梶原一騎は、たくさん原作を書いていますが、言ってしまえばすべて同じです。でもその同じそれが・・・本質的なものだから、やはり素晴らしいと思います。いっつも終わらし方が下手だし(主人公を殺す以外無いですからね)脚本家としては、大して腕はないのですけど、でも、きちんと曲がらない何かを持っているから読む価値があるんだと思う。あと手塚治虫は表面上人間が好きですが最後の時点では人間嫌いだけど梶原一騎はその逆ですから、元気が欲しい時には悲劇的な結末だけどこっちを読むべきだと思います。
あと結構この作画の方の人の絵は、特に初期の女の書き方は好きです、後半からなんか北斗の拳みたいになってしまいましたが。リアルな描写はオリジナリティが無いと言われるけど、絵が古臭くなるのは避けられるからいいですね、今流行りの京都アニメーションみたいな作画は、たぶん10年後にはそうとう奇妙な感じをうけると思います、今昔の少女漫画を読むみたいに、お蝶夫人の髪型は一体?と思うみたいに。
それと梶原一騎、スポコン、ガキ向け、というレッテルに反して、梶原一騎はかなり純文学的な色だと思います、高尚なテーマでやってる、 今主流の治虫やドラゴンボール系の漫画よりも、かなり。今純文学的な物を作ってるところってどのメディアでも見当たらないですね、ふとした拍子にそういうブームが来るかもしれないですね、学生闘争の時にみんなドストを読んだみたいに、乱世に何か芯となるものを求めるようになるものですから。結論いうと無いんですけどね、聖書の中にも世界文学全集にも、今まで歴史上だれも見つけた事が無いんだから本の中にあるはずもないのです、いかに生きるべきかの答えは・・・