2018年5月31日木曜日

2009 デモンズソウル

まず私なりの攻略法

 このゲームの攻略法は「冷静になれ!」これだと思います、逆上してガチャ押ししたら絶対に死ぬ。囲まれたら終わり。常にクールに。死んでイライラしてリスタートすると雑になって更に死にます。一回死んだら、ふぅ・・、死んだか。と一息ついて、コーヒーでも飲んでクッキーでも食べ、集中力を回復させてからリスタートしないとどツボにハマります。これは本当、イライラしながら更に死んでゲーム自体を投げて、はいクソゲー!ってポプ子みたいになってしまいます。死んだら、まず落ち着け。せっかく買ったんだからまだ諦めるな。あと失ったソウルをひろわなきゃ、と思うのもこれはダメな発想。ソウルなんて拾わなくていい、すっぱり諦めましょう。拾いに行こうと思って失敗するとさらに精神にダメージをくらいます。

・生まれと育成のポイント

 生まれが問題になるのは実は一面目だけです、それ以降は自由に成長させられるので、別に生まれなど関係無い。ただ一面目の難度はかなりの程度生まれに依存します。この1面目をクリアできるかどうか、がこのゲームの半分といってもいいかもしれません、たぶんこのゲーム途中で投げるヒトの70%はこの一面目がクリア出来ないでやめていると思います。 
 
 はっきり言って一面目から難しいです。全然進めません。初心者には厳しすぎる。最初の城の最初の左の扉を開けるまで、しがみつく指輪を手に入れるまで、私はなんと6時間くらいかかりましたw たぶん80回は死んだ。
 魔法使いを選んでしまったのですが、これは初心者には非常にダメな選択。絶望的に耐久度が低くて笑っちゃうくらい死にます。攻略サイトなどにあるように、素人はMP自動回復がある貴族、がいいみたいです、私もそう思う、序盤魔法回復アイテムが高くて変えないので、魔法使いはすぐに種切れしてただのクズに成り下がる。
 魔法に別に威力はいりません、ただ遠くから攻撃できる、これだけが大事なんです。他の戦士系は別にどれを選んでも基本同じ。ボスのファランクスも香水を消費しながらチクチク遠距離攻撃で倒せます。(結構これも難易度高いんですけどね、しかし近距離で戦うよりは死ぬほどマシ。火炎瓶をかき集めるっていうやりかたもありますけれどこれも時間食い虫、失敗して死んだときのダメージが甚大)
 一面目のファランクスを倒すと、レベルアップが可能になり、ゲーム性が大きく変化します。これ以降はサイアク死ぬほどレベル上げればゲームの難度を下げられます。


・さてレベルアップが可能になったらステータスですが、ステ振りを私失敗したなぁと思うのですけど、平均的にすべてに割り振るっていうどっちつかずの育成をしてしまいました、これが一番弱い。
 ゲームのクリアだけを目指す初心者使用なら、セーフティファーストです。体力と頑強にとにかく振ります。まず魔法、ソウルの矢が撃てる最低ライン10まで、信仰も奇跡が使える最低ラインまであげます。これは絶対に必須。筋力も暗金が使える16までは必須、そのあとはほぼ全部体力、頑強にぶっこみます。とにかく固く。体力30は攻略最低ラインかと。あと信仰にも振って奇跡系の戦士にする方法もあるようです・・・が、それにしたって体力スタミナ最優先。魔法タイプは絶対やめたほうがいいと思います、初心者には厳しい。
 筋力、技量などに振って殴りの威力をあげる場合もありますが、基本武器さえ強化すればそんなにステータスは必要ないかと。それより体力です。


 そして竜の・・・っていう竜系の武器を作ります。これがゲームの攻略には最重要。作り方は攻略サイトなどを参考に。

  このゲームの攻撃力はほぼ武器、の攻撃力です。攻撃力、というステータスは無い。筋力が高いとボーナスとして攻撃力が上がる場合がある、というだけです。武器が強ければ筋力は不要(そりゃあるにこしたことはないぜ)
 そして武器の威力に魔法、炎、の追加がつけられうのですが。普通のゲームのようにちょっとだけ強くなる、ではなく、追加効果はそのまま加算、なんです。
つまり素の攻撃力が100、で炎攻撃力が100、だと攻撃力は200、なんです。だから明らかにこの加算がついた武器のほうが圧倒的に強い。
 竜の・・シリーズはつまりこの炎攻撃、がプラスされた武器です。一部炎属性のイモムシに通りが悪かったりしますが、基本炎は万能。魔法は魔力が高くないといけませんが、魔力を上げるともちろんタフネスが下がるのでオススメできませぬ。魔力高くして接近戦挑む意味がわからんし。
 何をこの竜・・に鍛えるかですが、やっぱりみなさんオススメのミルド・ハンマーがいいかと。ようするに長柄武器なんです、なぜこれがいいかというに、リーチが長い、出がまぁまぁ早い、特に両手持ちの時非常に使いやすいです。別にほかの武器でもいいですが、竜、に鍛えるアイテムは限られてるので途中で変更は効きません。無難。(あと骸骨の弱点なので、骸骨でソウル稼ぎをするのにも最適、骸骨を一発で沈められるようになるとソウル集めは快適極まりない)
 他には個人的には、短刀がなかなかよい。とにかく出が速い、相手のモーションを見てからこっちが斬っても間に合う、バクステも狙いやすい。ワンオンワンだと短刀は・・いいぜ。殺してるっていう感じがするのも良い。
 大剣など使ってみたい気持ちもわかりますが、やっぱりスキがでかすぎます、すぐにハメ殺されて死にます。
 対人などでは、ガードしてくるのでガードブレイクできる大剣なども必要でしょうが、攻略に限れば重い武器は必要なし。

 そして攻略必須アイテム
・盗賊の指輪 (これはまじで絶対に必要、ボーレ1の隠しアイテムです、取るのがややムズ)
・審判者の盾(自動回復効果のある盾) あるとなかなか便利、けど中盤以降草食い放題になるとじわじわしか回復しないのはあまり効果なし。どうせ当たれば即死の攻撃ばかりになってくるので、じわじわ回復くらいでは意味ない。
・欠月のファルシオン(MP自動回復)アイテムが高くて買えない序盤は貴重、だけどやっぱ回復スピードが遅すぎるので、カネが溜まったら不要。
・暗銀の盾  魔法を完全無効にする盾。嵐ー3で必要。死神とビームを撃ってくる敵にはこれがないと対抗出来ない。

 
 レベル上げは嵐-1でやるしかありません。慣れれば骸骨君はただの的。ただ、嵐、でレベル上げをしてると、嵐が真っ黒になり、黒ファントムサツキ登場。またババーン!地獄の停滞モード!w ここで折れるヒトも多いのでは?
 サツキとは死闘になると思います。まともに戦うと苦労してHPを削ってもいきなり全回復、そんなばかな!で勝てません。
 ただサツキには勝ち方があって、短刀で後ろからバクステで刺し、さらに立ち上がったらまた刺すで勝てます、通称バクステハメ。でも慣れが必要、でもこれを諦めたらそこであなたのデモンズソウルは終わりです。
 攻略サイトなどでは生身で死なない限りエリアは黒くならないと書いてありますがそんなことないです、ソウル体でも死にまくってるとどんどん黒くなる・・気がする?理由はわかりませんが、何度も出入りをすると黒くなってる気がする。とにかくこのゲーム、死ぬと(ソウル体になったり、エリアがダーク落ちして)さらに難度が上がってしまうという、非常にゲーム弱者を追い詰めてきますw 普通逆だろ!死にまくってたら簡単になりそうなものです、ノンノン!死んだらさらに追い詰められるのだ!
 とにかくサツキもなんとか倒し、嵐でどんどんレベル上げしませう。黒ファントム骸骨が出てきますけども、これも慣れですね。次に解説しますが、盾受け下がり、が出来るようになれば焦らない限り勝てます。

