2022年9月15日木曜日

1986 ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン

  誰だったか忘れたのですが、誰かにめっちゃ過小評価されてる作品と言われたので読んでみましたが、途中で止めてしまいました。


 ヒューゴー賞とネビュラ賞っていうSF文学賞の二大タイトルを獲得してる作品なのですが、ふーむ・・・・。


 ようするにはSF版のフィネガンズ・ウェイクみたいな作品で、なんだかめちゃくちゃです。おおよそ、サイバースペースにダイブするハッカーのお話だと思います。だいたいのキャラがジャンキーで、幻想と幻聴と夢と電脳空間でセックスしたり、ドラッグをするというお話です。


 明らかに行きすぎてますねぇ、ぶっ飛びすぎてる、ぶっ飛んでりゃぶっ飛んでるほどいいだろ、前衛的であればあるほどいいだろ、というふうになりがちです。それもわかるんですけどね。なんか新しいことやろうと思うとそうなる、めちゃくちゃなもの作ってしまう、でもワタシからすりゃそりゃ逃げですね、ちゃんとコツコツやってくしかないのに、はちゃめちゃに即興でやって、これがアートだ!みたいに言い張る。

 結局すぐにそれらは忘れられて、やっぱしクラシックなものだけが残る。20世紀の現代音楽やら、現代アートやらと同じですね。

 現代であるから正しいんだろうと思いきや、何も残らずに消えていく、現代ってのはつまり、時間の流れ、という試練を受けてないということ。しょうもないものは時間が流れればすぐに消えていく。長い時間残ってるということは、やっぱり残ってる意味があるということ。だからワタシは新しい作品って好かないのですよね、100年残ってるものを手に取る。

 つまり結局、ベートーヴェンに落ち着くというわけ。メシアンだのシュトックハウゼンの、誰も聞いてない。

 SFという文化も、あぁこういうのが賞とるようになっちゃったのね、と思うと文化としてもう終わってると考えて良いようです。結局60年代までかなぁ・・・。


 結局すべてが幻想、夢オチなので、なんか読んでも時間の無駄だな、と途中で思いました。