2022年9月2日金曜日

2007 世界歴史大系 南インド史 Ⅰ  山川出版

 ちとインドの歴史が知りたいなぁと思って調べて見ましたが、ちゃんとしたインドの歴史を通史として追ってる本はほぼこれ一択でした。


 古代から1000年頃までを収録しております。


いかにインドの歴史ってのが馴染みが薄いかってことですよね、まったく知らない固有名詞のオンパレードでちんぷんかんぷん。

 いかに学校で習う歴史が、ヨーロッパ中心かって話です。世界史というよりヨーロッパ史ですから。更にいえば、7割くらいはイギリス、フランス、アメリカ史です。


 インドの歴史はこうだ、っていうのは一言ではまったく言えないのですが、やっぱり混乱が長い、っていう気がしますね、王国もだいたいは個人のカリスマ性に依存していて、すごい大王が現れると一時的に支配を確立しますが、そいつが死ぬとすぐに崩壊する。

 それといろんな宗教が対立してるってことです、西洋みたいに基本キリスト教で染められるってことはない、バラモン、ヒンドゥー、仏教、ジャイナ、ゾロアスター、イスラム、など違う宗教が入り乱れてるので、なかなか一つにまとめるのは無理ゲーって感じのようです。更にガンガン、ギリシャ、ペルシャ、異民族やらが侵入してきますので安定しません。安定しない、それがインドっていう場所なのかもですね。


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 -2600 インダス文明が北西インダス川の周り一帯に成立

-1800 インダス文明が崩壊 原因はインダス川が洪水によって流域を変えたなどの環境による変動


-1500? アーリア人の侵入  アーリア人が文字などの言語と、ヴェーダという宗教的なものなどをもたらし「ヴェーダ時代」となる


 ヴェーダとは知恵、という意味で。そのコトバそのものに力があると考えられて、その力のことを「ブラフマン」と良い、それを使う者をブラーフマナ、バラモン、と言う。


-1000? 十王戦争

 バラタ族とその他の部族の王(十王)との間に大規模な戦争が起こる(十王戦争)、バラタ族が勝利した。これがマハーバーラタ、の原型。

 その後クル族がクル・クシェーストラを中心に初期王国を作っていく 後期ヴェーダ時代に入る。

 北西インダス川流域から、北東、ガンジス川へと勢力は拡大、バラモン教が北インド全体に拡大していくことになる。


-600頃 一六王国時代 文明の中心はガンジス川中流域へと下り、十六近くの小さな国家が乱立する時代となる。

 ブッダはその中の一つシャーキヤ族の王族として誕生。

やがて王国の一つで専制君主国家だったマガダ国によってインド統一がなされていく。マガダはインダス川沿いから離れていたのでバラモンの影響が少なく、ヴァルナによらない実力主義で人材登用する。

*仏教もヴァルナ、生まれによらずに、個人の行いで救済は得られると説き信者を獲得


-518  アケメネス朝ペルシャによって西北インドがペルシャの属州になる


-330  アレクサンドロス大王がペルシャを滅ぼしインドへ。インダス川まで達して帰還する。支配した場所にギリシャ政権を残していく


-320 チャンドラグプタ王のマウリア朝が北インド制圧、ギリシャ人を駆逐、シリアとも戦う。

 チャンドラグプタの参謀カウティリアが政治論「実利論」を書く。


-261 アショーカ王がインド大陸をほぼ統一 仏教に帰依して仏教が広まる。

アショーカの死後王国は崩壊


0~ ギリシャの影響で仏像などが作られる

仏教から大乗仏教が発展。自分だけが悟りを開くのではなくて、悟りを開いて他者をも救済しようという思想。(回向)孤立出家主義からの脱却

 仏教やジャイナ教が広まるにつれて選民主義のバラモン教は勢力を失う。バラモン教も民衆も救われるという民衆救済思想へと変化、土着の神などを吸収して、ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマーの三神を主神、あるいは同一の存在(トリムルティ)とするヒンドゥー教へと変化した。


318~  グプタ朝のチャンドラグプタ王が勢力を伸ばす、息子のサムドラグプタ王、チャンドラグプタ2世がさらに勢力を拡大


550 フーナ族(フン族)の侵入によってグプタ朝は衰退


600~  ガンジス上流のカナウジ、を中心としたハルシャ、が北インドを制圧、唐から玄奘などが来る

 ハルシャが死亡すると王国はすぐに崩壊


650~  三大王国時代  インドを統一するものがいない混乱期となる


1000~ サーマンタ という地方大名みたいなのが勢力をつけてさらに王国乱立状態