高校野球というとクリーンで、マネーゲームではないっていうのはもう大昔の話のようです。

 ワタシは思うのですけど、努力すればうんぬんかんぬん・・って言いますけども、努力、が出来る、環境、があるかどうか、という運、というか資金力。がまず必要だからね、って思う。
 努力、をしたくても出来んっていうことが往々にしてある。環境が整っていて、努力がしやすい環境にある、それが何よりも大事な前提条件です。


 フランク・シナトラが言ったということには「成功するのに必要なのは才能、それから先はテクニック」らしいです。
 ワタシとして「成功するのに必要なのは運、そこから先は才能」だと思うなぁ・・。


 

2018年8月18日土曜日

2012 国家破産で起きる36の出来事  浅井隆

ハッキリ言ってこれは悪本です、このブログで悪本が登場するのは稀ですね、だいたい古典かゲーム、マンガしか扱わないので、現代の一般書が出てくることはまずない。

 別にこの本に限らず現代のいわゆる新書だの一般書ってのはほぼすべて悪本です、一部の科学の専門向けの本以外は、愚にもつかないことと、虚言、誇大広告が書いてあるだけです。


 と、ディスりつつも、事実としてはまともなことも書いてあります、悪本な理由は・・・については次作で書くことにする・・・に対する解決法はもう一つの本を買ってくれ・・・
 みたいな殆どが自分のCMと売り込みばかり書いてあるのです、ひどい本だ。
だいたいのダイエット本やら健康本、もまぁ同じようなものですけどね。金を払って買ったのにさらに広告ばかりという詐欺です。電車に乗ってても思うのですよね、なんで金払って乗ってんのに広告ベタベタ貼ってあるんだ?って。広告見せるならタダにしろよって。

 ともかく国家破産はまぁどういう形であれ起こるでしょうってことです、これもワタシも絶対そう思う。しかしこの本は2012年で、あと5年で危機的状況になる・・・・と断言してますので、めちゃくちゃ嘘だったということになりましたね。


 アベノミクス・・・、は微妙に延命効果を発揮しています。経常収支は黒字ですし、インフレも今のところじわじわと進めていけている、このままじわじわインフレ、を続けていくことができれば、年5%であっても、10年後には162%になるわけで、借金は実質半分になるという次第・・・そんなにうまくいくわけないけど、いきなりの破滅、大混乱を避けられる、の、かも、ね。年金も半分だけどにゃ。でも絶対インフレが起きることは間違いない。

 まぁインフレってのは実質増税と同じなのですが、ポピュリズムでは増税は出来ず、インフレとなるわけですな。

あと庶民はどうあがいても海外移住なども出来ないし、リスク分散などもたかがしれている、諦めろということです。金持ち、まぁ5000万くらい持ってる人だけが、リスク分散、海外移住を準備したほうがよろしいのでしょうね。


ちょっと気になるのはアマゾンなどで探すとここ数年この国家破産について、みたいな本が全然出版されてないのです・・・裏で言論統制が敷かれているか、さらに悪いことですけど、国家破産のリスクが無くなったという油断が生まれているのかも。


 

結局戦争ってのは経済戦争で、人種だの宗教だのもやっぱり経済闘争だってのがワタシの今のところの考え。

2018年8月15日水曜日

甲子園 高校野球 

 第100回記念というわけで、わたしは生まれて始めて今年は甲子園を見まくっておりまする。
 やっぱトーナメントってのはいいものですよね、一回勝負。めちゃくそ強いところにも、もしかしたらの不調などが重なって勝利出来る場合もあるし、思わぬスターが飛び出す場合もある。

 ここまで見たところ、どう考えても金足農業のピッチャー吉田だけ図抜けております。ただ、ずっと一人で投げてる、こういうワンマンピッチャーチームってのは、いくらなんでも一人で投げ抜くのは無理ってもので、どっかで力尽きるものであります。常識で考えりゃそうだろって話ですよね、プロなんて一週間に1日しか投げないのです、それもだいたい6イニングで交代、それを9回完投を短い期間で投げる、殺す気か、って話。マンガじゃと現実を重ねるべからずってやつ。だからどっかでエースを温存したいとこですけど、エース温存で敗退したらファンもメディアもなにしてんだクソ野郎が!ってなります。



 で報徳学園の1番バッター小園、っていう無茶クソ足の早い異次元のプレイヤーがおります。これも明らかにスーパースター予備軍。で、もちろん春優勝の大阪桐蔭は選手層厚すぎだろ、さらに殆ど地元ってのも大きい。