・初心者と中級者を分ける技術があります、盾受け下がりです。初心者は盾を構えると突っ立ってしまうと思います、止まったららめーーっ!w 盾を構えつつ、後ろに下がる、もしくは相手の後ろ側に周り込みます。周りこむのはやや上級者、というのは回り込んでもすばやく連打される場合、スタミナ削られて被弾、がよくあるからです。やっているヒトには、このモーションからは二回、三回、って攻撃回数がわかってるのでガード出来ますが、初心者はわかりませんのであっさり殺されます。ただ後ろに下がると?相手のでかいモーションの場合は空振りさせられます、連続攻撃も二発目以降を空振りさせられる場合が多い。あるいは盾ではじける。なんにせよ相手の打ち終わりを叩く、後の先、が基本戦術。
 攻撃も決してガチャ押ししないこと。ガチャ押しダメ絶対!このゲームガチャ押しで勝てるほど甘くない。必ずヒットアンドアウェイ。

・レベルを上げて嵐ー1をクリア出来たらしめたもの、嵐-2の死神狩りで鬼のようにソウルレベルあげられます。 アイテムも買い放題になります。ただし嵐ー2はステージ自体が一番難しいので攻略は最後にします。

 ソウルレベル50くらいになったらぼちぼちと他のエリアにも手をだしたらいいのでは。塔はタコの倒し方さえ分かれば簡単、盗賊の指輪で気配を消して後ろから刺すだけです。
 谷もダンジョンが気持ち悪いだけで難易度はそこまで、城は一番簡単、ボスはほとんどたいして強くない場合が多いのですが、坑道-2の炎に潜むもの、こいつだけはこれといった勝ち方、が無いので苦戦します。炎系が効かないのも辛い。この火炎ゴリラ、モーションを非常に盗みずらい。ダメージも半端ない。攻略サイトにあるように、骨に隠れてへいへいこっちこっち、ってジャッキーチェンがテーブルを挟んで戦う時にやるようなやり方しかありません。でもこれも完璧にハマるわけじゃないので、あとは運です。完璧にハマる、時もある。
 あと塔-2マンイーターもこれといって勝ち方が無い強敵。空を飛ぶのがマジでムカつく。体当たりもすごく避けづらいし、2体出てくるのもガチでしんどい。これも運次第、2体に前後にこられて簡単に沈む時もあるし、どうしようもない時もある。燭台をはさんでまたジャッキーチェン状態。

 一応ラスボスである、オーラントも、遠距離攻撃さえ使えれば弱い、火炎ゴリラのほうが苦戦します。オーランとはノーダメで倒すことは結構簡単なんですが火炎ゴリラをノーダメで倒すのは相当至難かと。

//////
 総評
 ゲームが複雑化、ハイクオリティ化しすぎたおかげで、新規タイトルというのは非常に生まれづらくなっています、たいていがナンバリングタイトル、FF〇〇、DQ〇〇、バイオハザード〇〇、モンスターハンター〇〇、ポケモン〇〇、っていう調子、まったく0から作ってもまず知名度0なので宣伝費がかかるし、さらに制作費も予算が集められないし、スタッフもまた集めにくいというわけ、実験的な作品はだいたい据え置きではなくて携帯機、スマホゲームという形になってきてます。
 スマホゲームってRMTとして現金で装備を買わないといけないことを除けば、クオリティ的にはスーファミのソレなんですよね。で、ワタシはスーファミくらいのゲームがやっぱ一番ゲーム、としての面白さが出るのだと思います。それを超えると、ゲーム、としての面白さよりもグラフィックの綺麗さだとか、モデリングの緻密さ、みたいなものに標準が変わっていく。それとわたしは3Dよりもやっぱ2Dが好きですね。フィギュアよりも断然イラスト派。
 でもスマホゲーはやっぱし操作性が悪い、リアルタイムアクションには向いてないって思うのは私だけ?ポケGOみたいにスマホならではのゲームがやっぱいいですよね、まぁ通信量というネックが常につきまとうけれど。



 そういう流れの中で新たにナンバリングタイトルとして成功したのがこのデモンズソウルシリーズ。制作はフロム・ソフトウェア。最近は制作会社でゲームを見るようになりましたね、クローバースタジオかぁ・・、モノリスかぁ・・って。
 ようするにゲーマーズゲーム、でゲーム好きのヒトが好きなゲームってやつですね、おっぱいキャラみたいなのも存在しないし、ユーザーやヲタク、腐女子に媚びたキャラは皆無、声優もデフォルトで英語ですし、自分でキャラメイク出来るのですが、どういぢったところで可愛さの欠片も無い、笑えるくらいしょぼい別にキャラメイク機能いらないのでは?
 ただゲーム性はものすごーーく丁寧に作り込まれています。一例を上げると、バックステップですね、このバックステップの一歩が生死を分ける、間合い一つで運命が決まる。武器を両手で持ってるかどうかで打ち込めるか、はじかれるか、が判定されたり、串刺しにされたりします。
 間合い、が戦闘の奥義です。このくらいで当たる、ってのを死にまくって知っていくしかありません。

 ファミコン、スーファミ時代の手強さリヴァイヴァルっていうのがテーマでして、不親切、突然即死、難易度設定無し、説明ナシ、途中セーブ無し、死んだらフリだしに戻る、おカネも0、の不思議なダンジョンスタイル。というわけで、あの頃、の手触りがします。アイテムだけは保存されるのが唯一の救い。これがなかったらたぶん98%は挫折する。

 死んで死んで死にまくって初見殺しをかいくぐって進む。そういうゲームです、更にプレイヤー自身の技術も無いと進めない。プレイヤーの技量が最大の武器、ハードなゲームだぜ。まさにプレイヤーのソウルが試されてますねw 折れそうになるソウルを守って進まないと・・・。

 
 なんか自分が有野課長になった気分w、地獄の停滞。普通のゲームならちびちびやってレベルが上がるってことがありますけど、このゲーム最初のほうはそれが無いんで、何も残りません。ただの時間の浪費。ひょ~w 確かに昔のゲームってこうだったわって思い出しましたね。ひりつくぜ!w カジュアルに全滅してもいいゲームに慣れっこになっているとこのシビアさはほんと笑えてきますね。ザコ中のザコ、最弱のザコの攻撃二回で死ぬんだもんなぁ・・。そして最初のボスファランクスもなかなか強い。あの火のついた剣を持ったザコに殺されると久々にコントローラーをディスプレイに投げつけたくなるw

