2018年8月11日土曜日

2008 戦場のヴァルキュリア

 概略

 タイトルだけ聞くと、ヴァルキリープロファイルみたいなファンタジーロープレかな?と思いますが、けっこうリアルよりな戦車シュミレーションアクションゲームです。何故か戦闘機が登場しない第一次世界大戦後のセカイ、みたいな感じ。

 シュミレーションアクションゲームってなんやねん、と思うかもしれませんが、それがまさにこのゲームのツボというか全てだと言ってもいいと思われます。
 シュミレーションの戦闘、の部分がアクションゲームっぽくなっているという感じですね。普通シュミゲーならコマンド選択して戦闘は自動ですけど、その戦闘、の部分がシューティングっているという感じ。
 といってもそこまでアクション性はなくて、焦点を合わせてる時は時間が止まるなど、反射神経はそこまで要求されてません、ただ移動などはちんたらしてるとすぐ死にます・


 このゲーム感覚は独特で他のどのゲームにも似てません、以前ペルソナ3について書いたときに、たぶん新しいジャンル、というのはもうゲームには無くてこれからは、2つ以上のジャンルの融合、ケミストリーになってくる、と書きましたが、このゲームがまさにそれ、シュミレーション、とアクション、のケミストリーとなっております。

 結構チュートリアルがざっくりしていて、最初は、は!?っていう感じですが、慣れてくるとなるほどなぁ~~って感じになってきます。最初は戦車のラジエーターに攻撃をくらって即死して、WHAT!?ってなりますけども、実際やってみて、あぁこういうことな、っていうのを学習する以外ありませぬ。

 あと最初に勘違いしてしまうと思いますが、このゲームは敵を全員ぶっ倒してすこしずつ前進して倒すというゲームではありません、そういうスパロボ的なシュミレーションではない。とにかく相手の陣地、を急襲して奪うというゲームです。ザコは無視してとにかく玉砕覚悟で敵陣地へと猛攻撃をかけて、電撃戦で勝たないといけません、ちんたらやってると相手は無限湧きするのでジリ貧になってしまいます。

難易度は、レベル上げが可能なので、無いといってもよいです、どんなに下手っぴでも根気があればクリア可能。
 が、初見でレベル上げも何もなし、情報無しで攻略するのは、相当ハード、いや、むちゃくちゃ難しいです。まずだいたいにおいて、敵のほうが、兵力、物量、地の利、兵器の威力で圧倒的に有利、こっちはいっつも窮地からのスタート、こんな戦争勝てるか!!と捕虜をXXXしてXXXをかけてXしたくなるくらいの状態ですw
 どうすれば勝てるのか?という意味がよくわからないマップも結構あります、どうすれば勝ちなの?っていう。
 まず一回、あぁこういうマップな、ってのを確認して、なるほど、じゃあ一回ロードして。っていうのをやらないと、全然知らないマップで勝てるわけないって感じです。
 いきなり奇襲、敵戦車出現!ボカーン!負けー!ってのもよくあるw

 ゲームをプレイしてる感覚はなんとなくファイアーエンブレムに近いです、とにかくまめにセーブしてうまくいかないとリセット、ロードの繰り返し最近では久々のリセットゲームです。相手に避けられたらまぁリセット確定、エンブレはスーファミらしくロードが早いので良かったですけどこのゲームはロードがやたら長いので、そこが問題。まぁ本を片手に読みながらやるっていう感じですか、今どきの人ならスマホゲーム片手にダブルゲームですね。


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プロット

 ストーリーや世界観はどうみても宮崎駿の影響が90%、戦車のデザインもそうだし、タイトルカット、コンテの切り方、喋り方まで宮崎駿大好き少年たちが作っています。これはほんと良し悪しなんですけど、他にまともな作品に触れてこないで大人になってるやつが9割なんですよね。自分がいざ作る側になったときに、ん・・・?引出しが全然ないやんけ!ってのが現状。根が非常に深い問題なのですが今のクリエイターって全員、人生の経験、ってのがカラッポなんですよね、だから他のヒトの世界観を拝借していくしかない。義勇軍として中東戦争に参加して帰ってきた・・みたいな経歴のクリエイターいるわけないし。

