2015年1月10日土曜日

Madonna What It Feels Like for a Girl 和訳 対訳 解説  guy sigsworth サウンドメイク 

http://www.dailymotion.com/video/x16d1l_madonna-what-it-feels-like-for-a-gi_music

 YOUTUBE は音楽は削除されるようになってしまったのでDAILYのリンクを張っておきます、けど音が悪い・・・。




 まずは本題ではないのですけど歌詞から


Girls can wear jeans
And cut their hair short
Wear shirts and boots
'Cause it's OK to be a boy
But for a boy to look like a girl is degrading
'Cause you think that being a girl is degrading
But secretly you'd love to know what it's like
Wouldn't you
What it feels like for a girl
 オンナの子だってジーンズを履くことだってできる、髪を短くしてシャツにブーツを履いて
 ”うん、別にボーイッシュになったっていいんだ”っていうことだってできる
 けどオトコの子がオンナの子みたいなかっこしてたらバカみたいでしょ
 だってオンナの子、ってのが馬鹿げたものだって思ってるからなんだよねそれは
けどほんとはオンナの子になるってのがどんな気持ちになるか知りたいんでしょ?
そうでしょ?
 少女であるってのがどんな気分なのか


Silky smooth
Lips as sweet as candy, baby
Tight blue jeans
Skin that shows in patches
 シルクのようになめらかで、クチビルはキャンディーみたいにツルツル
ピタピタのブルージーンズ、パッチを当てる代わりに素肌を見せる
(パッチってあれです、なんていうんだろー、あのアイロンでつけるヤツ、だからジーンズを破いて素肌を見せるのが一番のおしゃれなパッチの当て方なんだよってことでしょう。ブルージーンズってのとアメリカ魂ってのは深い関わりがあって、ジーンズってのはご存知の通りワーキングクラスの服でした、それがカジュアルになり、今ではハイファッションでも当然の服装になっている、でも昔なら紳士がジーンズはくなんて信じられないことです、それを若い女の子がはくのはものすごく不自然、つまりギャルがドカジャン来てるみたいなことです)

Strong inside but you don't know it
Good little girls they never show it
When you open up your mouth to speak
Could you be a little weak
 内側には強い意思を秘めてるなんて知らないでしょう、物分かりのいい子はそれを絶対に他人に見せたりしないから、だから口を開けて声を出す時にはちょっとは優しくしゃべってくれないかな

Do you know what it feels like for a girl
Do you know what it feels like in this world
For a girl
 ねぇ少女であるってのがどんな気持ちか知ってる?
 このセカイに少女として存在してるってのがどんな気持ちなのか


Hair that twirls on finger tips so gently, baby
Hands that rest on jutting hips repenting
 指先で髪の毛を優しくもてあそぶのだよ
ブリブリしたケツに手を置いてちょっと自己嫌悪になったりしてさ

Hurt that's not supposed to show
And tears that fall when no one knows
When you're trying hard to be your best
Could you be a little less
 傷ついたなんてことは見せちゃいけない、こぼした涙は誰にも知らせない、自分の一番良いところを見せようと思うなら、少しは自重しなくちゃ

Do you know what it feels like for a girl
Do you know what it feels like in this world
What it feels like for a girl
 リピート
 
Strong inside but you don't know it
Good little girls they never show it
When you open up your mouth to speak
Could you be a little weak

Do you know what it feels like for a girl
Do you know what it feels like in this world
For a girl

In this world
Do you know
Do you know
Do you know what it feels like for a girl
What it feels like in this world




 冒頭の語りの部分はセメントガーデンという、シャルロット・ゲンズブール主演の映画の中のセリフなんだそうです。
 つまるところ、一周回ったフェミニズムってことです。ウーマンリブの60年台が過ぎ去り、社会進出したのはいいんだけど、あれ・・・ほんとにこんなのがしたかったんだっけ?ってことになり、アンチフェミニズム、オンナはやっぱしきゃぴきゃぴしてるのが一番で、キャリアウーマンなんかになりたくないっていう逆行が起きましたよね、明らかに。マドンナなんかはその逆行の中心人物でもあるわけです、セックスアピールして何が悪い、それがオンナの武器なら、一番自分にあった武器を使うんだっていう。
 フェミニズムってのは結局、オトコみたいになりたい、っていう発想で、発想の時点から間違ってる、オンナは、オンナのままで、それでいて認められるようになりたい、っていう感じに落ち着いたのじゃないですかねー・・・、しかし決着点がつかないままなわけで、最近の物語の主人公、プロタゴニストはもうほとんど少女です、少年が主人公のものってメチャ少ない。
 少女にはこうなったら良いっていう、こう生きたらいいっていうロールモデルがまだ無いんだってIは思います、一応の正解ってのが無い、どうやって生きても、失敗にしかならないような気がする。
だいたい少女のセカイはループしてるってのに気づきましたか?



