2019年1月29日火曜日

1922 秘密機関  アガサ・クリスティー

 アガサ・クリスティーの二作目。

 二作目、でその作家の真価が問われるといいますけれど、この作品・・・、どうですかね??

 正直、構成が甘いです。探偵小説ではないんですよね、こういうのをなんていうのか、クライムアクション、クライムサスペンス、とかなんちゃらかんちゃら。要するに一番ベタなヤツです。


 ベストセラーだなんだかんだ、だいたいの物語がこのクライムサスペンス、ってものだと思います。この本がすごい、とかなんとか宣伝してるやつはたいていこれ。ダン・ブラウンだの、シドニィ・シェルダンだの、とにかくつまりはこの手の小説だったりする。深刻で深淵な純文学がベストセラーになるはずがない。

 なんか悪い組織、犯罪者などがいて、それに挑むヤツがいて、必ず美女が登場し、最後には結局事件も解決して、恋愛も成就するという、死ぬほど繰り返されてきたやつ。


 構成が甘い、と書きましたが、そうではなくて、これが、原型、なんだっていうこともできます。若い男女のペアで、結局なんちゃらかんちゃらで恋愛関係になり・・・っていう。そのオリジナルがこれなのかもしれません。これをベースにどんどん改良が加えられていったのだからオリジナルが野暮ったく見えて当然、ということ。およそ100年前の作品ですからね。この作中の人間は第二次大戦について何も知らない、ってことがすごい新鮮に映ります、あと15年ほどでどえらいことになるぜっていう。
 陰謀やら革命やら、今では全然現実感の無いそれ、が切実でリアルな時代だったというわけです。


 気になるのは女性の作家ってやっぱり、美人な女性は中身も優れている、という信念を曲げないですよね、良い人間は必ず美人、もちろん美人の悪役もいるけれど、良い人間は必ず、美しくないといけない。
 実際、は全然そんなことないです、優れた人間が美女である可能性はほぼ0だと言っていいと思う。ただ女性作家はそうでないと許せないらしい。
 あとだいたい「見た目はとびきりの美人というわけではないが、目(とか顔の感じ)に愛嬌があってヒトを惹きつける」、という女性が、最終的にはとても美人でみんなから愛される人間、に変わっています。もちろん男にも愛される。
 その、見た目はとびきり美人ではないが・・・、って言い訳してる女性のモデルはもちろん自分なわけで、結局、女ってのはすげーバカなんだなぁ・・ってワタシは思う。
 
 
 男で、ガチで自分の見た目なんて本当にどうでもよい、っていうヒトはまぁまぁいると思います。でも女ってやつは、絶対に、自分の見た目、を諦めることが無いのですね。諦めるっていうか、そんなのどうでよいじゃんか、って思うことができないんだと思う。そこが女性作家の弱点なのです・・・


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 激動の昭和、というのが昭和、の枕詞ですが平成、はなんの平成?と言われるのでしょうか。大正は大正デモクラシー 明治は文明開化の明治、とペアになる言葉が決まってます。なんの平成?
 やっぱ絶望の平成、無関心の平成、諦念の平成、虚無の平成。
っていう感じかなぁってワタシは思う。なんにせよネガティブな言葉しか浮かんでこない。ネガティブっていうよりも、0、っていう雰囲気。悲しい!っていうよりも、どうでもいいっていう感覚。


 激動、のあとに来るものは、でも絶望、だとあまりにも直接的すぎるし、諦念、は語感が良くない、やっぱ虚無か無関心、かなぁ・・・。それが平成なんてどうでもいい、かな。


 

2019年1月25日金曜日

1982 AKIRA アキラ 大友克洋

 説明不要に有名なマンガ。ワタシもずっと手に持っていたのですが、どういうわけか読むのを忘れていた。すっごい前から手にしていたのに、なぜか読むのを忘れていたのです。そういうことってあるよね? 