/////
 評価点
 ・屋内で長い武器を振り回そうとすると壁に当ってつっかえます、狭い所ではスティレットみたいなのを使ったり、防御が硬い相手にはツヴァイハンダーでぶっ叩くというように武器の使い分けにリアリティがあります。こういう設定ってありそうで無かった。でもこういう制約、がないと攻撃力の高い武器以外存在する理由が無くなってしまいますからね。みんなアルテマウェポン使えばいぃやん、ではない。
 重装甲の相手にはスティレットで鎧通し、さらに盾によるパリィなど、リアルです、そうそう、だから盾って必要なんだよねって思う。このある意味すごく不自由でリアリティのあるアクションってのはほんとに秀逸、これまでのゲームの歴史の中でも抜群の出来だと思います。武器の重さ、っていうパラがあるゲームは今までたくさんありましたが、こんなに武器や防具が、重い!って感じたゲームは無い。

・絶妙な難易度、最初は難攻不落、ストレスばかり溜まって折れそうになりますが、だんだん、アレ・・進めるようになってる・・、み、見える、見えるぞ!みたいになってくるところ。ただし世間一般の難しい、のレベルよりもかなり上、・・ではあるが、不可能ではない、っていうライン。魔界村レベルっていうとわかりやすいかも。難しいけど理不尽ではない。ゲームはバランス、という価値観のワタシですが、このゲームはバランス、がすごく取れています。

 このゲームがクリアできるかどうか、でライトゲーマーとノーマルゲーマ-を分けることができる試金石的な難易度だと思います。ワタシゲーマーだよ♪みたいなことをほざいてる女にこれでほんとかどうかを調べられます。バイオよりも確実に難しい。

・武器や装備を変えるとグラフィックが変わるというところ。最近では当たり前ですけど、だいたいはこういうのは安っぽいものが多いのですが、割としっかりめにモデリングされてるなっていう気がする、自分の好きな見た目の武器を選ぶのも自由自在。まったく使い物にならん、という装備が少ないのも良いところ、サイアク気に入ったら、どんな装備でも使い込んでいけます。

//////
問題点

・ネットプレイってのを結構重視して作られているのですが、オンラインサーバーはとっくの昔に閉鎖してるので、ネットプレイでしか出来ないことがもはや不可能になっています。特にソウルの傾向を白に変える方法が全く無い。傾向白で開放のルートが一個も進めない。また黒になりすぎて敵強すぎるだろなんじゃこれ!っていう状態にも陥りがちです。オフラインユーザーにももっと気をつかってよ

・ロード時間が長い。 これはまぁハード自体の問題でもあるのですが。

・そうはいってもどうしてもクリア出来ないヒトのために・・、みたいなのが一面目だけでもいいのであってよかったのでは?大半のユーザはここで折れてしまってゲームを楽しめないで終わってしまう気がする。それは勿体無いですね。

2018年5月30日水曜日

1940 年 の太宰治 その1 女人訓戒 兄たち 俗天使 春の盗賊 鴎 女の決闘  老ハイデルベルヒ 誰も知らぬ  老人独笑 ろまん灯籠

 短編をひとつずつレヴューしてくのは煩瑣なので年単位で書くことにしました。一口レヴューです。
 1940年、太宰は仕事しまくってますね、週間連載の作家のようにいろんな雑誌にバリバリと作品を残しています、玉石混交でして、走れメロスなどの名作もあれば、ただの日記みたいな作品もありつつ。
 本人も曰く、ロマンス、と生活、の板挟みに苦しんでいる時期



 女人訓戒
  太宰お得意の女性、への考察。太宰はずっと女性の性の解放というテーマを描き続けています。デカダン、と真実主義

 兄たち
青森の素封家の兄弟たち、それぞれ個性的ですが、大金持ちのコドモという引け目をみんな背負っているのであります

 俗天使
 女学生、の後日談のような作品

 春の盗賊
この時期の太宰の素直な気持ちが表れた秀作、若くて死にたいと思うのだがそれが出来ない、ロマンス、の中に生きようとするのだが、家族を養ったり、生活、の為に小説で金を稼がないといけない。好きなことを仕事をにして生きるということは、好きなことを金と交換に売ってしまうということでもあり、太宰っていう人間は、本当に誰よりも小説、物語を愛していたのだということがわかります・・・

 鴎   
戦時下の作家としての太宰の気持ちが出ているワタシとしては非常に重要な作品。

丙種 身体上極めて欠陥の多い者
 
 兵役検査で丙種とされた太宰、わかっているか、オマエは人間のクズというレッテルを張られたのだぜ。
 才能があっても経験が無いと作家にはなれないものです。現代にはそういう才能人が溢れている、才能はあって、情熱もあるけれど、悲しいかな、人生がない、何を言っても、空っぽでがらんどうな響き。太宰はもちろん抜群の才能があり、また生まれた時代も抜群に良かった、戦間期、戦時下の作家としていつまでも残っていくでしょう。
 あなたに会えて良かった、あなたの支えがあって、大企業の内定が取れました、こんな経験や人生では、物語にはならないのです。


女の決闘
 
 女の決闘という森鴎外訳の短編小説を題材に、それを改作したり付け足したり、解説したりする、太宰としては全く異色の作品でありますが、キラキラと宝石が光る快作であります。太宰はずっと女、というのを主軸にして描いてきて、女性を描かせたら、やはり無双ですね。普通の作家の考えるよりも、何周も何周も下の螺旋階段まで降りている、そのレベルまで達しています。


老ハイデルベルヒ

 「ロマネスク」、執筆時の思い出的な作品。タイトル由来は不明。


誰も知らぬ
 
 これもまた、女学生特有の心情、駆け落ち願望みたいなのを鮮やかに描いた作品


老人独笑

 ある盲目の音楽家の日記からなる作品・・・非常に難しい

きりぎりす
 美しいイキモノ、を求める妻と、堕落する芸術家の物語。このセカイどこかには美しいものがあるはずだ、という信仰、みたいなものが、聖書を読んだ後の太宰には少しづつ出没するようになります。宗教的な女性、というキャラクターは、リアリティに乏しいので、これまでのリアルな女性像という太宰の作風からの転換期でもあります


 ろまん灯籠
冒頭に注釈してあるように、名作ではなくて、好きになれる、作品。太宰には珍しい、軽さ、を持った作品です。
 



2018年5月25日金曜日

NBA Playoff 2018 WC Final

http://forum.rojadirecta.es/showthread.php?319632-NBA-Playoff-2018-WC-Final-Game-4-Houston-Rockets-Golden-State-Warriors-22-05-2018


 さてNBAのプレイオフも佳境に入って来ました。というか、明らかにこのWCのファイナルが事実上、NBAファイナルですね。クリーブランドでもセルティックスでも、どう考えてもウェストのほうが圧倒的に強い。レブロンだよりのクリーブランドでも、カイリーが怪我のセルティックスでも相手になりませぬ。


 GSは今年もチートみたいなオールスターチームで、怪我明けのカリーもですが、UNGURDABLE、ガード不能、のデュラントはほんと卑怯ですw イカサマですw。ゾーンに入った時にカリーの3ももちろん恐ろしいですけど、コンスタントにDF不能のショットを撃ちまくるデュラント、こっちのほうがまじで脅威。今地球上でデュラントを止められるのはレブロン1人なんじゃないですかね。

 そういうわけでタレントだけでいうと、GSがロケッツを圧倒していますが、唯一ロケッツに勝機があるとすれば、モチベーションですね。GSは連覇できればいいな、という感じですが、ロケッツのハーデンや特にクリス・ポールはタイトルに飢えています、CPは最高のPGとずっと言われていますが、プレイオフで勝ち進んで来たことはほぼない、今年が最大のチャンス。やる気でいうとかなりロケッツに歩がありますね。勝ちにきておる。
 モチベーションVSタレント というこのカード。どうかゲーム7までやって欲しいですね、個人的にはもちろんロケッツが買って欲しい。GS、てめぇの顔はもう見飽きたぜ・・・