 セメントガーデンという映画は結構ハードな映画で、母親をセメントで埋めてしまった姉弟の近親相姦ものらしいですねw ハードすぎるやろ。Iは見てないけど、DVDは出てるみたいでやんす。
 
 



 本題は実は全然でも別のところにあるのです、この曲の始まって4秒あたりからフェードインしてくるパルスみたいなサウンドがありますよね、この音ってどうやって作ってんだーーー!!とここ二週間ぐらいIは色々なシンセを貪り倒して何個もイカせたんですけどw ウソウソ  でも全然こういう風にはならないんです。一体どういうからくりなんだーーーー、もうやだーーー、殺してくれ、ってなってるときに、ネットで調べてみると、この曲のプロデューサーである、GUY SIGSWORTH自身がなんとインタビューでそのからくりを説明してくれてました。まじかいなーーー!!



http://www.soundonsound.com/sos/mar01/articles/guy.asp


これがそのインタビュー、このサウンドオンサウンドってのは向こうではかなり有名な音楽制作の雑誌みたいでやんす。


 で、そのやり方なんですけど、すげーなるほどでした。



 まずRHODESで循環コードを適当に弾いて、それをオーディオのままPRO TOOLSに落とし込み、それを切り刻んで短いオーディオにしてそれをピッチシフターとかリバーブで加工してリバース(反転)させて並べ替えることで、パルスみたいなサウンドになってるんだ、ってことでした。


 なるほどーーー!!どうりでどうあがいてもLFOやモジュレーターをいじっても同じようにならないわけです。しかもリバースディレイじゃなくて、波形を反転させていたんですねーーー。やられたぜ。このシグスワース氏の作品をこれから聴いていこうと思いました。もとはクラシック系の人で、シュトックハウゼンのファンだって話です、それもすげーなるほどです、たしかにこの音作りの発想はシュトックハウゼンっぽいやり方ですわ。


 シグスワース氏はこのインタビューでもっと大事なことも言ってます。それはMIDIで打ち込むことから音楽を解き放てってことです、MIDIで打ち込まないで、オーディオを取り込んでそれを操作していったほうが、音楽がリアルで生っぽくなる、MIDIの時代は終わるんだって。へーー!それもすごい納得。でもこのインタビュー14年も前の話なんですけどねw しかしものすげー先見の明、時代の30年は先に行ってますわい。
 この曲でもそうですよね、打ち込んでるんじゃなくて、自由に音の波形を組み合わせて置いていくっていう感じの音作りです。拍子を刻んでる楽器はドラムとベースだけ。



 よってライブでの演奏はまったく不可能なので、ライブでは普通のシンセリズムのリミックスで歌われているみたいですね、そりゃそうですね、ライブで音源の反転なんか出来ないもの、未来からやってこない限り。ミュージックビデオは1つはガイ・リッチーとったもの、これもなかなか面白いんですけど


https://www.youtube.com/watch?v=DOckhJ_aSYw


 このバージョンがすげー良いです、これはライブでの映像用。パーフェクト・ブルーというアニメとか18禁アニメのカットバックで作られていて、うわー。と思う。Iは今敏って監督は、なんか・・・なんだろー、そんな天才って言われたいですか?って感じでまったく好きじゃないのですけど
(Iの嫌いな監督、岩井俊二、園子温、今敏、ね?w わかりますでしょう)


こうやってカットカットで組み合わされると、今敏っていう監督は、ストーリーはどうあれ、画、に対する感覚は優れているんだなってのがわかります。死にましたけどね。それもがんでガリッガリに衰弱して死ぬっていうブルーな死に方をしました。なんかこの人ってほんと落ちるから関わりあいになりたくないぜw

 しかしそれを嗅ぎとるマドンナもそうですね、時代を読み取る力があるヒトですわ・・・・

 たしかパーフェクト・ブルーはアイドルがストーカーに殺されるっていうストーリーですので、それを知ってて使ってるのだとしたらマドンナはすげーユーモアのセンスしてます。




 追記
調べてわかったことですが、シグスワース氏の音楽をIはすでに聴いてたんですね。BJORKのHOMOGENIC、UNRAVEL、ビョークとトム・ヨークのシングルi ve seen it all、などなど、なんだ、Iの好きな曲はすでにシグスワースの手の中だったというわけですか・・・。Iが目をつける前にもう目をつけてますねさすがに・・・