気球に乗って・・・
に続いて、だいたい長編二作目と言える作品。
もうこの時点で、ヴェルヌのスタイルというか、作品の展開とか、文体とか、人物描写ってのは固まっていて、ほとんど変化ありません。
割と軟弱者の主人公、意志強固な変人の博士、そして無口だが忠実で有能極まりない下僕。
だいたい欧米の小説に出てくる下僕みたいなのは、とても忠実で有能なんですけど、これはローマからの伝統で、ようは理想化された奴隷ですね。
奴隷、と一口で言ってしまうと、奴隷=ダメ。ということで終わってしまうのですが、欧米において奴隷の歴史は長すぎて、そんな一言で片付けられることではない。奴隷から出世することだってあるし、無二の親友だったり、右腕、参謀になったりという展開もある。
ほいで、奴隷ってのは、古代の失業対策、でもある。でもってこういうことを言うと、奴隷主義者くたばれ!ってこれまた短絡的な批判を受けることもある。
まぁそんなことはどうでもよくて、19世紀ってのは、正直、科学が一番輝いてた時代、そう大冒険時代なのですね。毎年新しい発見、未知の世界が明らかになっていく。そのポジティブな熱量、今では考えられない。
現在では、科学、というともはや悪用される、のがメインであって、正しく使われるほうが稀。科学者が良いことをすることはほとんどない。19世紀においては、科学者やアカデミーは、冒険者でありスーパーヒーローなんですわね。
その後も死ぬほど、こすられる、地底世界、のパイオニアです。ちなみに、地底人、はほんとーーに少しだけチラ見えする程度で深堀りはされてません。