2017年5月24日水曜日

1973  モモ   ミヒャエル・エンデ

 有名だけど読んでないものシリーズ、ワタシは「きっかけ」がないと本を読まないヒトになってしまいました。まるでアバドン王みたいなこと言ってますけど。

 きっかけってのはあるもので、誰かに勧められたり、突然そいつと巡り合ったりってことです。



 物語としては、あらゆるものが効率的、生産的であることを求められるようになり、成功し、有名になり、金持ちになること。だけが重視されるような社会になってしまった。

 それは時間泥棒、が人間の時間を奪ってるんだよ、っていう秘密を知ったモモ、という孤児院から脱走したホームレスの女の子であるモモ、がみんなの時間を取り戻すというお話です。


 あらすじを聞いただけで、あぁこれは賞とかを取るタイプの、文部省推薦的な物語だな、こういう本を名作だ、っていうのは非常に簡単だし、世間受けも良いに決まってる。


 実際その通りで、これは悪いところなんて1つもない、ピュアにいい話ですね。いい話に決まってんじゃんそんなのってかんじ。

 たとえばこういう話ですね、詐欺師が捕まったのだが牢獄で彼は知的障害を持った少年と同じ部屋に入れられるハメになる。詐欺師は少年の無垢さにしだいに惹きつけられていき、そして慰問に来ていたアバズレの女の子とも知り合う、三人はクリスマスにある計画を考えた・・・。

 みたいな話し。あぁいい話に決まってんじゃんそんなの、どうせいい話なんだろってことです。



 こぉいう物語が、いい、名作って言われるのはすごくよくわかるんですけど、ワタシには絶対に描けないタイプの物語ですね。ワタシは絶対毒を盛り込みたくなる、毒をもるというのは社会批判をすることじゃなくて、一般論とは違う、世間に受け入れられないであろう行動を起こさせたいのですよね。賛否両論、を狙うっていう。