2014年10月15日水曜日

Led zeppelin fool in the rain 1979 in through out the door 和訳 解説




 はじめに言っときますけどこれは長い記事になるぜw 難しい曲・・・


 とりあえず歌詞の和訳から始めましょう

[Verse 1]
Well there's a light in your eye that keeps shining
Like a star that can't wait for the night
 ん~、Uの瞳の中にはずっと光が輝いている
まるで夜が待てない星みたいにずっと
I hate to think I've been blinded baby
Why can't I see you tonight?
 Iは盲目になってしまったんじゃないかって思うよ
どうして今夜会えないってわけだ

[Verse 2]
And the warmth of your smile starts a-burning
 Uのスマイルがくれる温かさが炎のように燃えて
And the thrill of your touch gives me fright
 Uのタッチがくれる戦慄に恐怖する
And I'm shaking so much, really yearning
Why don't you show up, make it all right?
Yeah, it's all right
 Iはガタガタ震えて、ものすごい禁断症状、どうして来てくれないんだ、それですべてを良かったってことにしてくれないのか

[Verse 3]
And if you promised you'd love so completely
And you said you would always be true
You swore that you would never leave me, baby
What ever happened to you?
 もしUがこの愛は完全なものだって約束してくれるなら
いつもいってるように真実を貫いてくれるっていうなら
絶対にIを捨てないって言ってたじゃないか
一体全体何が起こったっていうんだよ

[Verse 4]
And you thought it was only in movies
As you wish all your dreams would come true
 それはUは映画の中だけの話しだっていうんだろ、すべての夢が叶うなんていうこともさ
It isn't the first time believe me, baby
I'm standing here feeling blue
Yeah I'm blue
 Iを信じてくれるのはこれが初めてじゃないだろ、ここにIは立ち尽くしてるんだ、まったくヒドイ気分、ひどいブルー・・

[Verse 5]
Now I will stand in the rain on the corner
I'll watch the people go shuffling downtown
街角でずぶ濡れになって立ち尽くしている
 ダウンタウンへドブネズミみたいになって人々が行くのを見てる
Another ten minutes no longer
And then I'm turning around
 もう10分もしないうちに
Iもどっかに立ち去ることにしよう

[Verse 6]
The clock on the wall's moving slower
My heart it sinks to the ground
 壁掛け時計の動きはのろのろ遅く
Iの気分は地べたを這う
And the storm that I thought would blow over
Clouds the light of the love that I found
 嵐はIが見つけたものをふっ飛ばし、雲はやっと見つけた愛っていう光を曇らせ

[Verse 7]
Now my body is starting to quiver
And the palms of my hands getting wet
 カラダはガタガタ震えだし、手のひらはびしょびしょになってる
I've got no reason to doubt you baby
It's all a terrible mess
 Uのことを疑うような理由は何もない
全部何かとんでもない間違いなんだろ

[Verse 8]
I'll run in the rain till I'm breathless
When I'm breathless I'll run till I drop, hey
 雨の中に息が切れるまでかけだした、息が切れたらもっと走って意識を飛ばしてしまう
The thoughts of a fool's kind of careless
I'm just a fool waiting on the wrong block, oh yeah
 バカの考え休むに似たり、Iってやつは違うブロックで待ち合わせを間違えたんだな
Light of the love that I found
 愛の光をまた見つけた




 FOOLがただたんに雨の中で待ち合わせの場所を間違えていて、最後に恋人を見つけた、と、普通には受け取れますが。なんだろ~、まともじゃない感じもする。
 なんかいもしない恋人がいるって信じきってるヤヴァいヤツみたいなようにも聞こえますよね、
 light of love i found
 なんてセリフはちょっとキショイですもの。



 さぁリリック的にはそんなに難しく無いのですけどこの曲の構成はメチャクチャ入り組んでるっていうかぱっと聞いても全然わかんないですよね、相当なリズム感の持ち主です、ただ聞いただけでこの曲がわかったら。


 まず始まりからうぇっ!?って感じのリズムですよね。


実はこれはメロディラインは2ビート(ハーフタイムのリズム)、のリズムBPM が4分音符で190くらい。でリズム隊は12/8の三拍子、っていうかもっと詳しくいうと、6拍子のちょっともたついた感じのシャッフルを叩いているのです、そのしかもシャッフルってのが、ジョン・ボーナムっていう稀代の天才ドラマーが叩くと、ものすごい独特のリズムです。
 つまり2 / 6 のポリリズムで曲が始まるので、不思議なノリなんですね。


 で、それだけで終わらず、2:30 くらいからはサンバのブレークが入ります。これは上の2ビートに下のリズムが合わせて、完全にサンバになる、BPM、は236くらいでめちゃ早い、+パーカッションラインは、アゴゴ、ティンパニがべつどり、カウベルのアドリブ、ボーナム氏のバイテン、ってわけで複雑なリズム、そっからまた2ー6のポリリズムです。


 ちなみにジミーペイジのソロの、16ビートの感じはMXR Blue Box、っていうファズのエフェクターを使っております、けどそれだけではこんな感じの音にはなりませんでしょうな・・・。


