2019年11月30日土曜日

1989  gun fact book  銃の基礎知識 NRA 全米ライフル協会

 NRAが出している(出していた)、オフィシャルな銃の扱いに関する本で、白黒で文字ばっかり、サービス精神のかけらも無い本です。

 が、FACT、とあるだけあって、古い本ですが、データはかなり精確に載っております。あといかにもアメリカ人らしい、実験精神に富んだものもあります。弾を真上に射つとどうなるのか、とか、水中で射つとどうなるのか、水中に向かって射つとどうなるのか。弾薬に火をつけるとどうなるのか・・などなど。


 しかしながら、ほとんどの記述はやっぱしまったくわけが分からりませんね。銃の知識が無いと。スムースボア、ミニットオブアングル・・など専門用語が飛び出しまくりですし、一番の問題はフィートポンド法なので全然イメージがわきません、〇〇グレインの火薬・・とか言われてもわからぬ。

 というよりやっぱし銃が身近にないのでやっぱしイメージが全然出来ません。

 これが日本の作家の弱いところだって思いますね、GHQの仕業か知らないけれど、あんまりにも日本では軍事関係の情報がなさすぎるのです。しかれでも、ミステリーやサスペンス、アクション系の物語で銃器はほぼ主役と同等なくらい大事なもの。そしてそれはエンタメの半分以上だと思います。

 海外のエンタメがだいたいFPSだとか、TPSだとかなのに大して、日本のそれがだいたい魔法だとか超能力、気合、で戦うのはそういうわけです。銃の知識が全然ないから。それが独自の個性だとも言えるのですけど、世界市場では圧倒的に銃で戦うエンタメのほうが市場がでかいので、なかなか難しいですよね、日本も市場ががんがん少なくなってもはや国内向け、だけでなにか作るってのは無理になってきてますのでな。


 この本NRAが書いてるだけあって、銃規制は社会を安全にしない、という主張がなされてます。たぶんほとんどの日本人はNRAはアホなんだと思ってますが事実はそうではない。

  確かに銃を規制したら、犯罪が減るってのは、どう考えても楽観論すぎますね。銃乱射ができなくなったら、放火、トラックでつっこむ、包丁ナイフ類、爆破、化学兵器って別のものになるだけです。
 特に自動車ですわね。経済優先のためにどんなアホにも自動車が売られますし、はっきりいって、車の危険度は銃と全然差がない。
 メディアはだいたい自動車がスポンサーになってますので、自動車について悪くは言わない、ただそんだけの話です。


 犯罪率が高いのは、もちろん格差が激しいからですが、格差は豊かさの裏面です。格差が無いってことはつまり全員貧しいってだけですから。正直どうしようもない。犯罪をへらす唯一の方法は、人口を減らすってことですが、これも結局はみんなで貧しくなろうっていうことと変わりませんね。