 作画、構図、コマ割り。マンガの基本テクニックはある種完成形だと言えると思います、一流のマンガ。マンガの技法、みたいなのってのは出し尽くされたっていう感じですね。ほんと教科書に載せたいマンガじゃないでしょうか。
 

 キャラデザは・・・、カワイクない。

メカデザは、好きな人は大好き。けどワタシ自身はあんまメカメカしたのは好きでない。
 インダストリアルっていうのか、工業的な場所とかシーンばっかりで、そういうのが好きな人はほんと好きでだろうなぁっていう感じ。
 
 大友克洋ってこういう細かいコンクリートとか小さい部品とかがグシャアっ!ってなるのが好きですよね、自然の猫写なんてほとんど皆無だったような。とにかくとんでもなく作画が面倒臭い。今みたいに変形コピーとかもできなかったろうに。
 軋む丸ペン、悲鳴をあげるアシスタント!って本文の煽り文句にもありますが、とにかくアシスタントの負担が高い作画スタイルです。

 ただ問題はやっぱり内容、物語のプロットだと思うのですが、これはやっぱワタシはどうかと思うというか、つまりは超能力モノなんですが、超能力、幽霊、タイムマシン。これらはすべて禁じ手なんですなぁ。物語の構造としては。
 
じゃあなんでもありじゃん

っていうことにすぐなってしまう。超能力で建物を動かして相手を押しつぶそうとしたりするんですが、いやそんな面倒なことしないで、相手の脳幹をちょっとゴリってするだけで死ぬんじゃないの?心臓を潰せばいいのに、なんでモノを当てようとするの?銃とかだってバネを外せば撃てなくなる。車だって電子制御をいじればすぐに逃げれなくなるのに。
 消えたり瞬間移動できるなら、あそこに行けば一発で勝てるじゃん。みたいにプロットがすぐに崩壊してしまいます。それを防ぐためにとってつけたような制限をかけるわけです、イキモノには使えない、とかすぐに肉体が限界を迎える、制限時間があるなどなど。そういうのってすごい冷める。
 あとアクションあるあるですが、なぜかメインキャラには弾丸が当たらない。外す理由が見当たらないのに当たりません。銃ってそんな外すようにできてませんぜ今どき。近距離でアサルトライフルが一発の当たらないなんて絶対ないし。ライフルの弾って想像してるよりもでかいし威力がすさまじい。かすり傷だ、なんてなりません、吹っ飛びます。


 後半にかけてさらにどんどんわけがわからなくなっていき、最後はお約束の子供の頃の記憶、スピリチュアルな展開、いや実は全員いいヤツだったのだ、みたいな、ほぇーーー!?っていう展開でむちゃくちゃです。崩壊しておる・・。


 しかしながらとにかく作画のゴリゴリ感はすごい、それだけじゃなくて作画のセンス、もあります。ただ単に時間かけました、だけでなくて、センスがある。漫画家、特に作画をやるヒトには必読書ですね。


 このマンガ2020年の東京オリンピック、というのを舞台にしているわけで、まさかのその予測が完全に一致してしまいました。さて現実の東京オリンピックでも、サイコキネシスでNEO東京が吹っ飛ぶってことになるのかな?
 東京オリンピックの演出でAKIRAを題材にして東京が吹っ飛ぶという設定を使ったらすごいオシャレですのにね。まぁ頭の硬いバカどもにはそんな発想はできんだろうなぁ。

2019年1月24日木曜日

Australian Open  // SUPER BOWL

 全豪とNFLが佳境となっておりますね。

 全豪はいつものラファ対JOKER。 天使対死神、といういかにもなマッチアップ。これはまたもや名勝負の予感。
 今大会ラファのコンディションがめっちゃ良いですね。ストローク重視からかなりアグレッシブにネットプレーをするスタイルとなっています。一方JOKERは相変わらずなんの危なげもない。さらにSFで錦織が怪我でリタイアしたので休養十分、体力が有り余ってる状態で決勝に望めます。これは熱い試合になりそうです!!