 よって優勝予想はだいたい報徳、か桐蔭だってことになってるでしょうね、一般的に。ただ桐蔭はなかなか危なっかしい勝ち方で、無敵艦隊って感じではない。どっかでこけそうな感じもあります。勝って当たり前チームなんでプレッシャーが大きいのですね。

 なのでワタシの予想は報徳です。桐蔭はたぶん決勝までこないんじゃないかな?と。


 ちょこちょこ見てて思ったのですが、もうこの県はこの学校が甲子園行く、ってお決まりになってるようなチーム、そこの県の野球少年で甲子園出たかったらもうそこに決まりっていう学校。そういう学校の予選大会ってもう試合になってないみたいな戦力差があって、打率とかが5割超えたり無茶苦茶になってるのですね。だからそういうところって案外弱かったり大敗したりするのですね。
 

あといっつも気になるのが監督の指導方針ですね。
「のびのびと自由に、笑顔で」
 っていうような言い方をするタイプがめっちゃ増えとるのですな、ワタシの知ってる野球部なんてスパルタンX以外は考えられなかったけれど、そういうのはもう流行らないみたいです。だから泣くやつも少なくなったのでは?あの血反吐リアルに吐いてた練習・・・っていうのが無いんでしょう。もっと科学的で合理的な練習になってると思うし。
 じゃあ野球部=坊主っての辞めれば・・・?とも思うのですけどね。野球=坊主ってのはまじで何の意味もないし・・、ベースボールの本場のアメリカでは坊主なんかしてないし。
 あの高校野球児は坊主がいいなぁ!って言ってる世代ってまだ生き残ってるんですかね、もう現役世代じゃないと思うのですけど・・・。

2018年8月11日土曜日

2008 戦場のヴァルキュリア

 概略

 タイトルだけ聞くと、ヴァルキリープロファイルみたいなファンタジーロープレかな?と思いますが、けっこうリアルよりな戦車シュミレーションアクションゲームです。何故か戦闘機が登場しない第一次世界大戦後のセカイ、みたいな感じ。

 シュミレーションアクションゲームってなんやねん、と思うかもしれませんが、それがまさにこのゲームのツボというか全てだと言ってもいいと思われます。
 シュミレーションの戦闘、の部分がアクションゲームっぽくなっているという感じですね。普通シュミゲーならコマンド選択して戦闘は自動ですけど、その戦闘、の部分がシューティングっているという感じ。
 といってもそこまでアクション性はなくて、焦点を合わせてる時は時間が止まるなど、反射神経はそこまで要求されてません、ただ移動などはちんたらしてるとすぐ死にます・


 このゲーム感覚は独特で他のどのゲームにも似てません、以前ペルソナ3について書いたときに、たぶん新しいジャンル、というのはもうゲームには無くてこれからは、2つ以上のジャンルの融合、ケミストリーになってくる、と書きましたが、このゲームがまさにそれ、シュミレーション、とアクション、のケミストリーとなっております。

 結構チュートリアルがざっくりしていて、最初は、は!?っていう感じですが、慣れてくるとなるほどなぁ~~って感じになってきます。最初は戦車のラジエーターに攻撃をくらって即死して、WHAT!?ってなりますけども、実際やってみて、あぁこういうことな、っていうのを学習する以外ありませぬ。

 あと最初に勘違いしてしまうと思いますが、このゲームは敵を全員ぶっ倒してすこしずつ前進して倒すというゲームではありません、そういうスパロボ的なシュミレーションではない。とにかく相手の陣地、を急襲して奪うというゲームです。ザコは無視してとにかく玉砕覚悟で敵陣地へと猛攻撃をかけて、電撃戦で勝たないといけません、ちんたらやってると相手は無限湧きするのでジリ貧になってしまいます。

難易度は、レベル上げが可能なので、無いといってもよいです、どんなに下手っぴでも根気があればクリア可能。
 が、初見でレベル上げも何もなし、情報無しで攻略するのは、相当ハード、いや、むちゃくちゃ難しいです。まずだいたいにおいて、敵のほうが、兵力、物量、地の利、兵器の威力で圧倒的に有利、こっちはいっつも窮地からのスタート、こんな戦争勝てるか!!と捕虜をXXXしてXXXをかけてXしたくなるくらいの状態ですw
 どうすれば勝てるのか?という意味がよくわからないマップも結構あります、どうすれば勝ちなの?っていう。
 まず一回、あぁこういうマップな、ってのを確認して、なるほど、じゃあ一回ロードして。っていうのをやらないと、全然知らないマップで勝てるわけないって感じです。
 いきなり奇襲、敵戦車出現!ボカーン!負けー!ってのもよくあるw