2018年5月21日月曜日

1940 駈込み訴え 太宰治

 1940年の作品を並べて扱おうと思ってたのですがこれだけは抜き出して描きます。ワタシはこの作品が太宰の代表作だと思うので。

 内容はユダ、がどうしてイエスを裏切ったのか?というのをユダに、人間としての感情をもたせて描くというものです。

 この作品、ユダが実はイエスのことを一番愛していた、というのと、ユダの憎しみ、というのが交互に、わざと読者を騙すようにとっかえひっかえと表れるのですが、そのどちらもが、真心の篭った真実であるっていうテイストで書かれています。

 でもこの書き方こそが、本当のココロのリアリティだと思うのですよね、殺したいほど憎い、っていうのと、その人が生きてく理由であるっていうくらいの愛情みたいなのは、表裏一体、同じものだったりします。ふとしたきっかけでそれがどちらかに出る、ユダは一番イエスのことを思っていて、イエスが死にたがっていて、その願いを唯一叶えてあげた、優しさ、を持った人間だったともいえるし、ユダが一番イエスのことを妬んでいて、最初の最初からイエスのことが許せないと思っていたのも事実だと思います。


 実際のユダ、とイエスがどうだったかという歴史的事実は良いとして、すべてがヨハネの作り話だということもありえますので。
 でもイエスの神話という物語を考えた時に、イエスとユダは表裏一体、ユダが憎まれることで、イエスが愛されるという、ユダがいないと完成しない構造になっているのですよね。

 ユダは生きることを愛していて、イエスはセカイを憎んでいるとも言えます、生への執着、死の肯定、肉体と精神・・・真逆の2つだけど、両方が両方の存在を支えてるという関係。

 イエス的な人物が出てくる物語はそれほど死ぬほどありますけれど、この小説のユダとイエスがどんな物語の人物像よりも、一番リアリティがあって、しかも宗教的な関係性だと思いますね。

ブログ工事中

 ブログのタイトルなどが今工事中です。
バナーも新しくなりました。

CBRNEy Basement というわけで、レイアウトなども変える予定です。突然知らないブログになったと思った方、安心してください。中身は何も変わってませぬ。

2018年5月19日土曜日

1989  おれたち100%伝説  岡田あーみん

 もちろん85回岡田あーみん回からやってきました。


 少女漫画のギャグ漫画枠ってのが存在していて、もちろん一番有名なのはさくらももこ、少女漫画の中で一番売れてるんじゃないですかね、ギャグ漫画というくくりをなしで。ちびまるはもはやサザエさん、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、と並んで、国民的アニメですからね。



 しかしどうもギャグ漫画というのは作者にかける負担がストーリーマンガよりもでかいみたいで、ギャグ漫画の作者というのは突然死したり、蒸発したり、謎の経歴を持っていたりと、病んでる人間が多いのです。まぁマンガ家というのがそもそも病んでる率が以上に高い業界だとも言えますが・・・。

 
 あーみんもその病んでるタイプの作家として、カルト的な存在で、今は生死も不明、完全に消息を絶っている模様。作品数も少ないのですけど、あーみんファン、という熱烈なファンがいまして、読んでるヒトは、写経でもするようになめるように作品を読んでるみたいです。

 ギャグっていうのは時代、に左右されやすいもので、古いものはどうしても面白くないものになりがちですけど、あーみん作品、面白いです。おぱーりんはめちゃくちゃ笑ってしまいました。


 女子のマンガ読みってのは、オトコよりも絵柄よりも内容を重視する傾向があると思います、あと新しいものに対して抵抗がない。オトコは新人だったり、絵が未熟なものを嫌いますけど、女子は新しいものにすっと飛び込む、だいたい新しいモノ、の最初のファンってのはほぼ女性です。♂は基本保守的なんですよね、♀はフレッシュだったり若さ、に対して永遠の憧れがあるのかも。バキとかベルセルクみたいな濃い~感じのマンガも結構♀読者が多いのですよね。




2018年5月18日金曜日

1995 レベルE 冨樫義博

 冨樫義博はもはや、ある種のアイコンと化していて、ゴッホが生前には一枚の絵も売れなかった、才能ある芸術家とはそういうものなのだ、という売れない芸術家の言い訳の代表となっているように、富樫が休んでるから、オレも休む。富樫の連載が再開するまでオレ、休む。みたいな、怠け者の氏神のようになっております。あるいは未完成のまま発表すると、富樫クオリティだから、という言い訳も使えます。更に巷で中二病、って言われてるものの大部分が富樫マンガを出発点にしてたりもして、中二の神でもある。


 体調不良だとか、ゲームにハマると仕事をしなくなるだとか、都市伝説が錯綜してますけど真実は誰も知りません。


 けどとにかく才能人だってのは誰にとっても、確か。というか現在のマンガ家で一番才能があるとワタシは思います、才能、だけで描いてるという感じ、才能が突出してるっていう印象ですね。

 マンガ家に要求される画力というのが跳ね上がってしまって、その半面、絵はキレイだけど内容0、っていうマンガばっかりになってしまいました。
 それはマンガに限ったことでなく、テレビもアニメもなんでもそう。ぱっと見、で良さそう!っていうのが伝わらないといけなくなりました、堪え性が無くなったとよく言われます。NOW Generation 今すぐ! 手に入ったり、楽しくないといけない。フリが長いものは嫌われますし、わかりにくいものも受け入れられなくなってます。


 ハリウッド映画を見ると如実にその傾向があって、まずオープニングの5分くらいに激しいアクションがあって、わぁ~金かかってる、っていうのを見せつけてあと80分、ダラダラしたベタベタな展開の後、最後にどんでん返しっていう感じ。中だるみばっかりです、でも最初に面白いよ、っていうのを伝えないといけないから、全体でさらにきちんと構成を作って、たくさんフリを効かせてっていうのが出来ないからそうなるんですわね。
 昔ですと映画館に入ってしまえば、せっかくカネを払ってしまったのだし、最後まで見るか、クソ!やっぱりクソ映画じゃねぇか金返せ!っていうふうになっていましたが、今はオンラインで、さらに定額だったりするので、これはどうかな・・はいつまんない、次・・、はいつまんない次・・・ってどんどんスイッチされてしまうのですね。


このレベルEという作品は幽遊白書、HxHと比べて圧倒的に知名度が低いのですけど、これが富樫の最高傑作と言いたがるファンもいます。ようするには宇宙人モノの短編集なんですが、ゆったりペースで書かれていますので、富樫作品の中で一番絵が上手だと思いますw



 富樫マンガっていうのは、マンガしか出来ない構成ってのを持っていると思います。ちゃんと考えて理解してから、読まないといけない。映像ってのは考えネタみたいなのは使えません、どんどん流れていってしまうので、それにしゃべりコトバなので説明が複雑だと全然わからない。あと実際の尺で長台詞をしゃべるのはすごく不自然でもあります。人間ってのはそんなに理路整然と長くはしゃべらないものです。

 マンガはちょっと立ち止まって、えっ?どういうこと?っていうのを読者が納得して、行きつ戻りつして読める、小説は説明は出来るけどアクションを描くことが出来ない。マンガ、というメディアでしか出来ない、物語、の形態、それを最大限活かしてると思うのですよね、だから面白い。