 一方NFLはこれもいつものペイトリオッツ、もういいよ!! 相手はセインツ、これは非常に珍しい。QBは両方共ゴリゴリのおっさん、チーフスを応援してましたが、やっぱマホームズ大舞台での経験の無さが出ましたね。持ちすぎだって!時間かけすぎ!ルーキーの頃のウェストブルックを見てるようでしたね。持ちすぎ!!
 というかあのブレイディのショートパスを止められないともうダメです。あれが通ってしまうとほぼ90%タッチダウンなんですもん。見飽きたよあのショートパスは。そしてグロンコウスキーでTD、見飽きた見飽きたぁ!何年同じもの見せられてんねん!

 スーパーボウルもまたペイトリオッツだなぁという感じですね、セインツが勝つイメージがあんまり浮かばない。

2019年1月21日月曜日

1998 モリー先生との火曜日 Tuesdays with Morrie

 わりかし有名な本。

 ALS、というどんどん筋肉が動かなくなっていく病気になった社会学の大学教授が、かつての教え子に死を迎えつつした会話を挿入話と一緒にまとめたもの。


 という説明だけで、これは。あ~、どうせ感動するやつね。どうせ良いことめっちゃ言うやつね。どうせ泣けるやつな、と思った方。

 そうです!

このモリー先生、なる人物は嫌な言い方をすると左翼の教養主義者でユダヤ教徒、カネがすべてではない、愛がすべてだ。ということを教えてくれます。
 
 ハイハイキレイゴトキレイゴト、ご苦労なこってす。そう思う人もいるし、感動した!っていう人もいるでしょう。

 ワタシはこの手の、はい感動ー。っていうのは読まないヒトでした。病気モノの映画とか物語は見ないし読まない、あと家族愛ものですね。最初っからよりつかない。

 でしたが、なにかのきっかけで読むことになることがある。偶然にこの本を読んでるうちに、家の飼い犬が死にました。
 あぁそういうことか・・っていう感じ。ワタシは本には呼ばれる、っていっつも思っていて、今回は死、について、ということでこの本に呼ばれたわけですね。


 しかしこのじわじわ死んでいく、ってのは本当に気が滅入る。この本の中にも、癌やらなんやら、別の病気でじわじわと死んでいくのが見てられない、みたいな猫写がたくさんある。
 特に人間は困ります。安楽死制度みたいなのを無い場合が多いし。

 死、ってものについて語りだすとキリがないし、どうしようもない。ただ最近やたら死、ってものにめぐりあうことが増えてきたような気がします。

2019年1月19日土曜日

2016 the red turtle レッドタートル ある島の物語

 ジブリの作品でフランス?とかとの共同制作。


 ひどいものです。


 ひっさびさに、あぁ~~!!時間を無駄にしたぁ!!って清々しいほど無駄な時間を過ごしたと思える映画です。こんなのほんとひさびさかも。まず映画をほとんど見なくなっているのですが。いやぁ~~~、ひどい!

 スタジオジブリはすごい言いますけども、やっぱりワンマンチームなんですねぇ。ジブリに入ろうなんてのはアニメーターの中でも相当なエリートのはずなのに、一人も監督としての器じゃない。まぁむしろ、だからこそ、監督としての器じゃないのかもしれません。
 
 誰かを尊敬してたり、その人の部下になろうっていうやつには、独自性とかそういうもの、監督として一番大事な物が欠落してるんでしょうね。黒澤明の弟子、みたいなのも一人も監督として活躍したヤツはいませんものね。

2019年1月16日水曜日

2016 Fantastic Beasts and Where to Find Them ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

 ハリポタのスピンオフ映画です。

原作も読んでいないのですが、ぶっちゃけ、なんのこっちゃよくわかりませんでした。とにかくCGはめちゃくちゃすごい、さらにセットもめちゃくそカネかかってやがる。1920年台のアメリカ、という一番カネのかかるパターンのセットですし。湯水のごとく予算をぶっこんで作ったというのが伝わります。が、やっぱストーリーはなんかよくわからんし、映画としても、展開がめちゃくちゃです。

