2014年10月10日金曜日
1984 丸尾正広 少女椿
よくコアなマンガ屋の、そのなかでもコアな本棚に、コアな本が売ってるものです、エロ本とはまたひと味違う、コアなファン向けのコアな本です。
ガロのバックナンバーを扱ってるようなディープな本屋ですよ。
そのコアな本棚の常連がこの丸尾正広だって思います、絵をみたら、あっ!これか!こんなん誰が買うねん、けど中身がちょっと知りたい、みたいな。
絵面は月岡芳年と大正ロマンの組み合わせみたいな感じです、100%ガキ向けではありません。エログロ怪奇漫画みたいなものですが、楳図かずおみたいな、作者はそれでもまともなんだろうなというのがありません、あー、作者もヤヴァいヤツか。って感じ、何一つ勧善懲悪ではない。しかしそれがスカッとしてて良い気もする。見世物小屋のフリークショーっていう一応の場面設定はあるけれども、基本的には、少女のみどり、がいろんなキチガイにファックされまくるってお話です、でも絵面はかなり凝っていて、あー、こぉいう作画ってのもあるよねーって感じ。何よりマイナス方向にしろエネルギーはこもってます、ともかく熱量はあるってのがすぐわかります。
不思議の国のアリス、もっと古くは赤ずきんから、少女をいじめるだけの小説、サディスティックな変態作者による、少女嬲りものってのは、根強い人気があります。少女をムチャクチャにしてやりたいってのは誰にもある黒い欲望ですから。ナウシカだって、EVAだっていってみればこの少女嬲りものに属するわけです、結末として幸福になったり不幸になったりの違いがあるだけで。別にそれは男だけにあるってわけでもなく、意外とこういうジャンルは女にもファンがいたりします。というか女のそれのほうが止めどがないと言われまする。呂布人という有名な中国の悪女は、恋敵の女の四肢切断し、目玉を潰して肥溜めの中に入れて、うんこを食べさせたというお話がありまする。中国黒歴史w
この伝説を上回る嫌な話しってのをあまり聞きませんね、魔女狩りにしたって、そこまではしたという話しは・・・・まぁ拷問ってのは突き詰めていくと限り無し。バタイユみたいなことですね。
けどそんなエログロの歴史みたいなことが言いたいのではなくて、最近こういうエログロ路線、猟奇路線が再ブームなんですね、エログロブームといえば戦前1930年頃に江戸川乱歩を旗手にしてスゲー盛り上がったんです、EVAはやっぱエログロ路線ですからね。
リョナ、というヲタク用語があって、猟奇的オナニー、の略です。こういうエログロ路線が静かなブームになってる、それはつまり今の気分が戦前のムチャクチャな気分に似通っているからなんでしょうね。まったく未来に希望が無いからムチャクチャなお話のほうがすっと入ってくる。
けどそれって、ちょっと面白い時代になったきたってことでもあるのですよね、シュールレアとか表現主義、アヴァンギャルドが受け入れられるのはそういう時代です。大衆文化が衰退しまくってる昨今、そういうディープなものが作られる素地があるのかもしらん、1930年代というと実はものすごいアートの世界では盛り上がりを見せた時代なのですよね。