2023年2月15日水曜日

1983 『アウトサイダー』(The Outsiders) フランシス・フォード・コッポラ

  だいたい映画好きに最高の映画は?と聞くと十中八九「ゴッドファーザー」じゃあ二番目は?と言うと「ゴッドファーザー2」って答えます。


 けど最高の映画監督は?と聞くと、あんまりコッポラとは言わない。コッポラはゴッドファーザー1,2(その間のカンバーセーションも超名作)、で天下を取ったあと「地獄の黙示録」で大失敗、そのあとまったくダメになってしまったっていうイメージだと思われる。

 

 地獄の黙示録、はでも実際には失敗作ではなくて、売れ行きも映画賞もいっぱいとってる。とにかくそれ以後、とんでもない莫大な予算をつぎ込んだ大作映画、を作らなくなりました(作れなくなりました?)。

 ほいでその後コッポラはあんまりお金のかかってない青春映画三部作、を作ってまして、これがその三部作のはじめ。


 今見てみると、そこまで悪くない。ただゴッドファーザーとかと比べると、映画の規模もですが、作風もまったく別人になってしまったっていう感じがしますね。


 実はこの青春映画三部作の前に恋愛映画も作ってましてこれもすこぶる評判が悪い。これで経済的に破綻してしまったらしいです。

 映画ってのは一発大コケしたらすぐに破産に追い込まれる超ギャンブル商売。まさにコッポラが地獄の黙示録のシナリオ通りって感じですよね、どんどん戦争とドラッグにおぼれていって狂気に堕ちて破滅していくっていう。

 映画ランキング1,2に輝く映画をとった監督としては非常に悲しい感じの晩年って感じですね、映画界ってほんと冷たいです、黒澤明にしたって、あんまり映画がヒットしなくて後半はもうメチャクチャになってしまったもの。


 映画監督なんて職業は技術が良くなってだんだん上手になって良くなっていきそうなものですが、だいたいはどんどん悪くなる、ポップミュージックと同じみたいです。技術よりもひらめき、タイプの芸術なのですわね。

 カメラだの照明だの、なんの技術がなくても、ひらめきと才能があれば映画は作れる、逆に学校でいくらカメラやなんだかんだの勉強したところで、ひらめきがなきゃ何もできん。それと、時代の流れに乗るかどうかってのも大事だとおもふ。


 この映画は木村拓哉のフェイバリット映画らしく、キムタクイズムはこっから来ているようです。ふ~む。