 本家、のハリポタはめっちゃ読みましたが、なんか続編とかスピンオフとなると。んん~~・・・っていう感じですよね。



 これがアメリカと集英社の悪いところで「金になる限りいくらでも続ければいいじゃん!」っていう考えなのですよね。これで、満足、綺麗な終わり。っていうのを望まない。文字通り底なしの欲望なんです。


 よくいうことですが、〇〇 PART 2、が成功することはホント滅多にない。ターミネーターくらいなもんです。
 なんで2がうまくいかないかというと、1、っていうのは実は製作期間が何十年もあるわけです、でも2は数年で作らないといけない。そりゃ1のような濃度、内容の濃さってのは望むべくもありません。

 1で本気を出してない、予算の関係などもあって全力出しきれなかった。で2、っていうパターンなら良くなることもあるけれど、1がめちゃクソ名作で、2でさらに、それは無茶ってもの。

 
 ワタシはどんなものでも、ちゃんとしたものを作ろうとしたら10年、は必要だと思います。最低10年。
 焦るな!と全世界の人に言いたいですね、すぐに結果を求めやがる。「NOW 今」ジェネレーションだって言われますけども、そこをこらえて、じっくり作らなきゃいけませんて。

1907 怪盗紳士ルパン

 完全にホームズのライヴァル、として作られたキャラクター、アルセーヌ・ルパン。
 探偵ではなくて、盗人、を主人公にするという逆転の発想です。

 でもこれって、いわゆる今で言う同人的なやりかたで、イギリスでホームズが大ヒットしたからそのライバルとしてルパンを連載する。いや自由かよ!っていう感じですね。今でいうと、ドラゴンボールが流行ったので、悟空のライヴァル、ブレッド、というマンガを描くみたいなこと。今ではBAN、あるいはタイーホ。
 さらに Herlock Sholmes 、なるホームズのHとSを入れ替えただけのキャラを登場させるなど、中国もびっくりのパクリ技術。けど面白いならえぇやん。100年後にも残るような作品になってるのはすごいことです。
 同じようにルパン三世も勝手に他人の作品を本歌取りするという斬新なマンガです。コナンも勝手にコナン・ドイルを名乗ってるわけでして、なんだかミステリー関係ではそういうのは有りってことになってるのでしょうか。

 ただルパンはミステリーっていうよりも、アクション、みたいな感じですね。トリックみたいなのはあんまりない。「警察にも味方がいるのだ」こんなのトリックでもなんでもない。とにかくルパンがどうやって華麗に盗みや危機を脱出するのかっていう話です。


 こういうルパンみたいに、悪いやつが主人公の物語をピカレスク、っていうのですが、今だとだいたいギャング、ヤクザ物みたいになってルパンみたいに華麗な悪役ってのは稀。

 ルパンはホームズよりもずいぶん対象年齢というか読者レベルが低めに作られていて、女子供向けになっております。フランスとイギリスの読者層の違いなんでしょうかね。

2019年1月11日金曜日

1994 MONSTER 浦沢直樹

 始めに言っておきますとワタシは浦沢直樹が嫌いです。

理由はやっぱ手塚治虫と同じ匂いがするからですかね。ワタシはクズセンサーってのがあって、こいつクズだな、ってのがわかると自負してます。浦沢直樹はまったく手塚治虫と同じような、それ、がある。センサーピクーン!「父さん!」っていう感じ。


 まぁそれはワタシの個人的問題。そしてクズだからといって才能が無いとは限らない。むしろ逆ですね、クズのほうが、性能、としては優れている場合が多い。善人だけれど無能ってのは山程いる。もちろんクズで無能ってのもいる。


 手塚治虫も浦沢直樹も才能があるほうのクズなんでしょうね、単純にワタシがいけ好かないというだけです。

 さて本題に戻るとこのマンガはサイコスリラー?っていうのか、ミステリーというには、最初から犯人がわかってるし、トリックとかは無い。別に難しい殺し方などはしていません。

