これも黄金時代、の有名なミステリー。
探偵小説、ではありません。ミステリーでもないとワタシは思う、スリラーかな?
トリックみたいなものは一切登場しません、ある男が殺害される、その真相を探そうと新聞記者がかけずりまわる、カネで買収したりしてネタを買い、ついに犯人がわかる。
推理、は一切してません、ただ色々尋ね回ったりして、被害者の歴史、人間関係、などが少しずつ明らかになるというプロット。
推理小説、ではないと思いますが、推理小説というカテゴリに入っております。じゃあ他にどのカテゴリなんだ?って言われると困るからですね。ミステリー、というくくりが出来たのはもっとのちのちの話でしょう。
この作品が名作、として残ってるのもまさにこの点らしく、いわゆる推理小説黄金時代、っていうのは
トリック、からプロットへ。
という変換期、だったようです。それまでの探偵小説はトリックがあり、それを名探偵がズバッと解決する、というものでしたが、黄金時代には、トリック、がもはや出尽くしていて、トリック、ではなくて、物語、中心のものになった。
つまり、どういう理由で、犯人は殺人を犯したのだろうか?どういう歴史を持っていたのか?またどういう展開で、犯人へのてがかりを見つけていくのか・・という展開、が主軸になる。そこにはスリラーあり、アクションあり、恋愛有り、つまるところ、探偵小説、が他の普通の小説とミックスされていった時代ってことですね。