2024年2月4日日曜日

1982 競馬放浪記 寺山修司

  寺山修司の最後の競馬の本。死ぬ一年前の本ということになる。


 第1回ジャパンカップのことが描かれていて非情に面白い。日本の競馬が海外にどれだけ通用するのかを見たジャパンカップ。

 結果は1~4着、すべて海外馬。日本の競馬は、海外にまったく通用しなかったのです。しかもジャパンカップに来た馬も、別に世界の強豪というほどでもない。重賞で馬券内くらいの馬。

 それにまったく歯が立たず。スピードシンボリなどが海外でまったく勝負にならなかったのはアウェーだったからだ、という言い訳があったのですが、ホームでレースしてこの結果。相当がっくり来たでしょう。

 でもこの惨敗から、日本の競馬は新たなスタートを切ることになるのです。世界に勝つにはどうすればいいのか・・・


このおよそ40年後、日本の競走馬イクイノックスは、ワールドNo1ホースになり、ジャパンカップはワールドNo1レースの称号を得ました、あの惨敗から40年。

 やっぱり井の中の蛙ではなくて、世界を知ることから始めよということです。鎖国なんて破滅しかない。


 ほかは自分の死を予感してたかのごとく、不幸なウマの末路に関するお話です。