 ベルリンの壁崩壊の時期に書かれたもので、共産主義が全部悪者で、崩壊した共産主義の闇みたいなのが主軸に描かれてますが、あぁ~当時はそんなんだったなぁという感じ。まぁ当時生きてませんがw まぁとにかく悪者扱いです。今だったらかなりBANされそうな感じ。結局メディアってのは弱者とか敗者への悪口だけで存在していて、崩壊した国に対しては何を言っても良い。日本帝国軍とかナチスとかはどんだけクズ扱いしても良いけれど、ユダヤ人に関することはBANされる。
 言いたいことも言えない世の中になた、みたいなことを言いますが、そうじゃないんだってワタシは思います。言いたいことが言えない、のではなくて、聞きたくないことは聞こえない、聞かない、人間が多数派のセカイになったってことじゃないでしょうか。



 悪い漫画ではないんですが、どう考えても、内容に比して話が長すぎる。同じようなことを繰り返しすぎです。

「今、撃たないといけないんだ」
「撃っちゃだめ」

「殺す!」
「殺しちゃだめ!」

「〇〇のことが好きだったんだ」
「さようなら」

「やっぱり撃つ」
「いやワタシが撃つ!」

「〇〇が好きになってしまったんだ」
「また会いたい」

「やっぱり殺す!
「殺させない!」

いや!!!!!うるせぇ!!早く撃てって!!!何回繰り返してんだよ!


 これはわざと冗漫でうんざりするように作られてるの??それとも連載
引き伸ばしてるの??って感じで胃がムカムカしてきます。

 わざとそう感じるように仕向けてるのだとしたら、相当な手練です。火の鳥、と同じですね。生き返ることにうんざりさせるように仕向けてる。生きてくことにうんざりするように仕向けられてる。

 でも浦沢直樹はそこまでのスーパー陰湿サディストじゃないと思うので単にずるずると連載を伸ばしてるだけだとワタシは思いました・・・。

2019年1月9日水曜日

1993 獣兵衛忍風帖

 たぶん全然知名度が無い忍者アニメ映画。

 忍法帖、ではなくて忍風帳です。

どういう経緯で作られたかまったくわからないのですが、まったくのオリジナルの長編アニメ映画。こういうのは珍しいですよね、なんでも原作ありきですから、まったく0からアニメ映画なんて。

 しかし日本ではかなりのマイナーアニメですが、海外にはファンが多くて海外ではかなりの有名アニメ。等身がアニメちっくじゃなくてリアル系の描写なので(わかりやすくいうと北斗の拳っぽい感じ)、海外に受けるのでしょうね。こういうリアル系の描写のアニメってのも最近ではまったく見なくなった。
 単純に描くのが手間暇かかりすぎるからなんでしょう。


 プロットはなんだか悪~い忍者軍団に、流れ者の剣の名人が、仲間になったくノ一とかと一緒に立ち向かう!という鬼ゲロ単純明快なやつです。七鬼衆?みたいな敵の幹部が次々と現れ!みたいな、わかりやすさ天下一品!という感じ。だから海外受けするのでしょうね。

 けれども、随所にかなり力が籠もっていて、相当な力作です。作画枚数も相当多い。まだまだバブル期の勢い衰えずって感じで、すごい時間と金がかかっていますな。声優も豪華ですなぁ。

 かなりおすすめできる作品、見たことがない人は是非。

2010 Newton 生命史35億年の大事件ファイル

 いわゆるMOOK本で、生命の歴史が、ざーーーっと紹介されております。

 ワタシみたいな一応絵描きにすると、ごちゃごちゃ言葉で説明されたところでまったくわからん。ビジュアルこそ大事。

 たぶん中高生向けなので、ざっくりしてるのですが、さーっと、ふ~ん、生命の歴史ってこんなもんやったんかー、と思うには適していると思います。図版も豊富。

 ただ文章の質はなんていうんでしょう・・、しょうもないというか、教科書風っていうのか、ユーモアの欠片もありません。

 しかしもう9年前の本なので今ではもっと新しいものが出てるでしょうね。

2019年1月6日日曜日

1904 黒ダイヤモンドを盗んだのは?  隅の老人

 今回は王家の宝石の盗難事件。  

ボヘミアの女王の宝石、という、いかにも、という感じの筋立て。コナン・ドイルのやつのパクリとも言えます。

 しかし、当時はあらゆる作家がコナン・ドイルのマネをしていたので、批判には及ばないってとこでしょうね。誰しもが最高の流行作家にあこがれていた。ドラゴンボール読んだことない漫画家はいないのと同じような状態です。

