2023年11月23日木曜日

1555  ノストラダムス予言集  岩波

  おそらく世界で二番目に有名な予言集。もちろん一番はヨハネの黙示録です。


 名は聞いたことはあると思いますが、あまり本体に巡り合った人はいない本。というかオリジナルはもう失われたようです、様々な勝手な修正が書き加えられたりしたものが残っているだけで、オリジナルは残ってない。

 それもどういうわけか改作のされかたが尋常ではないらしく、原典を再現するのが非常に難しいみたいですね。ワタシが読んだのは岩波から出てるやつ。


ただのこの岩波の本注意が必要で、予言集というタイトルがついてますが、全部で1000あるノストラダムス予言集の前半の400、からのさらに拙訳です。ちゃんとタイトルにノストラダムス予言集 拙訳 と書け!

 

 ほいで1000あるといいましたが、最後の100、はノストラダムスの死後出版で、偽作だとも言われております。あの有名な恐怖の大王、はその最後の100に含まれていて、偽作の可能性が高いです。

 まぁ最後の100に限らず、オリジナルテクストは失われてしまっているので、全て偽作なのではないか?という疑いもありまして、要するにすべては闇の中というわけです。


 ようはただのオカルト本なのですが、これこそ16世紀らしい本だと言えるようです。16世紀、中世末期から近代初期ですが、暗黒時代、とルネサンスの狭間の時代。とにかく暗黒時代とは精神ではなくて、気候が、フィジカルに寒冷化した時代で、それが不作を招き、飢餓、ペスト、それがカルト、プロテスタント、新教を生み宗教戦争が激化するという時代。すべては繋がっていて、とにかく、食べ物がなくて腹ペコで死にそうな時代だったのです。それに尽きる。まともではいられないのです。

 食べるものがあるか?結局最後はそれに尽きるというわけです。