 ワタシは富樫マンガの絵も好きですけどやっぱプロットが他のどこにもなくて面白いっていうのが一番だと思いますね。

 何故か女性ファンが多いのも富樫ファンの特徴ですが、これはなんでしょう、やや耽美的な感じが女性が好きになるのですかね?あとファッションデザインが独特であります。凝った服を着てることが多い。(1コマくらいしか登場しないことが多いけどw)

2018年5月17日木曜日

1814 南総里見八犬伝

 なんといえばいいのか、日本にはあまり見られない超冒険活劇エンターテイメント物語です。このタイプの小説って日本にはずっと無かったので異色な作品。源氏物語は日本という枠組みだけではなくてセカイの文学でも異色中の異色の作品なので、それ以来ですね。ともにめちゃくちゃ長い連載ものですが、源氏が恋愛?もので、これは軍記モノ?軍記テイスト和風ファンタジーです。 
 龍が出てきたり、役行者、なる仙人みたいなのが出てきたりと、超現実的なフィクションでありつつ、だいたいの語りの手法は軍記物のソレです。そして勧善懲悪、因果応報を元にした仏教譚でもあります。



 WIKI情報ですが曲亭馬琴、滝沢馬琴は、日本のはじめての、プロ、の作家のようです、他にもいますが、とにかくプロ作家、の第一世代であることは疑いなし。
紫式部やら清少納言みたいな貴族(の家族)、あるいは高僧、朝廷官吏、みたいなエグゼクティブがどこの国でも文字情報を残すものですが、曲亭馬琴は生まれは武家の奉公人、それを転々として、作家、だけで生計を立てていくようになったとのこと。生計を立てていくというと主観的な話しですが、誰がカネを出してるか?というとわかりやすいですね、大衆、がパトロンになってる初めての作家というわけです。どんなものでも、誰がカネを出してるか?を見てしまうのがオトナの悪いところであり、賢いところでもあります。

 イギリスでいうとディケンズ、的な存在ですね。フランスでいうとユーゴー、デュマ、バルザックってところですか。だから、日本の作家、の始祖的な存在なんですな。こっからどんどん文学業界みたいなのが生まれて来る、こういう職業作家のパイオニア達に共通してるのは、面白い作品だってことですね、エンタメ作品です。文学ってのはエンタメ作品からスタートしていて、純文学みたいなお硬いノリってのはこのパイオニア達のフォロワー、特にトルストイ、ドストエフスキーとかのロシア文学から来てるんだとワタシは思うものなり。純文学が文学のルーツで一番偉いというのは、ほんとは違う。

 もっと範囲を狭めるとワタシは純文学っていうのは、ドストエフスキーの白痴、悪霊、カラマーゾフを踏襲したスタイルだと思います、罪と罰は探偵小説だし、トルストイの戦争と平和は、結構なエンタメ傾向です。特に白痴、ですかね。面白さ、を全然追求してないしロマンスでもない、まったく別の、存在論みたいなのがテーマになっています、悪霊はそれ独自の群集犯罪心理小説みたいなジャンルだし、カラマーゾフは宗教小説みたいな色合いが強い。

 さてこの八犬伝は仏経物語であるので、宿業、因縁、カルマというのが物語の中核になっています、ある行動をすると、それがまわり回って戻ってくる。天命、宿命に従って物語が展開します。

 実はこの作品とワタシにもそのカルマがあって、ワタシが住んでるところは千葉の矢切の渡しにも近いところなので、南総里見八犬伝の舞台にかなり近いというわけ。馴染みのある地名がたくさん出てきます、この時代からその地名なのか・・っていうふうに。もちろんこの作品はフィクションなのですが、歴史フィクションであって、事実を元にしてるところもたくさんあり、空間的な地名とかそういうのはおそらくほぼ事実を元にしてるはずです。だいたいは実際にある地名。

 おそらく八犬伝を読んだことがあるヒトは相当少ないと思うのですが、その影響はかなり身近なところにあります。玉が散らばっていってそれを集めるという物語、そう、ドラゴンボールの元ネタがこの八犬伝ですし、昔あった大神、というゲームも八犬伝が元になってるし、八犬伝を本歌取りしたマンガも現在連載されてるみたいです。こんな200年前の物語が未だに根強い人気を持っているというわけですね。
 

 現代に読むと、やっぱりこの時代のノリってのが今とだいぶ違ってるよなぁと思います。倫理観ってのはほんと時代とともに移り変わる、何が正しいとかもすぐにコロコロと変わっていくものです。曲亭馬琴が江戸時代中期の人間で、江戸時代中期の人間が、戦国時代初期の物語を描くという、その歴史感とかセンスも現代、の人間が戦国を語るセンスとは全然違う。

  殉死は男子の本懐である! と言い切ってますが、これがたぶん現代の感覚といちばんズレてるとこですよね。親よりも自分の命よりも君主を大事にするってのは江戸時代の封建主義の政治的な倫理でしょうけど、死ぬ時は潔く、というのはもっと別の流れを持ってるという気がします。儒教も仏教も、そこまで自殺は素晴らしい!みたいなことを言ってはいません。釈迦も孔子も自害はしてないですし。逆にイエスは自ら処刑を求めに行ってるフシがあるのですけど。

やっぱり戦後、武士道に変わって、支配するのに便利なキリスト教的価値観をGHQにたたきこまれて、出来る限りの生き残る努力をするのが良い、というのが、スタンダードになっています。
 ということは、結局のところ、上から教え込めばなんでも信じるというのが民衆の価値観でもあるってことなんですよね。その時代の価値観、に振り回されるのはイヤですけれど、それを無視すると世間から村八分に合う。これはいつの時代も同じです。
 それと戦争に負けると価値観を奪われる、っていうのも恐ろしい話です。命を奪われるというよりも、実はこれが重大な精神的ダメージとなりますね。何が価値があるか?という基準自体を変えられてしまうと。

 よく考えると戦後日本に与えられた価値観はおかしいって気づきます、命が平等で、全部大切にしなきゃならん。ふむふむ・・・

 それじゃあ戦えなくない?

 封建主義は階級社会であるけども、じゃあそもそもなんで階級が必要なのかというと、差別や既得権益層の利益独占のためっていうことも当然ありますけど、それは後から、悪いやつが社会構造を自己利益のために悪用してるだけで、そもそもは、階級というのは、戦争、するための指令系統です。きちんとヒエラルキーが無ければ戦えない、全員平等で意見の交換などしてたら絶対に作戦はまとまらないし、結論が出るまでにやられてしまう。本文中で何度も書かれますけども「兵は拙速を尊ぶ」

 拙速、というのは、多少雑でもとにかく速い、というコトバです。

昔の人間とて、アホでは無いのだから階級の無い平等な社会が望ましいのは理解してました、けれど、それでは戦えない、滅んでしまうよって、やむを得ないが身分制を導入したわけです。だから封建主義というのは古臭くて間違ってるっていう認識は誤ってると思います。必要があって生まれてるわけですね。


プロットも現代の感覚からするとすごく斬新極まりないです、なんじゃその展開!?ってのがかなり多い。なんだ助かるんだ・・やっぱ死ぬんかい!!ってのが相当多いw 現代の物語感覚では助かるところをことごとく死にます、これがやっぱ時代ですね。死ぬ時は死ぬ。特に若くて美人の女はすぐに死ぬ。
 若くて美人の女は助かる、っていうのがたぶん現代の物語の90%以上を占めてると思うので、これがすごい斬新に感じる。テレビでも映画でもマンガでもなんでも若くて善良な美女が死ぬってのを最近見ましたか?