 トリックは最初っからモロバレ。

2001 24 season 1

 超今更!ですが24 S1です。
 ここ最近は今までスルーしてきたものをチェックしてみようのコーナーが始まっております。


しかし、つっこみどころ満載。まず美女のテロリストってのはリアリティがありませんね。だいたいにおいて、女ってのは政治的な信条なんてものはありません、世間体、だけでうごいている。
 カネ目当ての殺し屋ってのもおかしい。美女だったらもっとローリスクでカネを稼ぐ手段なんてそれこそいくらでもある。殺し屋としてカネを稼ごうなんてありえません、そんなやついねーよ。

 あと登場人物のほぼ100%みんな不倫してますけど、そんなわけあるかよ。いくらなんでも。まともなやつが1人もいない。その割にすぐに自分の命をかけるくらい家族愛に溢れていて、仕事熱心でもある。いやブンレツ、してるよ・・・。

 なんだかよく練られているようで、むちゃくちゃなところがたくさんあります。娘が夜遊びに出かけるって最初から決まってるの?女子トイレに監視カメラあるわけなくない?などなど・・・、むちゃくちゃやー、っていうところがたくさん。


 基本みんなアホばっかりで、CTUなんだからもっとまともな人間いるだろーー??っていう感じです。そしてなにかっちゃあ、家族!家族!家族!!ジャック・バウアーも仕事よりも家族優先で、いや真面目に仕事しろや!!ってワタシは思いますね。メーソンの言う通り。
 でもアメリカでは家族を守るバウアーにシンパシーなのであろう、アメリカでは、っていうかワタシみたいなひねくれ者以外はそうなのであろう。
 うるせぇっっ!!!ってワタシは思ってしまいますね、こう家族!家族!って言われると。でもそれはワタシの趣味の問題だけって話です。


 そうはいっても実際の24時間に合わせて物語が展開するというところと、分割画面がたくさん使われている、ところが斬新です。
 たぶんこの画面分割ってのを映像としてきちんと取り入れた始めての作品なんじゃないかと思いますね。会話のシーンで普通ならカットを切り返すところを二画面にして会話シーンを撮るっていうのは、すごい良いと思います。会話のテンポがよくなる。あと手持ちカメラのショットがすげー多い。
 
あとやっぱカネがかかってるなぁー。なんでこんなに連ドラにカネをかけられるんだろうって不思議なくらい予算があるんですね。他の国なら、チョッパー(ヘリ)を一台出すだけでもかなりの冒険。

 ワタシのイメージではこの24からアメリカドラマを見るってのが流行りましたね、ネット動画サービスの拡充などもあって。ワタシは全然見てませんが、プリズムん・ブレーク、ウォーキング・デッド、ゲーム・オブ・スローンズ・・・、見てる人は見ております。

 
なんで日本はバラエティとかマンガ、アニメ、ゲームのレベルはトップクラスなのに、実写のドラマだけが図抜けて低レベルなのか?って海外の人は思うみたいです。
 たぶん人材、の流れだと思うのですよね、優秀な人はみんなゲームとかのほうに行ってしまって、作る側も見る側もレベルの低い連中が実写ドラマを見てる。任天堂とかって恐ろしく優秀な人たちが集まってるけど、テレビ局のやつってほんとクズばっかり、ってのがワタシの経験で得た感覚です。
 やっぱタダで見れるってのが良くないのでしょうね、ゲームとかマンガって有料だから、批評も厳しいし競争も厳しい、テレビってどっかで、タダで見てるくせに文句言うな、っていう奢り、地上波放送権っていう特権を持っている傲慢さ、があります。
 すべてのテレビ局を有料にして、みたいチャンネルにだけオカネを払って見れるようにするっていうふうにすればいいと思います、NHKも含めて。なんでもタダ、でもらえるものにロクなものはないってことですわね。