 よってある意味すごいダサい、70年台っぽいっつーのか、野暮ったい、ぬるい、ベッタベタ。逆に言えば、一般受けする、わかりやすい、善悪がめちゃハッキリしていて、ノスタルジック。時代劇的にわかりやすく窮地に陥り、わかりやすく危機一髪で助かる。
 レンダリングがトゥーンレンダリングと水彩っぽいエフェクトを駆使していて、これも言い方ですけど、懐かしい感じ、親しみやすい、逆に言えば、ちゃちぃ、専門学生レベル。

 でもワタシはこのCG感は結構好きです、よくあるのですけどグラフィックに凝りすぎていて、道、がわからん、ってのがあります、視認性悪し、それってゲームとして一番ダメだと思う。将棋の駒が達筆すぎて何の駒かわかんなかったら困りますよね?レンダリングを綺麗にするのはいいけどゲーム性が損なわれてるのは本末転倒。
 このゲームはすごいシンプルなので、はい土嚢、はい瓦礫、など視認性が高いです。
 けどもムービーとなるとやっぱCGがちゃちいです。物語パートがけっこう多くてかったるい、スキップも出来ないものが多い・・・
 ですが声優陣は非常に豪華。(声優ってめちゃくちゃビッグネームでもそこまでギャラが高くないんでしょうね、それって声優業界としてはすごいプラスだと思います、ベテランも天狗にならずに仕事しますものね)
 めちゃくちゃどうでもいいサブキャラもいちいちしゃべります。ノトマミストのワタシはもちろん歌姫を多用することになります。

 が根本的な話なんですけど、ゲームにムービーって必要??そんなに綺麗なムービーが見たいならアニメ映画なりハリウッド映画なりを見るんじゃないでしょうか?
 なんかテキストだけで説明されてたときのほうが、胸にささったような気がする・・・、一般的にどうなんですかね?あとワタシは3DCGムービーがやっぱ好きになれないってのも原因かも・・・

 ほんと今一度考えてみるべきですよね、ムービーっている??ってことは。

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 ネタバレ感想

  たぶんこのゲームをプレイしていてみんなが思ったことだと思うのですけど、セルベリア・ブレスという、このゲームの準主役、いや、もうこいつが主役だろうっていう敵がいます、こいつがまさにヴァルキュリアなのですから。
 捨て子であったのを帝国に拾われて、人体実験の末兵器になったいう、もうベタ中のベタ、死ぬほど聞いたぜその話!!っていう呪われた運命を持ったキ美少女ャラでこいつを中心に物語が展開してるって言ってもよい。悲劇のヒロイン・・・

 なのですが!このキャラがものすごい爆乳で、コスチュームもおっぱいにしか目が行かないような服を着ているのです。体守る気ある?(まぁヴァルキュリアは基本無敵なので防御不要なんですけど)
 ともかくそんな重要なキャラをおっぱい担当にしたら話がブレブレなのでは・・?もう典型的今夜のおかずにどうぞみたいなデザイン、それをそんな重要キャラに使いますか?なんか話が入ってこない!
 このセルベリア以外にはほぼ一人もおっぱいキャラは登場してないし、割と素朴なデザインばかりなので、極めて異色なのです。吉良上野介がむちむちでぼいんぼいんみたいな感じ。いや・・話全体がむちゃくちゃになってしまうよそれ・・・


 さらにさらに、セルベリアは無茶苦茶強く、このゲームで最強ユニットです。なんなのこの超特別待遇は・・?ヴァルキリーモードでは完全無敵、普通の人間モードでも、スナイパーライフルを遠距離から連射できる特殊兵器を持ち、しかも外さないし前方からの攻撃はすべて回避するという、なんだこの超兵器は・・っていう暴れっぷり。
 ラスボスも戦い方がわからないとまぁまぁ強いのですが、回避はしません。セルベリアは無茶苦茶回避能力が高くてそれこそ何度もリセットしないといけません。

 どういうつもりなのだ・・・これがSEGAクオリティということなのか・・?最終的に主人公とヒロインを完全に忘却の彼方に置き去り、セルベリアがエロくて強かったということしか思い出せないということになります、わざとそうやってるとしか思えない・・・