 ゲームをプレイしてる感覚はなんとなくファイアーエンブレムに近いです、とにかくまめにセーブしてうまくいかないとリセット、ロードの繰り返し最近では久々のリセットゲームです。相手に避けられたらまぁリセット確定、エンブレはスーファミらしくロードが早いので良かったですけどこのゲームはロードがやたら長いので、そこが問題。まぁ本を片手に読みながらやるっていう感じですか、今どきの人ならスマホゲーム片手にダブルゲームですね。


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プロット

 ストーリーや世界観はどうみても宮崎駿の影響が90%、戦車のデザインもそうだし、タイトルカット、コンテの切り方、喋り方まで宮崎駿大好き少年たちが作っています。これはほんと良し悪しなんですけど、他にまともな作品に触れてこないで大人になってるやつが9割なんですよね。自分がいざ作る側になったときに、ん・・・?引出しが全然ないやんけ!ってのが現状。根が非常に深い問題なのですが今のクリエイターって全員、人生の経験、ってのがカラッポなんですよね、だから他のヒトの世界観を拝借していくしかない。義勇軍として中東戦争に参加して帰ってきた・・みたいな経歴のクリエイターいるわけないし。

 よってある意味すごいダサい、70年台っぽいっつーのか、野暮ったい、ぬるい、ベッタベタ。逆に言えば、一般受けする、わかりやすい、善悪がめちゃハッキリしていて、ノスタルジック。時代劇的にわかりやすく窮地に陥り、わかりやすく危機一髪で助かる。
 レンダリングがトゥーンレンダリングと水彩っぽいエフェクトを駆使していて、これも言い方ですけど、懐かしい感じ、親しみやすい、逆に言えば、ちゃちぃ、専門学生レベル。

 でもワタシはこのCG感は結構好きです、よくあるのですけどグラフィックに凝りすぎていて、道、がわからん、ってのがあります、視認性悪し、それってゲームとして一番ダメだと思う。将棋の駒が達筆すぎて何の駒かわかんなかったら困りますよね?レンダリングを綺麗にするのはいいけどゲーム性が損なわれてるのは本末転倒。
 このゲームはすごいシンプルなので、はい土嚢、はい瓦礫、など視認性が高いです。
 けどもムービーとなるとやっぱCGがちゃちいです。物語パートがけっこう多くてかったるい、スキップも出来ないものが多い・・・
 ですが声優陣は非常に豪華。(声優ってめちゃくちゃビッグネームでもそこまでギャラが高くないんでしょうね、それって声優業界としてはすごいプラスだと思います、ベテランも天狗にならずに仕事しますものね)
 めちゃくちゃどうでもいいサブキャラもいちいちしゃべります。ノトマミストのワタシはもちろん歌姫を多用することになります。

 が根本的な話なんですけど、ゲームにムービーって必要??そんなに綺麗なムービーが見たいならアニメ映画なりハリウッド映画なりを見るんじゃないでしょうか?
 なんかテキストだけで説明されてたときのほうが、胸にささったような気がする・・・、一般的にどうなんですかね?あとワタシは3DCGムービーがやっぱ好きになれないってのも原因かも・・・

 ほんと今一度考えてみるべきですよね、ムービーっている??ってことは。

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 ネタバレ感想

  たぶんこのゲームをプレイしていてみんなが思ったことだと思うのですけど、セルベリア・ブレスという、このゲームの準主役、いや、もうこいつが主役だろうっていう敵がいます、こいつがまさにヴァルキュリアなのですから。
 捨て子であったのを帝国に拾われて、人体実験の末兵器になったいう、もうベタ中のベタ、死ぬほど聞いたぜその話!!っていう呪われた運命を持ったキ美少女ャラでこいつを中心に物語が展開してるって言ってもよい。悲劇のヒロイン・・・

 なのですが!このキャラがものすごい爆乳で、コスチュームもおっぱいにしか目が行かないような服を着ているのです。体守る気ある?(まぁヴァルキュリアは基本無敵なので防御不要なんですけど)
 ともかくそんな重要なキャラをおっぱい担当にしたら話がブレブレなのでは・・?もう典型的今夜のおかずにどうぞみたいなデザイン、それをそんな重要キャラに使いますか?なんか話が入ってこない!
 このセルベリア以外にはほぼ一人もおっぱいキャラは登場してないし、割と素朴なデザインばかりなので、極めて異色なのです。吉良上野介がむちむちでぼいんぼいんみたいな感じ。いや・・話全体がむちゃくちゃになってしまうよそれ・・・