 それと似た人間を身代わりにして助かるというトリックが何度も使われてます、とても似ていたので・・・。っていう。現代感覚でいうとやっぱりこれも、まじかよ?って思うけど、この時代的にはそれはアリなのかもしれません。今みたいにググったり写真で見たり出来ないので、そいつの顔、ってのが流通してないというわけですよね。背格好が多少似てるだけですぐに騙せる。だから首を斬ってそれを証拠品として運んでいくわけです、写真の変わりに、残酷なんじゃなくて、ソレ以外確かな証拠、というものが無いんですよね。じゃなきゃあんな重くてかさばる、しかもすぐに腐るものをわざわざ持っていかない。

 携帯電話、の登場がミステリーをほとんど不可能にしました、いや電話しろ、で、すべてのトリックが暴かれてしまう。たいてい殺人が起きる舞台は都合良く電波が入らなくなる・・・。写真もそうで、写真が無い時代だからこそ使えるトリックですよね、あと写実的にデッサンを描くという技術も無いというわけです・・・。
 それもやはり大きい問題でして、この小説、八犬士が揃うまでめちゃくちゃ時間がかかりますが、やはり携帯が無いからなんですね、いったんはぐれるともう一度出会うまで普通に3年とかかかりますし、いつか会えるだろうと日本中を歩くことになる。そんなことで会えるわけ無いじゃん、っていうくらいw 適当に諸国を歩きます(まぁ会えるんですけどねもちろん小説ですから)
 会えない、という理由が、時間と空間的広がりをもたせることにもなるわけで、昨今の物語、には時間と空間がほとんど無かったりします。


 それとすべてカルマ、が問題になっているので、敵、が悪いやつしかいません。ともに優れた好敵手!いざ決戦!というのはほぼ無い、敵は全部品行も悪ければ行動も悪い、武力はあっても脳筋で、犬士たちにとって、好敵手、みたいなのは一切登場せず(いてもなんだかんだいって殺さない)ネチネチと汚い手を使う悪い奴らしかいません。そういう悪い奴らが、カルマ、によって死ぬ、という物語だからなんですね。毒婦、悪女、も非常に多い。


 しかし何よりそのヴォリュームの多さが読み下すのはしんどいです、まぁもともと連載的に30年近く続いたシリーズ物を一気に読んでるのでさもありなん。途中ちゃんとこれまでのあらすじ、みたいなのを説明ゼリフでしゃべるのもそういうわけです、読者も途中でなんのことだったっけ?誰だっけ?ってなるのを作者も想定済み。
 それでもやっぱりそれよりも速く人物を忘れてしまう、この昔風の名前が全然入ってこない。ガイドブック的なものがめちゃ出てるのでそれを片手に読むべしですね。
 


 新潮社版の原文そのママ、もありますがこれはまぁ誰が読めるねん、っていうものです。岩波版もそう。実質現代語訳の全訳は言海書房 丸屋おけ八訳しか出ていません。あとはだいたいダイジェスト版とかです。丸屋おけ八??・・ペンネームだよな・・・冗談みたいな名前だが・・・


2018年5月14日月曜日

二足歩行ロボットの現在  ATLAS Boston Dynamics

https://www.bostondynamics.com/atlas


 みなさん今二足歩行ロボットってどれくらい歩けるかってご存知ですか?ワタシは一時代昔のアシモみたいなのが歩いているというよりはすり足をしてるので進歩が止まっていたので、たまたまこのボストン・ダイナミクスのアトラスというロボットを見て度肝抜かれました、こんなにばびったのは久々かもしれません。

 なんと普通に歩くだけじゃなくて、自分でバランス制御して歩ける上に、なんとジャンプ!バク転!!?荷物を運んだりも出来ます、なんだこれ!すごすぎだろ!こんなのあんじゃん!なんでもっとめちゃくちゃすごい!っていうふうに伝わってこなかったのでしょうか? 

 こりゃロボット部隊、が戦争に登場するまであと10年もかかりませんね。マシンガンを放つなんて荷物を持ち上げるとかよりも簡単そうだし

 真ん中に照準を合わせて撃つ・・・

 みたいなことは人間よりも得意でしょうから。こりゃ中東戦争終わるぜ・・・・。ロシアはワールドカップなんてやってる場合じゃないのでは。

いやまじですごいですね、肉体労働が消えるまでカウントダウン始まってます、15年もかからないのでは・・・。まぁ値段的問題もあって、30年後ですか・・・

ボストン・ダイナミクスはこのアトラス以外にも犬みたいな四足歩行ロボットなども作っていて、その出来もヤバイです。

  一体誰がカネを出してるのだ!?と思ってググってみると、なんと元はMIT、NASA、そしてGoogle、と渡り歩いて、今はソフトバンクが買収したんですって。孫正義め!目の付け所がいいなちきしょうめ。

2018年5月9日水曜日

仕事の流儀 内村航平

http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=monako5&prgid=56037617&page=2&categid=all&orderby=prg_index


 何度もこのブログではとりあげてますけどワタシは内村航平のファンなんですね、素直にファンだっていえるのは、現在バンプの藤原氏と内村航平の二人だけです。あっ、このヒトたちにはどう頑張っても勝てないって思うし、そういう人間がいてくれてありがたいと思いますね。自分よりも頑張ってる人間がいないと、ワタシみたいな怠け者はモチベーションが維持できません。

 ルックス的にもかぶっているという気がする、キツネっぽい顔立ち。これがワタシは好きなんですなぁ。そして性格はスーパーストイック、なんだかんだいってそういう人間に憧れますね。結局、のとこ、ストイックに一途に頑張ることよりもかっこいいことなんてないんですよなぁ・・・、好きなタイプとかいいますけど、それしか無いじゃんって思う。



 番組冒頭、いきなり名言を放ちます

「格好悪くて単調な基礎練習はやっていて面白くない、けど面白くないところに面白みをみつけないと、可能性は広がらない」


 なーーーーんて良いことを言うんざんしょw ズドーンと胸に刺さりました。やっぱ戦ってる人間のコトバだなっていう気がする、やってる人間のコトバ、やってない人間には言えませんこんなこと。

 
 最近の試合では連覇も途絶えて結果的にはふるってませんが、どうせ東京オリンピックでは、やっぱな、最後には決めるよな、ってのを見せられるんでしょうね、そういうとこがまぁ常人とは違うところですね。

 というか結果的に負けてもいいんです、でもどうせなんか格好良く終わるというかドラマがあるんだろうな、という感じ、こういう選ばれた人間には、そういうのが降ってくるものなんですよね。まるですべてお膳立てじゃん、っていうくらい、マンガみたいなオチがあるものなんですよね。

1993  頭頭   ダウンタウン松本人志の流

https://www.youtube.com/watch?v=R1hx9sjWmqI


 この頭頭(トウズ)、ずっと見たい見たいと思ってたのをついに見てしまいました。

 いやぁこんな作品だったんですね。こりゃ流通してないわけだw

 松本人志気が狂ってるシリーズですね、たぶんこれはその気が狂ってるシリーズの一番最初だと思います。たまにこのイカれてるシリーズがあって、普通のファンは、なんじゃこれ!!ってなるヤツです。「大日本人」、も酷評されまくってましたが、やっぱりこのシリーズなんです、なんか気持ちわりぃっていうやつ。

