2021年12月4日土曜日

1972  サディーが死んだとき Sadie When She Died (1972) エド・マクベイン

  全然知らないで読んでしまったのですが、これは87分署シリーズという大長編シリーズの中の一作でして、このシリーズは「警察署もの」として、1ジャンルを形成してるようです。


 推理小説では全然なく、警察署の1グループ、がみんなで活躍して操作をする、というお話です、つまり「太陽にほえろ」形式ですね、もちろん「太陽にほえろ」がこれから影響をうけたのでしょうけど。(このシリーズの最初の本は56年に出ていて、2005年に最後のシリーズがでるまで半世紀も続いたようです)


 だから推理小説を読んでるという感じではなくて、長編刑事ドラマの脚本を読んでるみたいな感じです、一つの事件を追ってるというよりも、警察署のおなじみの面々がそれぞれに動いてるっていう感じ。


 それを知らなかったので、なんか変な構成だな・・と思いましたが、シリーズを最初から読んでる人にはおなじみの展開とかおなじみのキャラなんでしょうね、ワタシにはなんかキャラのイメージが全然つかめん、と思いましたがそういうことなのでした。


 それはいいとして、この本の内容は、ジャンキー、セクシャルマイノリティ、治安の悪い街、犯罪都市、クリスマス、といかにもNYって感じの話です。結末もなんていったら良いのか、ん~・・・、簡単に言うとセックスの話ですね。ド変態鬼畜野郎のというお話、結末もすごく後味が悪い。


 ただ警察の操作のやり口みたいなのはリアリティがありました、かなり綿密に取材したんでしょう、想像では書けないようなやり方が書いてある。


 ともかく推理小説では全然ないし、ミステリーでもない、テレビドラマっていうジャンルですねぇ。テレビ時代になって推理小説も死んだってことなのでせう。