2019年1月16日水曜日

1907 怪盗紳士ルパン

 完全にホームズのライヴァル、として作られたキャラクター、アルセーヌ・ルパン。
 探偵ではなくて、盗人、を主人公にするという逆転の発想です。

 でもこれって、いわゆる今で言う同人的なやりかたで、イギリスでホームズが大ヒットしたからそのライバルとしてルパンを連載する。いや自由かよ!っていう感じですね。今でいうと、ドラゴンボールが流行ったので、悟空のライヴァル、ブレッド、というマンガを描くみたいなこと。今ではBAN、あるいはタイーホ。
 さらに Herlock Sholmes 、なるホームズのHとSを入れ替えただけのキャラを登場させるなど、中国もびっくりのパクリ技術。けど面白いならえぇやん。100年後にも残るような作品になってるのはすごいことです。
 同じようにルパン三世も勝手に他人の作品を本歌取りするという斬新なマンガです。コナンも勝手にコナン・ドイルを名乗ってるわけでして、なんだかミステリー関係ではそういうのは有りってことになってるのでしょうか。

 ただルパンはミステリーっていうよりも、アクション、みたいな感じですね。トリックみたいなのはあんまりない。「警察にも味方がいるのだ」こんなのトリックでもなんでもない。とにかくルパンがどうやって華麗に盗みや危機を脱出するのかっていう話です。


 こういうルパンみたいに、悪いやつが主人公の物語をピカレスク、っていうのですが、今だとだいたいギャング、ヤクザ物みたいになってルパンみたいに華麗な悪役ってのは稀。

 ルパンはホームズよりもずいぶん対象年齢というか読者レベルが低めに作られていて、女子供向けになっております。フランスとイギリスの読者層の違いなんでしょうかね。