 松本人志が本気を出しすぎるとこれが出てきて、これが一般向けにもわかるように高須ちゃんがアレンジをするとごっつのコントになるというわけです。ワタシは高須ちゃんの一般人力、ってのがすごい大きいなぁと思うのですよね、一般人、がわかる範囲に抑えるというか、デチューンする。高須ちゃんがいなかったらダウンタウンはマニア向け、というので終わっていたと思うのです。

 
 実はでもDTの漫才もそうですが、ほとんどキワドイところを笑いにするというのが、松本人志の流、なんですよね。難民のネタ、癌のネタ、テレビのキャスターのロケのネタ、誘拐のネタ、全部グレーゾーン、かなり黒に近いグレーを笑いにしてる、クイズのネタにしたって、クイズ番組が面白くない、というのをネタにしてるわけです。
 このトウズも、相当キワドイ、へんな小人の頭髪を食う、という、いやみんな美味しいとか言ってるけど、それ殺してるからね、っていうキワドイところをクローズアップしてるわけです。やれグルメだとか、料理だとか言ってるけど、鶏をぶった切ったり、ブタをさばいて殺してるのをよくそんなニコニコしながら食べてるね。見方を変えるとすごいグロい行為が、習慣化されることによって、普通になってしまう、っていうことです。


 昔の日本では、倒した相手の武将の首を肴にして酒を飲んでいました。罪人の首をさらしたり、これは西洋でもやっぱりそうで、処刑を見に来てるヒトビトは可哀想だからっていうのよりも、面白いから見に来てるのです、コロシアムだってそう、人間が殺されるのを見たいから観客は集まっているわけです。現代の感覚でいうと、殺人というエンターテイメントは頭がおかしい、ということになっていますが、時代が変わっても、人間の本姓は変わるわけがない。殺し合いが最高のエンターテイメントだという、事実、は法律でそれを制限しても変えることが出来ないものです。

 
 たぶんこっから、松本人志は「わからない」、という評価が生まれたのですね、面白くないとかじゃなく「意味がわからない」という、尖ってる、尖ってないみたいなこといいますが、これが尖ってるという状態ですw 尖り過ぎだろw あえて面白くない、ものを作ってるのです、そして観客にも「面白くない」ということ、を面白がれっていう作品なんです。お笑いというかシュールレアの映画みたいですね。





1991 ダウンタウンの流

https://www.youtube.com/watch?v=91YSVnIx704

 ダウンタウンのほぼファーストに近いオリジナルVHS、今でこそお笑い芸人がDVDを売るのは普通ですけど、当時、お笑い芸人が、オリジナルで作品を出すってのはまぁ珍しいことだったんじゃないでしょうか。

 内容はダウンタウンの漫才と、ヒーローコント「犬マン」が入っています。特に漫才はテレビ尺じゃない、10分、15分尺のフルバージョン3本が入っております。


 この後、ごっつ、ガキ、とDVDを出しまくるわけですが、いやぁ、ほんとダウンタウンと一緒に歩いてきた20年だったよなぁって思いますよね。自分の生きてる時代にダウンタウンがいてほんとに運が良かった。ワタシ個人だけじゃなくて、お笑いっていう文化というかレベルはダウンタウンがいなかったら、たぶん半分以下だったと思います。世界が今の半分くらいしか面白いものが無かったと思う。



 特に漫才はハッキリ言うとワタシはこの25年くらい全然進歩してないって気がする、進歩してないっていうか、もう答えが出てるっていう気がするのです、このビデオには入ってませんが「あ」研究家、の漫才も入れると、漫才で出来ることは、もうこの時期にDTが完成させてしまっていて、別にもう付け加えることないっていう気がします。他の、笑いはまだまだいくらでもあるんだし、なんでいつまでも漫才にこだわってるのやらって気がしますね。第九、が完成してしまったのにもう交響曲なんて作る理由がないじゃないですか、いやもうそれ答え出ちゃってるからっていうことで。
 まだ浮世絵描いてるっていうか、なんか時代錯誤って感じなのですよね、でもコンテストみたいなのは未だにほぼ漫才が中心。これはワタシだけの感覚なのか、今までの漫才、みたいなのを見たこと無い女子高生とかが、お笑い、におカネを出してるお客さんだから、そこ、が面白いと思ってりゃ商売として成立するからいいのかもしれないですね。別に新しくもなんにもない、完全なパクリであっても、誰かがそれにおカネを出してるなら、カネを出さない部外者には口を挟む権利など無いというわけですな。
 ティーンエイジインダストリーっていうのですよねこういうのを、ぶっちゃけまったく同じものの再放送でも良い、新しく生まれたコドモは、それが古いものだって知らないし、新しく買ってくれるわけですから。


 女、がお笑いを見る感覚ってのは、ちょっと特殊なんだということも思います。♂が好きなアイドルなり芸能人がいて、そいつがむちゃくちゃ面白いってことは、まぁありません、恋愛的にも好きだし、面白さでも好きだってことは、そんな面白いアイドルなんていないし、話が面白い美少女なんてものをワタシは今まで見たことがない。

 女は恋愛的、異性的な好き、とお笑い的好き、が混ざっているのですよね、それってすごい幸福なことだとも言えます、このヒト男としてめっちゃ好きだし、話もクソ面白いってなったら、すごいお得じゃないですか。あえてあてはめるなら、めちゃカワイイ女な上に、さらにお金持ちで全部おごってくれるっていう感じ、こんなお得なスケはないぜってことですね。そんなのマンガでしかあり得ないですもの。




 


 

2018年5月4日金曜日

高畑勲 死亡 人文主義の衰退

 かなり遅くなりましたが、高畑勲が死んだということで。よく逝去しただの、おなくなりになっただの、婉曲表現をシますが、わたしは死、という漢字が好きですね。どことなくサンスクリット語みたいな形をしてるし、漢字の中に夕日が埋め込まれてるのも詩的で良いじゃないですか。婉曲表現が嫌いってのもあります、結局ストレートなのが一番スマートだし伝わる。人身事故ってなんやねん!っていっつも思う、本当に事故なのか身投げなのか、ハッキリしろよ。


ハナシを戻しますが高畑勲って実は映画監督としての才能が無かったのですよね、正直作品はまったく面白くない、とワタシは思う。

けど恐るべき理論家というか理想家というのか、思想的に他に並ばないくらいの映画マニアというか知識人でした、宮崎駿の師匠筋でもあります。宮崎駿に知恵を授けたのは間違いなくこのヒト。ラピュタ以降の駿作品は理屈っぽくてつまらん、ってヒトもいますけども、けどいつまでもラピュタとかカリオストロみたいな軽いアクション映画ばっか作ってても進歩がないって言われるもんです。
 なにせこぉいういわゆる、インテリ、全然おもしろくない本をしこたま脳内に溜め込んでいるヒト、ってのは本当最後の世代なんじゃないですか?ドゥルーズがね・・、みたいなことを言う人間。ファウストじゃないですが万巻の書を読み・・っていうタイプ。

 構造主義的な観点からするとね・・・みたいなしゃべり方。それはポストモダンだね、みたいな。いなくなったなぁ・・・

 知識人ってのがもう絶滅寸前ですものね。知識とか教養とかクソどーでもいいから今すぐカネになる方法を教えてくれや!っていう時代。


今大学からは人文主義系の学問、というか教養学問、というのが無くなるという流れがあります。何故というにカネにならないからであります。もっと直でカネに結びつくものだけを学ばせなくては。


