2018年11月21日水曜日

1996 餓狼伝 板垣恵介版

もとは夢枕獏の小説を刃牙で有名な板垣恵介がマンガ化したものですが、不定期連載で、しかも雑誌そのものが消えたりして、現在のところ完全に打ち切り状態、という最近のマンガではちょっとめずらしい、突然打ち切りタイプのマンガです。しかも原作ものなのに。
 
 軍鶏、っていうマンガも同じようなことで、途中からなんか内部で揉めたらしくいきなり休載やら、内容が様変わりしたりというめちゃな展開になってしまいました。

 同じようなものではポケスペがありますね。ポケットモンスタースペシャル、というマンガなのですが、第7巻からなんと作者が交代、まったく別の漫画になりました。その7巻までがなんかめちゃ面白かったのでこれはショッキングでした。

 昔はでもそういうことってよくあって、柔道一直線も確かそうで、途中で作画が交代、うぇえ??なにこれ!?っていう突然の変化に泡食ったものです。

 ジャンプは人気がなくなって後ろのほうに下がってくると突然打ち切り、ってのがよくあるあるですが、青年誌はもっとややこしい終わり方をしますね。商業は大変だってことです。
 でもジャンプで後ろのほうのマンガなのに人気になったものもあります、ワタシがジャンプ読んでたころはジョジョは後ろのほうなのになんで終わらねーんだろう?と思ってました。まぁでも小学生にジョジョが人気出るわけねーんですよね。あれは雑誌を間違ってたと思います。

 
 話しを戻すと、もとは小説なんですが、格闘技を小説でどう描くねん??って思いますね。別にワタシは決めたわけでもないのですが、戦後の小説ってあんまし読む気がしないんです、なんか気持ち悪い感じがする・・。大江健三郎とか三島とかちょこちょこ戦後のやつも読んだけど、なんか戦後の小説って・・・なんでしょうね?理由はわかりません。ただハリポタとか指輪物語とかアースシーとか、ファンタジーとか推理小説、SFはちょこちょこ読んでいるかも、ただいわゆる文学、って、戦後なのに、文学?は?って感じがしてどうも駄目なのですな。

 このマンガもかなり脚色されてるとはいえ、一応原作に沿っているようなので、一体どうやって小説を書いてるのかちょっと不思議です。


 内容はいうなれば、もっとリアル寄りの刃牙ですね。刃牙はもう完全に荒唐無稽、超能力の領域になってますので、餓狼伝のほうが、それでも一応は物理的にちゃんと可能、な世界の格闘技という話しなのでこっちのほうが良いっていうヒトもいるかもしれません。逆にあの、刃牙、独特の意味不明さが良いっていうヒトもいるでしょう。
 ワタシはなんか毒手だの意味不明なことになって刃牙から離れた口なので、餓狼伝のほうが好きかも。

 突然打ち切り、という形にはなっているとはいえ、トーナメント編が終わって一応一息ついたところで終わってるので、確かにいろんな伏線が投げっぱなしになってるけれどまぁいい漫画なのじゃないかと思います。トーナメント編の途中で終わったらまじでこのクソマンガが!ってキレるところですけどもw

 なんだかんだいってワタシは格闘漫画が好きですね。フェルディナン・セリーヌが言ってましたが

「コロシアムを再建せよ、大衆はそれだけで満足する」

 これは本当にそうだと思います。コロシアムで本当の殺し合いがやってたら、いやーまじで殺したら駄目でしょー!グロいよーとかいいつつ絶対に見に行く。結局あらゆるスポーツはコロシアムの劣化コピーでしかないと思うのです、ガチの真剣勝負やってたらそれに勝てるエンタメなんてない。エロ、ですらそれに勝てないと思う。