 さらにさらに、セルベリアは無茶苦茶強く、このゲームで最強ユニットです。なんなのこの超特別待遇は・・?ヴァルキリーモードでは完全無敵、普通の人間モードでも、スナイパーライフルを遠距離から連射できる特殊兵器を持ち、しかも外さないし前方からの攻撃はすべて回避するという、なんだこの超兵器は・・っていう暴れっぷり。
 ラスボスも戦い方がわからないとまぁまぁ強いのですが、回避はしません。セルベリアは無茶苦茶回避能力が高くてそれこそ何度もリセットしないといけません。

 どういうつもりなのだ・・・これがSEGAクオリティということなのか・・?最終的に主人公とヒロインを完全に忘却の彼方に置き去り、セルベリアがエロくて強かったということしか思い出せないということになります、わざとそうやってるとしか思えない・・・
 

2018年8月9日木曜日

太宰治 総括  全集を読破して

 というわけでここ1年くらいでしょうか?太宰の作品をすべて読むという自分企画を進めてまいりまして、このたび最後までたどり着きました。

 もちろんすべてが名作ってわけでもないのですが、その打率、でいうとトップクラス、こんなにハイレベルな作品を連発する作家は滅多にいるものではない。ドストエフスキーですら、なんじゃこりゃっていう作品を結構書いてますから。それはベートーヴェンもそう、シェイクスピアだってそうです。天才にも駄作や失敗作はいくらでもある。太宰はそれが極めて少ないタイプの作家です。デビューの時から冴えていたってのが大きいですね、最初っから完成されてた。最初が一番良かったとも言えるくらい。

 
創造的人間の持ち時間は10年。恐ろしい事実ですが、奇しくも太宰にもそれが当てはまります、27くらいでデビューして40前に自殺。途中病気をしたり戦争で中断したりもしてますので実質活動期間はやっぱし10年ってことになると思います。

 
 全集を全部読破しよう、って思うような作家って数えるくらいしかいません。ワタシがたぶん全部の作品制覇してるって言えるのは、ドストエフスキー、夏目漱石、そして3人目に太宰ってとこですかね。まぁトルストイもだいたいは読んだはずですが。たぶんそし最後なのでは?これから先全集をすべて読まないといけないような作家が出てはこないし、年下であればたぶんそのヒトの全集が出ないうちにワタシは死んでるでしょうし。これからの時代に大小説家ってのが生まれるとも到底思えませんので。
 そう考えると偉大な小説家ってのは少ないなぁって思いますね、確かに代表作いくつかは良いっていう作家もいますけども、全部読みたいって思うような作家は、人類の歴史でワタシにはたったの3人しかいなかったのだなぁ・・・。
 一時期映画を見まくってた時にも思いましたね、面白い映画って実はまだほんの少ししかない、これは名作だって思えるのは、150くらいしかないです。



もちろん現代の漫画家とかは作品数が少ないから全部読んでるってのはいくらでもいますけどね、宮崎駿もそうっちゃそう。
 漫画家ってのは生涯作品数がすげー少ないのだなって思いますね。ようするに一生でだいたい200巻くらいでしょうね、一つの作品だけじゃなくても、全部で200。マンガってのは絶望的に時間食い虫。
 小説はたくさんかけるけれど、それが逆に命を縮める要因でもあると思います。すぐに描けてしまうから、さて次は?さてその次は?っていう常に次回作の構想に追われることになる。人間そんなにたくさん言うことがあるわけない。すぐに書けなくなります。

 さて無駄話はこれくらいにして総括をします。

「最高の芸術というのは、人に生きてく力を与えるものだ」

というコトバがあって、さらに

「ユダ、がいることによってイエスの輝きが増す・・・」

というコトバもあります。

 太宰は露悪、あるいは偽悪、として、ユダの役割を演じることで、人々に生きてく力を与えた、そしてこれが成功したと思います。
世間、一般では、太宰は本当にダメ人間で人間失格、あんなひどいやつは見たことない、自分がダメダメでも太宰よりはマシだと思って元気が出た。
こんなダメ人間がいるんだ、ワタシはまだまだだ、頑張ろう。っていうライトユーザーというか浅い読者がたくさんいます。殆どの太宰が好きって言ってる人はそれでしょう。
 