 だから数学、理論科学、工学、情報処理学、要するには工科大学、を大学、と呼ぶことにしようってことですね。総合大学は消えて、専門学校、職業訓練学校、工科大学、だけになるというわけ。


 これはでもワタシは賛成なんです。うそぉん、教養がやっぱ大事って言う流れなんじゃないのー??っていうかもしれませんが


 教養が得たいなら自分で学べばいいやん、大学という半公的機関でそれを学ぶ必要無いのです。
 ワタシが大学に行ってた経験からするとすでにそうだったからです。みんな就活のステップとして大学に行ってるだけで勉強しようなんてのは教授になろう、教育機関に就職しようという2%の人間だけです。大学1~2年はサークルなどでセックスと恋愛ゲームを楽しみ、3~4年は就活(あるいは資格試験、就職試験対策)で終わる。これが大学の実際です。なにかを学ぶ時間など無い。ゼミとかも就職に結びつくものをみんな選ぶし、実際に就活で時間がないのでなにかを学ぶなど不可能。卒論はなるべく適当に仕上げる。
 
 それは学生の問題じゃなくて社会の構造上そうです。学生なんだからきちんと勉強しろなんて言うけども、じゃあオマエ卒業したあとの生活費を出してくれるのか?奨学金を返してくれるのか?ってハナシ。勉強なんてしたいと思ったとしても、そんな時間はない。
 大学に行ったことが無いひとは、大学生はクズのアホばっかりだから、セックスに夢中で勉強しないと思ってると思うのですが、まぁそれもありますけど、経済的理由により不可能というほうが過半数だと思います。
 大学の学費、生活費を払うためにバイトなどしてるとさらに時間がない、奨学金返済の為に就職で絶対に失敗出来ない。要するに吉原に売られてるのと同じで、将来いい会社に就職して返すという約束で先におカネをもらっているので、選択肢がないのです。
 
 
 受験戦争が終わってすぐの1年にまた一日12時間の勉強を続けろってのも酷な話です、少しくらい休ませろ。ようやくそろそろなにか学ぼうかという2年になると、もう資格試験だの、採用試験、就活のための説明会、インターンなどが動き出してるというわけ。
 親がしこたま金持ってて、コネで就職も決まってて、外車を乗り回してヤリサーでやりまくるだけが人生のすべてなんていうのは、いるにはいるけどやっぱりほんの一握りです。


 っていうか大学っていらないんじゃないの?ってワタシは思う、時間とカネをムダにしてるだけです。企業が職業訓練をしてくれよってことを思うわけです、なんで労働者が自分で借金して職業訓練を受けなきゃいけないのだ?

 現在日本は人手不足、あらゆる業界で外国人労働者を受け入れています、これはヨーローッパでもアメリカでも先進国はみんなそう。労働者が、教育費は企業が出せ!っていう主張を通せる時代なんだと思いますけれど。


 なんでこんなプロレタリア話になったかというに高畑勲と宮崎駿は東映動画の労働組合で出会った二人なのですね、ホルスなどにはそれが色濃く出てたりします。
 こういう左派的運動っていうのも完璧に絶滅しましたね。


 人文主義の衰退っていうか、理想主義、理想、の衰退なのかもしれません。理想、を語ってる人間をまったくみないものなぁ・・・。

 
  

2005 龍が如く

  ワタシがプレイしたのはPS3の1&2HDです。

 これも 今!?

 ってものですが、ワタシこのシリーズ一切プレイしてこなかったので、さすがにそろりそろりと手を出してみました。今となってはナンバリングで6、更にサブストーリー、リメイクなど10作品以上出てますね。

 
 一応アクションロープレなんですけど、任侠映画的なノリ、ってのが一番フィーチャーされていて、ゲームとしてはものすごい簡単というか、あっさりしてます。FFとは方向性が違うけど、映画的な作りってのがメインのゲーム。
 たまたまワタシは同時進行でデモンズソウルもプレイしていたので、なんじゃこの簡単さは!ってその落差にたまげてしまいますね。基本回復アイテムとか買い放題なのでむちゃくちゃアクション下手でも無い限り苦戦することはありません。

 サブストーリーもかなり攻略して20時間くらいでクリア出来たので、メインストーリーだけなら15時間くらいで終わります。


 ストーリーもベタベタなヤクザ映画のそれで、いやもっと用心しろ!って感じでどんどん仲間が死んでいったりしますが、まぁそれはお約束ってわけですね。ワタシはヤクザ映画・・そうはいっても見てるのかも、仁義から北野武まで、侍映画を現代に置き換えたのがヤクザ映画なので、それを含めると黒澤映画からかなり見てますね、ベタを抑えたってことで、まぁまぁの出来かと思います。



 妙なところに妙なこだわりがあって、街で通行人にぶつかると、おっと、ぶつかるなよっていうモーションをします、なんだこの芸の細かさw これは今までにない発想ですね。あとキャバクラとかでも遊べるなど、このゲーム独特のノリがあります。一応アクションはどんどん修行で増えていくのですが、別にそんなことしなくても全然楽勝です、スウェーして殴る、これだけ。相手に先に攻撃させるのがポイントです、それでサイドから殴ればどんなボスでも倒せる。っていうか撃たれまくっても大丈夫、回復アイテムをしこたま買いまくれ!ってだけですね。あと防弾チョッキはあるとないではかなり違う。
 拳銃はこっちが持ってもあんまし強くないです、狙いがつけられないのでスナイピングとかが出来ませんし。桐生さんは撃たれても死なないアレなヒトなんで、ドロップキックをかましてやるのだ。CEROのD、R17になってますが特にエロいシーンは無い。まぁストリップだのソープだの舞台はそういうところばっかりなのですが。あとヤクザ映画といえば、のシャブを扱ったシーンは一つもない。殺しはいいけどシャブはダメっていうのがソニー検閲なのかも。
 まぁ2005年の作品なんでHDといってもモデリングはかなり荒いです。これは時代ですね。


 ユーザーのターゲットがおっさん層、あんましファンタジーロープレをやらない層に作られているんですね、難易度が低いのもそういうわけ。
 ゲームの主人公が中年のおっさんというのもひじょーに珍しい。だいたい主人公は15~20っていうのがロリ大好きのJRPGのお約束ですんで、異色。でもこれはいいことだと思います、さすがにもうJKが主人公のゲームは飽和状態だって気がする。オトナ、を描くってのはまだまだ正解が出てないというか、いくらでもやりようがあると思うのですよね。オトナ、を魅力的に描く、っていうことのベタがまだ出来てない、難しいんです、どうやっても、なんか悩みを抱えてたり、っていうふうになってしまう。不幸にするのはめちゃくちゃ簡単で、希望をもたせるのは至難。さらにゲームとして、物語として面白くするのは、未開です。ヤクザってのはその中では僅かなベタの一つ、かっこいいオトナってのを描きやすい、あと格闘技とか・・・、けどそれがリアリティがあるかってのはまぁ微妙。お約束、に流されてしまいがちなものです。


 なんだかんだいって意欲作であり、ゲームの別の方向性を探っていくっていう挑戦があって、名作だと思います、ヤクザ映画が好きなヒトはプレイしてみては。