2014年2月8日土曜日

random review 1990 劇画 ヒットラー   水木しげる  / ワンピース デジタルカラー

 水木しげるって実は妖怪モノよりも、こつこつこういう歴史物を書いておりますね。昭和史(ねずみ男の)、戦争もの、などなど、まぁ死、というか向こう側のセカイの匂いがするようなものばかりなんですが。 
 ただ明るい話なんて書いても作品になりませんからね~、明らかに写真を起こして描いてるシーンがあるのですけど、あれどうやってんですかね?優秀なアシスタントがいるのか、まさかコピー機を駆使して、全近代的手法なのかw 90年にはフォトショとかないし。

 けど、奇特な猟奇趣味の作家というわけではなくて水木さんはバランスがとれてると思うのですよね、手塚治虫みたいに、人間はバカ。っていう諦念決めつけ路線でもないし、といって平和が一番、平和が大事みたいなアグネス・チャンみたいなヒステリー平和主義者でもない。そこがやっぱ実際に戦争に参加して片腕持ってかれてる、本当、の戦争世代の視点なんでしょう。他のやつらはすべからく、勘でしゃべってるだけですから。

 ほんとに、最後の、1人ですよね、戦争現役世代の。宮﨑駿よりも18も年上なんですね、実は手塚よりも年上です、手塚も戦争には行ってないというわけで、今91才・・91才!! まじかよ。

 前にも書いた記憶がありますけどあるドキュメントで、しげる氏はハナクソをほじって最後にそれを掘り当てたのですが、それをひょうと食べて、塩分補給。と言ってました。ほーーーーーぅ!wそれができるのは今では日本に1人だけじゃないですか、テレビ番組で。


 ヒトラーものは大好きなIですが、これはよく出来てるなぁという気がします、特にやっぱヒトラーの貧乏時代をちゃんと描くところが良い、浮浪者ヒトラーからフューラーヒトラーへ。こんな魅力的な人物は他にいない。

 やばいヤツと思われるのを覚悟でいいますけど、20世紀で一番偉大な人物はヒトラーだし、一番21世紀的な人間もまたヒトラーだと思いますね。Iはナチ党員じゃないですけどw

 なんでそこまでヒトラーが魅力的かというと、ヒトラーはたぶん一番ワタシタチに似ている、他のだれでもなく、自分たち、ワーキングクラスで、安定した未来なんて描けない自分たちに一番似ている。矛盾してて、愚かで空想癖、夢見がちで、自己中、美しいものを愛していて、誰かを好きになったらおいおいとその死を悲しむ、残虐なことをしながら、本当に正しいこと、偉大なことをしたいとも願ってる、ヒトラーは狂人でも天才でもない、超人でももちろん無い。普通のニンゲンです。矛盾と迷いと弱さを抱えた、普通のニンゲンなんです、だから普通のニンゲンのココロ打つ、狂気をマジシャンのように演出できる、超越的天才なんかではないんです。



 セカイの圧倒的大多数の人々、つまり夢破れてカネも無い落伍者達、の本当の夢はヒトラーになることです、権力者は当然それを目の敵にするのですけど・・・・・ともかくAHは最もニンゲンらしいヒトだとIは思いますね・・・






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ワンピースだけの特別待遇というのか、電子書籍ではデジタルカラー版があるのですね。カラーマンガってのをどういうふうなフォーマットにしてくのかなぁというので参考に見てみました。



  誰が塗ってるの?


 技法的にはほとんどアニメ塗り、というかエアブラシの二段塗りというか。


 誰が塗ってるの?


 んぅ?ワンピースはアニメもあるからその静止画を使えばいいのに、ジブリのアニメブックスみたいに。マンガのままで、しかもカラーがいいって人がいるのですかね?


 でもカラーだと思って書いてないから、カラーの表現力はなんにもないですよね、モノクロの作家は夕焼けとか描かないもの、伝わらないから。


 誰が色決めてるん?


 まさか作家が全部指定してるわけないし、自分で塗ってるはずもないですよね。


 そぉいうのを許せるところが、メガ売上作家のアレなんでしょうね、Iだったら勝手なコトすんな!ってキレるものね~w

 ともかくでもカラーの表現力ってのをいかしてる作家ってのはまだ未だ現れずって感じですね、エロ本もカラーですが、特に背景や物語が重要なわけではないし。それはでも小説の世界にもいないし映画の世界にもなかなかいませんよね、カラーの感性があるヒトって。だいたい脚本は文字で考えるから、まず絵コンテで考える系の作家で、しかもカラーの感性が豊かなヒト。案外、庵野さんとかはそれがあると思います。



 けどともかく、カラーの巨匠、ってのは未だ現れずなんですね、白黒映画の黒澤、みたいにキューブリックもタルコフスキーも白黒の巨匠です、構図や明暗で見せる、それほどカラーに鋭さってのが無い。カラーじゃなきゃまったく伝わらない、という映画の作り方はしない。白黒でも名作のままです。特にキューブリックはカメラモーション、タルコフスキーは時間の魔術師です。黒澤の長所ってのはやっぱ脚本にあるのでしょうね。映画ってのは単純であればあるほど、深みが出るという・・。
 

 たぶん映画理論とか映画学校には、色彩を教えてるニンゲンがいないのでしょう、もちろんそれはカラーコレクションとか技術的な問題じゃなくて、カラーの表現論、そういう科目すらないし、映画制作会社にも、そういう人材のポストすらないのでしょう、エンドロールを見ても、色彩表現係、みたいなのはいないですものね。









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 外は大雪ですなぁw 2/8/2014