 けれどガチの読者、全集を全部読んじゃうような人間は、そんなの全部ポーズ、ユダ、という役割、を演じてるだけで、太宰ほど真面目に仕事するやつもいないし優しい人も滅多にいないとわかっているはずです。
 そんなの仕事量を見れば一目瞭然、この期間でこれだけ、ってことは・・、ほんとに一日12時間くらい創作活動してないと出来るわけない、ずっと呑んだくれたり中毒したりして仕事をしてないなんてのは全部嘘だってわかります。四六時中小説のことしか頭にないっていうのは眉唾じゃなくてまったくの真実。そのくらいのめちゃなハードワーカーだからこそ酒で息抜きしなければいけなかったわけですね。


 結論ですけど「優しい」、のです太宰っていう人間は、それが全作品を読んだワタシの感想。「優しい」人間にしか、偽悪、の役というのはやれない。
そして全部、ポーズで演技なのだけれど、自殺、すると、その嘘、ポーズ、ロールプレイング、が全部真実、になるんです。これがミソですね。
 イエスがもしユダの裏切りで処刑されることがなかったら、イエスの言ってたことは全て嘘になってしまうのと同じ。やっぱり太宰が自殺してなければこうしてワタシも読んでないだろうし、イエスが長生きしてたら、キリスト教は布教しなかったと思います「何を言ってるか」なんてほんとはどうでもいいのかとワタシは思っています「誰が言うか」こっちが大事で、誰が言ってるか、でコトバに意味が生まれたり、カラッポの響きを持ったりするのですな。

 そして人間失格の最後にあるように、葉ちゃん、は他のヒトがなんて言おうと、神様のようにいいやつだったっていうのを信じたいと思います・・・

2018年8月8日水曜日

1948 人間失格

 知らない人のほうが少ないのじゃないかというくらいの作品ですね。まぁ読んだ、という人は5%くらいしかいないのだろうけれど。

 実はワタシ人間失格は3回読んでると思いますね、ワタシは同じ本を何度も読まない主義なんです、それは何度も読むと、それにハマりすぎてしまうというか、自分がなにか書こうとするときとかにそれに影響されすぎてしまうってことがあるからなんですね、特にいい作品とかだと、もうそれしか読めなくなって他のものに興味が無くなってしまうってことも怖い、あと多少つまらないと思っても自分の知らないものを読んだほうが新たな発見があったりすると思うからです。


 この本はその自分ルールの例外なんですが、理由があります。まず最初に読んだのは中学の読書感想文でいくつかの作品が指定されていて、仕方なく読みました。なんで人間失格にしたかというと一番薄い本だったからですね(他はたしか金閣寺と暗夜行路だったかな?)ほんっっとにワタシは晩成っていうのか、ちゃんと自我が目覚めるのがめっちゃ遅くて、自分で主体的に本を読んだのはたぶん高2くらいまで無かったですね。初めて自分で金を出して買った本は吉川英治の三国志、たぶん三國無双をやってて元ネタが知りたくなったのですね。自分で本を読むという発想が無かった。
 もっというとワタシは大学受験まで勉強、っていうことを殆どしたことが無かった、高校受験の時も、塾に行かされてたけれど、塾以外で勉強なんてほぼ一度もしたことがありませんでした。割と体育会系だったのですね、たいして上手くもないのに体育会系という典型的だめパターン。

 
 とまぁそういうわけで読むのが面倒だったので、ペラペラペラとめくって、最後の解説、みたいなのを殆どコピーして読書感想文にしました。本当の感想は、なんだこのしみったれた暗い物語は?というくらいしかありませんでした。それと性の知識が無かったので内容が本当に意味がわからなかった。(これもほんとの話でワタシはセックスってものが高3くらいまでどんなものかわかってなかった)
 とにかくもっと面白いマンガ読ませろ、くらいの感想。ひとつだけ「ワザ、ワザ」、というセリフだけが頭にひっかかった。
 まぁワタシはひどい例かもしれないけれど、中学生にこの人間失格の内容が理解出来るわけねーじゃんと今でも思います、なんでこんなのを読書感想文に指定するのだ?もっとわかりやすくて読書に興味持たせるような作品を選ぶべきですよ、アースシーとか、せめてユーゴーとか、エンタメ要素もあるものを選ぶべき。


 で、大学に入ってからですかね、そういえば人間失格ってペラペラめくっただけで何も読まなかったな、と思って再読しました。大学時代はそれまでと打って変わって、とにかく古典作品を読みまくるという、図書館生活をしていました。受験勉強時代に、芥川の小説が、国語の問題に出ていて、初めて、アレ・・・、芥川先生・・、文章うまくね?っていうことに気づいて、くそったれ受験終わったらめちゃくちゃ本読んでやるって思ったのですね。