1904 ダートムア・テラスの悲劇 隅の老人

 またまた遺産相続、に絡んだ事件。

 別に隅の老人に限らず、だいたいの事件の動機は、金か恋愛問題、たいていはその両方なのです。政治的理由、あるいは単なる嫌悪、みたいなのは少ない。

 この短編のトリックは、ちょっと無理があるかな・・・。

2019年1月5日土曜日

1904 シガレット号事件

 競馬、が舞台になっている短編。

 毒殺されかかったのは人ではなく馬、で、それによってある貴族が破産するというお話。

 機転の効く女性、というのが登場するので、リアリティの無い話です。

1904 ミス・エリオット事件 隅の老人

「頭が良くて成功した医者は必ず、明るい雰囲気を醸し出すようにしている。医者というのは他人を助けて、しかもそれが金になるというただ一つの職業だ」


 このエリオット事件から第二集、となり少々間が空いています。

トリックは恐ろしく単純でベタなもので、どうも読者も謎解きをやってみよう、的な初心者向けのものとして書かれたみたいです。


2019年1月4日金曜日

1902 バーミンガムの謎  隅の老人

 バーミンガムというのはイギリスの真ん中左上あたりのロンドンとリヴァプールを結ぶ地点にあって、そっから中継駅として発展した街であり、そのおかげで街中が煤で真っ黒になってしまったとか。

 双子、が生まれた場合に誰に爵位を譲るか?という古い侯爵家の伝説、を題材にした短編。ロバート・イングラムという名前はなんか良いですね。

 さらに遺体がズタズタに破壊されているのはなぜ?という猟奇殺人にみせかけたトリック、が使われております。

1902 ダブリンの謎

 ついにイギリス国外のダブリンが舞台になりました。

 事件の設定は「遺書の偽造」

  耳馴染みの無い事件ですわね、まぁお金持ちが死んで、その遺産相続が世間のニュースになるってことがありませんからね。地元の名士、みたいな存在が今はいなくなりましたし。

 さらにベーコンの製造会社、というのも不思議。ベーコン??ベーコンで巨万の富を得るというのが想像できない。

2019年1月3日木曜日

1902 エディンバラの謎  隅の老人

 「大衆とは子供のようなものだ、まったく無責任な上に、非論理的である」

 障害者と、その障害者に与えられる相続を得るためにカネ目当ての結婚をする若くて貧乏な美女という、えげつない話です。

 しかしこのえげさ、ってのは、女性作家ならではですね。女性に対する目線が的確です。よくモテない醜男の作家がドヘタな女性キャラを創造してますけども、この短編を参考にすべし、ですね。

バカで強欲、非論理的で、アホ、自分勝手で見栄坊、世間体ばかり気にするクソ馬鹿野郎で浅はか、感情的で独占欲の塊、残酷、無慈悲、いいところなんか一つも無いけれど、カワイイ人は見た目がカワイク、好きな人、にだけは、無限の愛情を注いで自己犠牲もいとわない。これが♀ってものです。

1902 ブライトンの謎 隅の老人

 「典型的頭の弱い金持ちの娘と悪党の話」

 とありますが、本当に何度も聞いたことのある話で、アメリカの金持ちの娘(だいたい美女)が、悪党に騙されて親に黙って結婚して、騙されたと気づいたけれども、それをネタにずっと脅迫される。

 なんかこういう設定を何度も読んだ気がします。それほど、よくある話だったのでしょうね。ヨーロッパはカネが欲しく、アメリカは地位が欲しい。

 ただちょっと現代と違うのは、当時のアメリカの金持ち、の産業が製造業だってことですね、精肉業、鉄鋼業、銅山、不動産、鉄道・・・、現代のようにハイテク、金融、といった胡散臭い商売じゃない、地盤がしっかりしてる。

1902 リヴァプールの謎  隅の老人

 これも「変装」トリックなんですが、変装、なんて本当に機能するんですかね?

