2019年1月25日金曜日

1982 AKIRA アキラ 大友克洋

 説明不要に有名なマンガ。ワタシもずっと手に持っていたのですが、どういうわけか読むのを忘れていた。すっごい前から手にしていたのに、なぜか読むのを忘れていたのです。そういうことってあるよね? 

 作画、構図、コマ割り。マンガの基本テクニックはある種完成形だと言えると思います、一流のマンガ。マンガの技法、みたいなのってのは出し尽くされたっていう感じですね。ほんと教科書に載せたいマンガじゃないでしょうか。
 

 キャラデザは・・・、カワイクない。

メカデザは、好きな人は大好き。けどワタシ自身はあんまメカメカしたのは好きでない。
 インダストリアルっていうのか、工業的な場所とかシーンばっかりで、そういうのが好きな人はほんと好きでだろうなぁっていう感じ。
 
 大友克洋ってこういう細かいコンクリートとか小さい部品とかがグシャアっ!ってなるのが好きですよね、自然の猫写なんてほとんど皆無だったような。とにかくとんでもなく作画が面倒臭い。今みたいに変形コピーとかもできなかったろうに。
 軋む丸ペン、悲鳴をあげるアシスタント!って本文の煽り文句にもありますが、とにかくアシスタントの負担が高い作画スタイルです。

 ただ問題はやっぱり内容、物語のプロットだと思うのですが、これはやっぱワタシはどうかと思うというか、つまりは超能力モノなんですが、超能力、幽霊、タイムマシン。これらはすべて禁じ手なんですなぁ。物語の構造としては。
 
じゃあなんでもありじゃん

っていうことにすぐなってしまう。超能力で建物を動かして相手を押しつぶそうとしたりするんですが、いやそんな面倒なことしないで、相手の脳幹をちょっとゴリってするだけで死ぬんじゃないの?心臓を潰せばいいのに、なんでモノを当てようとするの?銃とかだってバネを外せば撃てなくなる。車だって電子制御をいじればすぐに逃げれなくなるのに。
 消えたり瞬間移動できるなら、あそこに行けば一発で勝てるじゃん。みたいにプロットがすぐに崩壊してしまいます。それを防ぐためにとってつけたような制限をかけるわけです、イキモノには使えない、とかすぐに肉体が限界を迎える、制限時間があるなどなど。そういうのってすごい冷める。
 あとアクションあるあるですが、なぜかメインキャラには弾丸が当たらない。外す理由が見当たらないのに当たりません。銃ってそんな外すようにできてませんぜ今どき。近距離でアサルトライフルが一発の当たらないなんて絶対ないし。ライフルの弾って想像してるよりもでかいし威力がすさまじい。かすり傷だ、なんてなりません、吹っ飛びます。


 後半にかけてさらにどんどんわけがわからなくなっていき、最後はお約束の子供の頃の記憶、スピリチュアルな展開、いや実は全員いいヤツだったのだ、みたいな、ほぇーーー!?っていう展開でむちゃくちゃです。崩壊しておる・・。


 しかしながらとにかく作画のゴリゴリ感はすごい、それだけじゃなくて作画のセンス、もあります。ただ単に時間かけました、だけでなくて、センスがある。漫画家、特に作画をやるヒトには必読書ですね。


 このマンガ2020年の東京オリンピック、というのを舞台にしているわけで、まさかのその予測が完全に一致してしまいました。さて現実の東京オリンピックでも、サイコキネシスでNEO東京が吹っ飛ぶってことになるのかな?
 東京オリンピックの演出でAKIRAを題材にして東京が吹っ飛ぶという設定を使ったらすごいオシャレですのにね。まぁ頭の硬いバカどもにはそんな発想はできんだろうなぁ。