 でもこの時の印象もあまり残ってない、当時ドストエフスキーにゴリゴリにハマっていた時期だったので「罪、の対義語が罰なんじゃないか?」 というセリフだけは鮮明に覚えています。他はあまり・・・、たぶん当時のワタシは硬派の時代だったので、色恋ものってだけでケックソが、って投げていたのだと思います。「悪霊」「罪と罰」みたいな犯罪と革命、特に革命に憧れていた時代だったのですね、女?クソが。軟弱者め!!っていうこんな調子。



 そして現在、革命熱も無くなってようやく、あぁ~なるほどね、こんな小説だったのかって読めるようになりました。

 今読むと、太宰はもうすぐ自殺しようっていう時期なのにものすごういバイタリティで仕事をしてるなってのが一番印象に残ります。普通もうすぐ自殺しようなんていう人間は、無気力というか、やる気を失っているものですけど、めちゃくちゃエネルギーを使うような作品を書いてる、すごい元気じゃん。って思う。他にいないんじゃないですかね?もうすぐ自殺ってときにそんなに精力的に活動するっていう人間は?カート・コバーンだって晩年はやっぱり落ち目でしたもの。ジム・モリソンだってそう。

 内容は何度も書こう書こうとされてきた、太宰が脳病院に入れられて、完全にキチガイ、という烙印を押されてしまったという時代の経験をベースに作られたもの、さらにそこに、形而上的というか、ちょっと哲学っぽい色合いが追加されております。
 
 淫売婦通い、心中未遂、アル中、ドラッグ、自殺未遂、精神病院・・・

 と何冠王とるのだ、というくらい、世間でいわゆる、クズ人間、と言われるタイトルを総なめにしていくのですが、この主人公が漫画家、なんですね一応。それが戦後っぽいところですよね。戦後になって漫画家っていう職業が、確かにソレ以前にもあったのですが一般に出てきた、貸本漫画とかそういう時代。たぶんろくでもない物書き、最底辺の芸術家として、エロ漫画家になっているわけですが、それが妙にグサっとワタシには刺さりますw
 春画をトレースしてエロマンガを書いて食いつないだ・・という描写がありますが、ものすごいリアリティがありますね、たぶん本当にそういうヒトがいたんでしょう。
 現代でも、ほかの作品トレスして同人エロ漫画を作って食いつないでるヤツがいますものw まぁそれでもマシなほうで、他の人の作品を無断アップロードしてネットの広告で稼いでる輩もいますが・・。まぁこの後者のほうは食いつなぐためにやってるというより組織的な犯罪の匂いがしますけども。
 モルヒネ中毒になっているときはペンがどんどんはかどるぜ!みたいなシーンもあります。確かにワタシも太宰の若い頃のジャンキー時代の尖りきった作品のほうが、結構好きかもしれませぬ。


 ジャンキーものってのはでも減りましたよね、90年台とかものすごいジャンキーものの作品って多かったのに。ジャンキーの数自体は減ってないはずなんですが。規制が厳しくなってジャンキーものはアウトにされたのかも。
 自殺をする気力さえも失われてしまって、本当の無気力になってしまった、というこの小説の主人公と同じようなことなのかもしれません。死ぬ気力もない。

2018年8月7日火曜日

1948 年 の太宰治   桜桃   饗応婦人  酒の追憶  女類  家庭の幸福  グッド・バイ

 1948年が太宰の自殺した年です。


 桜桃

  要するには、自分の息子がもしかしたら白痴かもしれない・・・という恐怖という物語なのですが、この作品は結構有名です。太宰の自殺の理由の告白ともとれるからでしょうか。

 自分の子供がもし障害者だったら、こんな恐怖はありませんね、何より恐ろしいことだとも言えます。ワタシが結婚も子供もほしくない、一番の理由かもしれません。障害者の子供を抱えて、支えていくなんて絶対に無理ですものワタシには。金銭的にもそうだし、精神もズタズタになるのがわかりきってる。
 障害者の子供というとどうもワタシには、大江健三郎が思い浮かびますね。太宰も同じだったというわけですが


饗応婦人
 どうでもいいことなのですが、漢字ってやっぱ難しすぎる


酒の追憶
 酔いどれ日記

 女類

 酒と不倫、という後期太宰の典型的短編なのですが、これはその中でも秀作。スバラシー。太宰自身は自分のことをのんべえみたいに描いてますけども、太宰の戦後の仕事のスピードはものすごい。普通の作家が20年かかるようなことを3年くらいでやってるペース。こんな真面目な作家はいません。

