寺山修司の最後の競馬の本。死ぬ一年前の本ということになる。
第1回ジャパンカップのことが描かれていて非情に面白い。日本の競馬が海外にどれだけ通用するのかを見たジャパンカップ。
結果は1~4着、すべて海外馬。日本の競馬は、海外にまったく通用しなかったのです。しかもジャパンカップに来た馬も、別に世界の強豪というほどでもない。重賞で馬券内くらいの馬。
それにまったく歯が立たず。スピードシンボリなどが海外でまったく勝負にならなかったのはアウェーだったからだ、という言い訳があったのですが、ホームでレースしてこの結果。相当がっくり来たでしょう。
でもこの惨敗から、日本の競馬は新たなスタートを切ることになるのです。世界に勝つにはどうすればいいのか・・・
このおよそ40年後、日本の競走馬イクイノックスは、ワールドNo1ホースになり、ジャパンカップはワールドNo1レースの称号を得ました、あの惨敗から40年。
やっぱり井の中の蛙ではなくて、世界を知ることから始めよということです。鎖国なんて破滅しかない。
ほかは自分の死を予感してたかのごとく、不幸なウマの末路に関するお話です。