2023年12月16日土曜日

1929 毒入りチョコレート事件 アントニィ・バークリー poisoned chocolate case Anthony Berkeley

  推理小説で結構有名な作品。


 タイトルが非常に面白くなさそう、というか、なんでしょう、架空の推理小説みたいなタイトルじゃないですか? なにかの物語の中に出てくる、嘘の小説みたいなタイトル。たぶんあえて、このダサダサなタイトルにしてるんでしょう。


 構造は、複数の探偵が、一つの事件を操作して、それぞれに推理を発表する。


という 探偵が複数 というスタイルです。誰でも思いつきそうですが、たぶんこれがその最初のあたりのもので、さらにちゃんと出来たものなのでしょう。名作ってのは得てしてそういうもの。


 想像の通り、最後のほうの探偵の推理になるにつれてどんどん真相がわかってきて・・・っていう話です。


 ただ、それはズルじゃない?ってのもあります。トリックの核心ではないので言いますけども

 何の意味もなく嘘をつく、事件には何の関係も無い人間。がいます。

 ただなんとなく嘘をついた、もう一回ちゃんと聞いてみると、嘘だと認めた。それはないですわ。確かに現実にはそういうやつがいますけども推理小説でこれをやられたら読者はお手上げです。何の理由とか意味があって嘘つくならいいけど、なんとなく嘘の証言されたらどうしようもないです。なんでそこをよしとしたのかわかりかねます。



 ミステリだからもちろん、トリックについては言えませんが、ワタシは、これって本当に犯人が決まるか??ってのが疑問です。ちゃんとトリック成立してない気がする・・・


 まっべつに論理的に確実に一人の犯人が決まらないといけないというルールでもないわけで、そんなことより雰囲気を重視したものとか色々ありますし、ともかくこの作品は、複数探偵物、っていうスタイルを作ったってことで歴史に残るものなんでしょう。

 ワタシはそいでもトリックのキレが甘い気がする・・・、あと文章も決して上手とはいえません。