家庭の幸福
 家庭のエゴイズムは、個人、のエゴイズムよりもタチが悪いという話

 渡り鳥
 風刺的に、軽薄な風潮のマスコミ業界を野次った作品。戦後にはよく、俗物、というコトバが登場しまする。

 眉山

眉山というあだ名の女店員についての話

 美男子と煙草

 太宰が上野の浮浪者の集まりを見学に行った時の話。浮浪者の群れ、というのはアメリカ的資本主義の象徴でもあります。娯楽、と浮浪者。これがアメリカだとワタシは思っています。ラジオについての話もあります、戦前はひどいものだったが、戦後にはアメリカ式の娯楽が導入され、音楽などの構成も飽きずに楽しませるように工夫されるようになった。なにかこのラジオ、そしてテレビ、が普及すると一挙に大衆主義、俗悪さがとめどなく溢れ出るような気がしますね。そして文学というものは存在しなくなる。
 月岡芳年という人が最後の浮世絵師と言われたものですが、太宰ってのはそういうわけで最後の小説家なのかもしれません。そのあとの文学ってのはもはや斜陽の文化。物好きが読むだけのもので、文化としての主役としての役割は失われました。三島にしろ大江にしろ、一体どれだけの人が読んでるのかって話で、特に大江なんて読んでる人はワタシの周りには一人もいませんでした、日本文学の先生くらい。
 

グッド・バイ

 未完の作品。絶筆になった作品としてはおや?と思うほど軽くて、明るめの感じの作品。いままで何またもかけてきた恋人たちをフルという主旨ですが、コミカルなタッチです。
 しかし

「戦後数年たって、何かが変わってしまった・・色即是空、酒も女も魅力を失ってしまっ
た・・」

 っていうのは、もしかしたら太宰の本音なのかもしれません。軽めのテイストの中に一番えぐい本音を放り投げたのかもしれませぬ。


色即是空。


 色即是空ってよく聞くけどなんなのじゃ?とおもうてちと調べてみると、般若心経に出てくるコトバなんですね。

 般若心経ってじゃあなんだっけって調べてみると、これは大乗仏教の経典の一つであるとのよし。

 大乗仏教ってじゃあ何?っていうと、マーハヤーナって呼ばれているそれは、仏教の分派の一つです。しかしその起源などは謎。玄奘が7世紀にインドに行って持ち帰ってきた経典の一つに般若心経も含まれていたらしいです。
 仏教もキリスト教のように時代が下るにつれて派閥に分かれて行きました、なぜ?って言われてもわかりませぬ。

 色即是空、っていうのはめちゃばっさり言うと、すべてのモノは、カラッポである。という意味みたいです。

 ワタシ個人の見解ですけど、この虚無思想っていうのか、空の思想。っていうのほど危険な思想はないし、一番の過激な思想だと思います、簡単に色即是空だわ・・・みたいな感じに使っていいコトバじゃない。なぜにこれが一番危険かというと、これが一番真実だからです。すべてはカラッポ、何をしても意味が無い。まさしくそのとおりだからです。反論の余地がなんにも無い。会話にもならん。すべての終わりみたいな考えです。

 この空の思想ってやつは大乗仏教が生み出したもので、ブッダが考えたものでは全然ありません、それよりもずっと後の思想。

 ワタシは思うのですが、これって、言ってはいけない約束じゃん、それ言う?っていうヤツだと思うのですよね。
「なんで変身中に攻撃しないの?」
「いやどうせフィクションじゃん」
 みたいなコトと同じで、それ言ったら確かにそうだけど、粋じゃないです。かっこわるい、可愛くない、みんなをつまらなくさせるためだけのコトバ、悪意の塊です。 

 虚無に飲まれることほど恐ろしいことはないぜ・・・。
 

2018年8月3日金曜日

1947 斜陽  太宰治

斜陽

 この作品はオフィシャルな太宰の年譜みたいなもので、太宰の代表作とされているもの。太宰は自分が薬物中毒で脳病院に入っていたころ、つまり「人間失格」の烙印を押されてしまった頃、のことが生涯頭から離れなかったようで、この作品もその時代の経験が明確に現れております。

 ワタシ、の個人的な好みなんですけど、ワタシはジャンキーの文体と自殺者の文体、が好きなんだなって思います、ワタシの好きな作品ってのはほぼそれです。あっこれだ、これを読みたいんだよなって思う。夏目漱石にもそれがあるんですよね。

 この小説も終盤は遺書、という形式となっています。ワタシは小説っていうのはやっぱりそういうものだと思います、誰かが死んで終わる、それから平和に幸せに暮らしました、なんてそんなわけねーだろって話。