コーラスのギターは12弦ギターですけど、12弦ギターは下手なヒトが弾くとスゲー音が綺麗に出ないものです、当たりまえですけどJPはギターが上手い。


 こんなに凝ったような曲を作るのはZEPしかいませんでしょうな。最近の曲でここまで一曲の中に詰め込みまくった曲ってのはほんと聞けない。一曲の中にここまでいろんな要素を含んでませんものね、ほとんどワンテーマで曲を作ってます、一ヶ月か二週間で作ってるもの、この曲はどうやっても3ヶ月がかかりそうな感じです。ZEPっていうのは、基本がしっかりしてるバンドだって思います。ZEPはロックから一番遠いところにいるのかもしれませんね、音楽学校の超優秀なエリートたちが作った、みたいな曲。

 ジミーペイジってヒトはもともと凄腕のスタジオ・ミュージシャンで、彼が腕利きの人材をスカウトすることでZEPってのが出来てますから、もちろん技量だけで選ばれているだけにものすごいテクニクシャン集団です。(ジミーペイジはプロデューサーも掛け持ちですし) けどロックキッズにとっては、そんななんだろー、超エリートみたいな音楽は、確かに曲の完成度はものすごいですけど、ちょっと自分たちとかけ離れているのですよね。ロックはハートだろ、魂だろ、みたいなことを言いたがるヒトは多い、自分たちに技術が無いからそう言わざるを得ないんですけど、リスナーたちにとってもそれは同じで、あまりにもかけ離れている上手さは親近感がわかないですよね、ちょっとギターを手にして練習してもジミーペイジにはなれないし、学園祭でボーナムのギターは叩け無い。この曲は特にやろうとしたらボロッボロになります。まず曲のカウントからして入り方がわかんない。それは素人がパガニーニのヴァイオリンが弾けないのと一緒、ヴァルトゥオーソすぎるんですよね。



 というわけでこの時代ってのはキッズたちはパンクだったわけです、ピストルズやクラッシュのほうにキッズ達は向かっていてZEP=おさーん、の音楽っていう構図だったのです、それは今でも変わらないと思います、ギター雑誌とかでもおっさんは今でもZEPこそ良し、っていう態度を崩さない。OASISの曲ってのは、基本的にはピストルズです、キッズに人気のグリーン・デイやらオフスプリング、みたいな曲も、原形はパンクのピストルズ、また日本のバンド、ってのの曲も基本的にはピストルズです、BUMPの初期のアルエみたいな感じ。あぁいう曲調はやっぱしキッズには一番わかりやすくて一番響く、ただテンポがどんどん速くなっていったくらいなもので、ずーーーーっとそのスタイルってのは基本的には今でも一緒。まずだいたいにおいてキッズはシャッフルのリズムを聞かない。IはPUNKってのはやっぱスゲー発明だったと思いますね、ロックの後に起きた本当のムーブメントってのは実はたった1つでパンクだけだって気がします。だってパンクってのは練習が必要無いのですもの。音楽は技術ではない、ってのは今では普通に聞こえるけど、言ってることはムチャクチャです、音楽の歴史をひっくり返す無茶苦茶さです。


ともかくZEPはもう落ち目なんじゃないのか?ってころに発売されたのが in through out the door、っていうアルバムです。
 アルバムタイトルも英語がわからないヒトには文法的にイミフですね。IN なのかTHROUGHなのかOUTなのか、ドアのどこにいるのかわかりませんな。
 たぶん  

    ドアを開けて外に出ていこうとする、という状態にいる。

 って意味ですね。というのはこの時期のZEPはその時代的に時代遅れなものになってたってのも1つ、またヴォーカルのプラントの息子が夭折してツアーもキャンセル、また税金逃れをしていて英国での営業禁止、ドラマーのボーナムはアル中、他はまぁドラッグにどっぷりってことですね。マンガみたいな最悪の状況、そっから抜け出す、という状態、にいるのだ。ってことです、BREAKING FREE、っていうふうにたった二言で片付けてしまうQUEENとは違うんですね。

 ちなみに1980年にボーナムが死んでZEPは空中分解しました。だからこれが実質最後のアルバムになったってわけです、ボーナムがいないZEPなんて、ペイジのオナニーバンドになってしまいますからね、ZEPといえばボーナム、なんです、QUEENといえばフレディってくらいボンズのドラムが聞きたいだけでZEPを聞いてましたからね。

 この後に発売されたCODAは未発表音源のリマスターですから。


 けどやっぱりZEPの存在は大きかったですよね、パンクの仮想敵ってのはZEPしかいませんでしたもの、敵がいないパンクは何に反抗すりゃいいかわからなくなってしまって、どんどん自傷行為みたいな調子になってしまいましたからね。ZEPなんて大っ嫌いだ、っていう人もいるし、ZEPこそがビートルの後の音楽のすべてだっていう人もおる。それがやっぱ大事で、あんなバンド大っ嫌いだ!っていう存在ってのは大事ですよね、それは実はリスペクトもあるわけですし。今みたいに、音楽自体に特に興味無いってのは一番悪い。

 これもちなみに1980年というとジョンレノンが死んだ年です、80年代ってのはほんと音楽の迷走時代でして、そしてアイドルの全盛期です。ピストルズがロックは死んだって言って、ほんとに死んだって感じだったわけですね。