2019年2月3日日曜日

2018 Bohemian rhapsody

 QUEENのフェイクドキュメンタリーみたいな作品。すごいダサい言い方をすると再現ドラマですね。

 どうせある程度良い映画に違い無い、だってQUEENの曲を使ってるんだから、むしろ盛り上がらないようにするほうが難しいというもの。ワタシはそこまでQUEENの大ファンってわけではないですけれど、QUEENというとハズレの無いバンド、として有名。どの曲もクオリティが高い。デビューした始めっから、かなりの完成度を誇っていて、後期の完全にオペラとか、サントラとか、例外を除けばいちいち良い曲を書くバンドです。平均点以上取れるのは間違いない。映画の題材として失敗しようがない作品ですね、許可さえ取れれば。

 だからあんまりチャレンジ精神が感じられずどうかなーと思ってましたが、やっぱり見ました。やっぱり良かったです。


 QUEENの再現ドラマといいつつやっぱフレディの伝記ですけどね。しかしフレディっていう人は一人でどんだけ背負い込むねん!っていうくらい全部のせしてますよね、
中東の出身、親の宗教、同性愛
人種、宗教、セクシュアルマイノリティ
監獄、子供、戦争。
 みたいな調子、いや全部いく!?抱えきれませんぜ。さらにHIV、そして当然ながらロックのスーパースター。

 でもつくづく今ってこういうスーパースターっていないよなぁって思いますねぇ。90年台まではいました、OASIS、RADIOHEAD、Coldplay・・・けど特に2010年台、スーパースター不在って感じですねぇ、レディーガガ?カニエ、JAY-Z?ビヨンセ?ケンドリック・ラマー?ジャスティン・ビーバー?
 もちろん名前は聞くけども、実際に聞いてる人ってのを見たことない。オレカニエ・ウェストのファンなんだよねーって言ってるヤツを見たことがありませぬ。
 ヒップホップってまだまだ聞いてるリスナー層は限られてる気がします、ビーバーとかも若い層しか聞いてない。全世代に幅広く、っていうスーパースターはほんといませんね。それとやっぱ何を言ってるのかわからん、ってのがHIPHOPがあんまし一般化しない理由だと思う、何を言うか、が大事な音楽ですからね。ワタシもある程度普通のBBCのラジオとかだったら聞き取れるんですが、RAPは何を言ってるのかほぼわからん。英語がわからんというより、スラングとか、そのラッパーの背景とかを知らないと意味がわからんのですよね。

 でもロックのスーパースターは出ないってのは仕方ないことだと思う、ロックって実はめちゃくちゃカネがかかるのですもの。まず楽器が高い、練習するスタジオ代が高い、ライブハウスも高い、録音機材、ソフトウェア、録音スタジオ、リミックス、マスタリング、いくらカネがあっても足らない。初期投資でも100万くらいカネがかかる。狭くて地下のガレージとかが無い日本でロックやるなんて無茶な話、実はセレブの音楽なんです。
 曲は有りモノのサンプラー、あとはマイク一つで言いたいことをぶちまけるっていうHIPHOPのほうがなにか言いたいことがあって表現したい!っていうときに選ばれるのは当然の成り行きだと思います。今音楽やろうと思ったら絶対バンドマンよりはラッパーでしょう。ノートパソコンとマイクさえあればなんとかなる。8万あればラッパーになれます。何を言うか、が大事ですから、やっぱし。特にカネが無い下層階級にはラップしかない、そして勢いのある文化ってのは必ず下層階級から生まれるものです。



 それと歌の内容ですよね、昨今の。やれビッチがどうのこうの、もう会わない!メールとかラインの返事が来ない。あるいは、君といた夏休みが懐かしい、高校生のあの頃が良かった、勇気を出して告白しよう・・・

 いやいつまでそんなこと言ってんだよ、もうおっさんおばはんのクセに、若作りばっかしやがって気色わりー。こんな歌ばっかりでは10代のバカにはヒットしても、オトナが聞くわけない・・・と思いきや気持ち悪いオトナが買ってるんですよね、いや買う方も気持ち悪いヤツばっかりやないか!

 これもよく言う話ですが、自分自分ばっかりなんですよね、自分のことばっかり!自分と好きなヒトの二人、しかセカイが無い。めっちゃセカイが狭いのです。日本だけじゃなくてどこでもそう。自分自分!うるせぇ!っていったくなりますw