 「人間は恋と革命のために生きているのだ」

 っていう有名なセリフがあります、有名すぎてこの斜陽がその出処だっていうのをワタシは初めて知りました。このコトバだけ聞くとなんか青臭い、時代遅れの響きがありますけれども、文脈をきちんと読んでいくとその恋、と革命、の意味がわかります。ワタシは恋愛小説は嫌いですけど、この小説はそんなワタシにも、恋っていいものですよねって言わせてしまうほどの力がある。

 確かにこれは代表作として善いと思いますね、どういうわけか、非常に陽のエネルギーに溢れている、太宰はもうすぐ自殺するというそのあとの歴史、を知っているワタシたちにはなおさら不思議なんですけど、とにかく若くて美しいエネルギーを持ってる本です。

2018年8月1日水曜日

1947年 の 太宰治 その2  母  父 朝 女神  おさん 犯人

母  
 津軽疎開時代の思い出。ちなみにワタシは疎開というコトバは戦中の時のみ使うコトバだと思ってました。が、戦後でも都市の家が焼失した人々は田舎に疎開を続けていたというわけですな。
 内容はちょっとした・・なんというのか・・・、哀れみ。

父 
 義、について。すでにアル中の色魔という、典型的ダメ人間、しかも偉大なダメ人間ではなく、どこにでもいる小市民的ダメ人間に成り下がった、しかも年をくってダメなおっさんになってしまったという、露悪短編。
 たしかに若い放蕩息子は悲劇的だけれども、おっさんのそれは、ほんとにただのダメなヤツなのです。

 今カジノ解禁になると賭博中毒が増えるからダメだ!と言ってる人がいますけども、いやギャンブルがダメというなら、どう考えてもまずアルコールのほうがダメだろ、とワタシは思います。ワタシは酒ってものが普通に流通してることの意味がわからん。別に高潔を気取りたいわけじゃなくて、なんで酒がOKなのに他のところを規制するのか?規準が無茶苦茶だ!と思うのです。一般向けマンガでは今チクビすら描いてはいけないんですぜ。酒は18才未満はダメと言ってますがハッキリ言ってザル、っていうか、薬物ですやん。



 これでもかというくらいあけすけな小説

女神

 自分の嫁が女神だと信じている狂信者とその妻を描いた作品。
 これってものすごい読み方によって怖い話しで、実際、このセカイには、まともな人間よりも狂信者のほうが多数派です、完全にイってしまってる狂信者、イエスが復活しただの、弥勒が降臨するだのっていうやつから、占い、風水、ジンクス、ゲンカツギ、呪い、幽霊、妖怪、天国、地獄ってものまで、狂信者たち、のほうが、数が多い。
 じゃあそれってもはや狂信者ではなくて、原子論的世界観を持ってる一部のマテリアリストたちが特殊ってことになりそうですけどね。本当の意味でのマテリアリストってのはものすごい少ない、科学者とかでもお墓を作って葬式に参加する。そんなのまったく無意味だぜ、っていうやつは少ない。


 まともな人間、ってのは少数派なんです。それはじゃあまとも、ではないじゃんって思うのですけど。


 ヴィヨンの妻

一見するとやすっぽい、夫が破天荒だと妻が苦労します、っていうはいはいそうですね、女は偉い、はいはい。っていうくだらないメロドラマのように思えますが、そこが三流作家と一流の作家の違いなんですね。よく読むと、何周も周回してるというか、何周目か、を通過してるんだと気づきます。凡俗な作家は一周目ですけど、この作品は何周もして、レイヤーがあるというか、多面的です。見方を変えるとガラっとすべてが違って見えるように作られていて、あれ?・・・もしかしてこいつら全員嘘をついてないか?って思って読むと全く違うように読めますし、こいつだけ嘘つきなら?こいつが本当のことを言ってるとしたら?って一人ずつ役割を変えるだけでも全然違う物語になる。
 話法としては女性による一人称なんですけど、内容は多人数独白体、演劇みたいな作りになっていて、話法自体が普通のメロドラマのそれとは異なっているのですね。


おさん

 不倫者。だけど君、革命のためだぜ?



犯人

 探偵小説というのか、犯罪小説というのか、ともかくちょっとそういう色を持った短編。終わり方などは見事に太宰風です。 



web連載マンガ META  キヲク セカイ  EP1 1.00  オフィシャル版

WEB連載としてやっているMETAをブログにもアップしまする。

1.00というナンバリングがあるように、どんどん加筆訂正を加えていっております。完全版はいつか売り物になる予定。でもこのWEB版でも内容はちゃんとわかるようにするつもりです。

 たぶんこのブログ版がマンガ投稿サイトによる修正を受けない、オリジナルに近いものになる予定。