禁酒のこころ
贅沢は敵だ
黄村先生言行録
1943年になって突如登場した新キャラ、しばらくこの先生シリーズが続きます
不審庵
先生VSオオサンショウウオ
作家の手帳
先生のご講釈
花吹雪
先生の喧嘩
鉄面皮
右大臣実朝の自己PR
右大臣実朝
当時歴史小説ブームが起きていたようです、戦争みたいな現実からの逃避として、歴史モノに向かうのもあるし、歴史上の戦争の経験談みたいなもので自分を鼓舞しようという両方あったでしょうね。吉川英治の「宮本武蔵」もこの戦中の作品。というわけで太宰も歴史小説を書こうということになったわけであります。
この作品はほぼ、吾妻鑑、増鏡などの歴史書を現代語にしつつ少しドラマを加えるというもので、ハッキリいって、殆どワタシには意味がわかりませんでした。ワタシは日本史を殆ど知らないのです、吉川英治の小説で読んだところだけを知ってるくらいなもの。興味が無いんですね、日本史。そんなセカイの果ての小国のこまごました歴史なんて知ってどうなる?だれがスウェーデン王朝史みたいなのを知りたいと思うのか、日本人だからって日本史を知ってなきゃいけないなんて、なんて狭い料簡なんだって、若い頃のワタシがいきがってたので一切日本史を勉強しませんでした。代わりに、世界史、はかなりやったんですけどね。人類っていう大きな視点で歴史を見るばっかりで各国史はほぼ知りません。
実朝が誰かすらあまりわかってませんでした、頼朝の子どもたちは次々と暗殺されてすぐに断然、義経の呪いか?っていうことくらいしか知りませんで。
当時は戦時下ですから、天皇は神なので、朝廷を尊重した実朝は良いやつ、承久の乱を起こした北条家は悪という歴史観なんですね。太宰はどういう目的でこの作品を作ったのかワタシにはさっぱりわかりませんでした。
鎌倉時代、という歴史区分自体がゆらいでいるんですよね、ワタシはもちろん1192作ろう鎌倉幕府、で習った人間ですから、1185って言われても、は?っていう感じ。さらに頼朝の血族はすぐに断絶するので、1221北条時代、ってしたほうがいいんじゃないの?とも思う。さらにやっぱりこんな島国の小競り合いなんて世界史ではほーーんの小さな出来事でしかないと今でもワタシは思っております。