 変装、っていうのが実際に利用されたっていうのを聞いたことがありませぬ。変装の名人、古典的ミステリーではめっちゃよくある設定ですけど、いっつも、そんな上手くいくかね??って思う。

 外国人貴族は信頼できない。という冒頭なのですが、自信が外国人貴族のオルツィ的にはアイロニーなのでせう。

2019年1月2日水曜日

1901 ヨークの謎 隅の老人

 競馬場、貴族社会、賭博。  といういかにも、ミステリーな舞台装置の短編。

「女っていうものはオトコよりもずっと奇妙な行動をして、謎に満ちている」

 とあります、これは女性作家らしい描き口。

「イギリス男性っていうやつは、どんなどん底の浮浪者でも、上流階級でも、まずぶん殴る。後ろから刺すなんてことをするのは、フランス人かスペイン人・・あるいは、女、だ」

 という、トリックというよりは、概念、みたいなオチなのですが・・・ほんとか??

 でも確かに、アングロサクソンは、ヴァイキングの子孫。ヴァイキングの武器は斧、後ろから突き刺すよりも、前からぶっ叩くっていうやり方。あまりイギリス人が暗殺者というは聞かないですね。確かに大陸、の人間のほうが暗殺を好むのかも・・・。

2019年1月1日火曜日

1901 グラスゴーの謎  隅の老人

 「大都市では単独で完全犯罪を行うことは不可能だ、だが共犯は、必ず裏切りに合う」


 前回の終わりに衝撃的な最終回だったのに、なんの説明もなく続編として描かれたのがこの作品。下手に前回の説明をしないのが潔いですね。

 この短編は 「変装」 のトリックが使われています。これも現代では指紋だのDNAだので不可能になった古典的トリック。


2019 あけー SASUKE 大晦日

年あけてんじゃね?


というわけであけー。

 レスポンス(おめー)

 


 嘘みたいにまったく何もしないで年越ししました。しかし今年は大晦日のテレビがけっこう充実してましたね。ガキ、SASUKE、無人島、格闘技。
 うわー、どれ見よっかなぁ・・。ワタシはSASUKE録画してガキを見ました、そして今SASUKEを見終わったとこです。


 ガキはあれですねー、ワタシはやっぱし、他の芸能人とかが出てくるのはつまんねーと思いますね。ガキメンバーだけでやったほうが面白い、24時間鬼ごっことかのほうが断然面白かった。ゲストとかいらないのに、まぁ文句を言うのはよそう!


 SASUKEは今回はなんかいろいろ良かったですね。新世代の台頭と、過去の実力者達のリベンジ。展開がドラマチックでした。本書いてるやつ誰!?ってくらいうまいこと転がってんなーって感じ。いろいろなドラマがありやがる。
 サスケ君やっぱすごす。そして最後にまだあと一歩だけ届かないっていうのもまた、良い終わり方でした。完全制覇したらそこで終わってしまうものね。
 サスケ君だけ、やっぱカラダがもう一段階違うんでしょうねー。減量したほうが有利かな?と思いきや、やっぱ最後まで行くには、最後の筋力が必要なんですな。なんか1人だけ、ボンッ!っていう腕筋をしてますものな。広背筋に鬼が住んでるんじゃないの?

 ぜったい無理だと思うのですけど内村航平にSASUKE出て欲しいですねー、まぁ東京オリンピック終わるまでは無理だと思うのでそこで引退したら、是非内村航平に出てほしい。身体つき的にもキング、がSASUKEの王にもなると思う。それとも楽勝すぎてつまんないのですかね??

 感動もありつつ、ヴァイオレンスじゃなく、しかもエロでも無い。SASUKEは大晦日、みんなが見れるものとして最高だと思いますね。これ年末にやるべき番組の答えなんじゃないの?クレームつけるやついませんもの。タレントなんてほとんど誰一人出てない素人の筋肉自慢だけが出てるんだもの。
 これは毎年恒例になる予感。