2024年2月8日木曜日

1988 Wizardry #5 Heart of the Maelstrom ウィザードリィV 災渦の中心

  現代のメイルシュトロームは、大渦潮のことです。

ネモ船長が乗った、ノーティラス号が消えていったのもメイルシュトローム。

  今回、水にもぐる、っていうアクションが追加されたのも、メイルシュトロームだからです。


 さて本家ウィズの5作目で、いわば旧き良きウィズ、古典ウィズ最後の作品となっています。4作目がめちゃくちゃヘンテコリンのバチクソ尖ったゲームだったのですが、これは1~3に完全に戻りました、古典ウィズの総決算的ゲーム。

 ですが


激ムズ


 マップがとにかく巨大化、複雑化しました。20x20ではなくて巨大マップ。当然まだまだコンパスなどありませんが、デュマピックでマップが表示されるようになりました。お助けポイントはここだけです。

 その他の変更点は武器に射程が入り、後衛からの遠距離攻撃が可能に、水に潜るアクションの追加・・・


鍵を開けるというコマンドも追加。だが


 鍵が開かない


これでこのゲーム終わった人も多いのでは。とにかく鍵開けの難易度が高い。魔法で開けるしかないので、魔法使いいないと詰みです。アイテムを使うと開かないのと、ただたんに開かないのかもわからぬ。


 この鍵システムと隠しアイテム、隠しドアを探さないといけなくなったのが非常に難易度をあげてます。探してもレベルや確率で見つからないってことがある。これはきつすぎる。

 つまり追加された機能のほとんどはただただ鬱陶しいです。

 

 NPCが追加されて、NPCから情報を得て進んでいくというのは、これも鬼畜。

いわばNPCが村人で、その全員とあって話を聞いてヒントを得る、っていうドラクエみたいなことなんですが、このNPCがまずランダムエンカウントだし、情報にはだいたいカネがいるし、聞き出せるかどうか、も運とかいろいろな仕掛けがあります、騙してくるやつもいれば、アイテムを盗むやつもいる。ただ話せば教えてくれるほかのRPGととは大違い。


 難易度は、まぁいまの感覚でいけば理不尽です。ウィズ脳の人にしたってこれは激ムズ。不条理と激ムズ・・の境界線上をウロウロって感じでしょうか、いや理不尽にかなり突っ込んでるか・・・、トラップも死ぬほどえげつないし、NPCとの交渉がむずい、いやわからんて!!のオンパレード。ヒントもわからんし、ルーンも読めん、水にもぐったら溺れ死ぬ・・・まじで攻略情報、リセット無しでクリア出来たら本当の勇者、100時間じゃ効かないと思う・・・

 あとイベントアイテムが多いのにアイテムのスロットが少ないのも地味にめんどい。

 ワタシの感覚だと初代ウィズの3倍ムズい、面倒なことが増えました。単純にマップが3倍になってるだけでムズいし、マーフィー先生みたいな経験値稼ぎ要因もあまりいない。特に序盤にいない。


ウィズ5の厳しさに比べれば昨今の死にゲーとかいうのは完全なヌルです。死んでもロストしないし。

 ウィズというゲームは、いわばRPGと不思議なダンジョンの組み合わせ。大切に育てて来たものは、あっというまに失われる。非情。だがたしかに、命の大切さをこれだけ痛感するゲームも無い。ウィズのひりつき感は、普通のRPGには絶対無い。

 ただオートセーブではなくなったのでそこだけは優しくなったと言えますね。オートセーブがあったときもほとんどの人間はリセットで対応してたので変わらないという人も多いだろうけど。いわば公式のリセット技解禁ともとれる・・・じゃないとまじで無理だよこれ・・・。


 ある意味100時間遊べるゲームではあります、一生かかってもクリア出来ないかも。たった10階層ほどのダンジョンなのですが・・・。


 しかれども、戦闘のバランスなどは今までで一番バランスが取れてると思います。努力すれば勝てる、バランスがイカれてるものも少ない。マカニトみたいなチート魔法も無いし。   

 裏を返せば一気にレベルアップ!一気にパーティを爆発的に強化!みたいなことがやりずらくなってます、地道に育てるしかない。まぁそういうゲームなので。

 まぁあるっちゃあるのですけどね。やかん狩り・・でもコツと運が必要、普通に戦っても倒せない。まず物理、魔法がちっとも当たらないので、こっちは召喚で強いモンスターが出るのを祈るだけ、たまに一撃でやかんを殺してくれる。強い武器を拾ってれば当たることもある。だけど今回ドロップアイテムも渋くて、なかなか強いアイテムをドロップしません。


 普通にプレイする限りでは、戦闘バランスは良好といえます。

 7Fくらいまできて、核爆弾を使えるようになり、フェニックス狩りにいそしむことになるくらいになると、こっちのものだが、ここまでが長いのよ・・・広大なマップをマロールで移動するのも気持ちよすぎます。


 シナリオは短いテキストながら非常に深くて、重厚なストーリーであり、よく練られています、シナリオに関しては渾身の出来。だがこの爆ムズゲームを突破してそのシナリオをきちんと味わえた人がどれだけいるかな・・・?


 末弥純のグラフィックはまさに秀逸の一言。特にやかん、のドット絵は最高傑作だと思う。いやみったらしい糞坊主のグラフィックもこれ以上無い出来、こんなやらしい顔した聖職者の顔はこれを上回るのは不可能だと思います。


 超凶悪な難易度を度外視すれば、非常に名作です、ウィザードリィの最後を飾るのにふさわしい。ハマるとその中毒性はえぐい、脳汁ドバドバです。こういうことだったのか!!こうすればよかったのか!!みたいな発見が本当に嬉しい。

 やりこみ要素もものすごいあるし、地獄の三強、裏ボスの強さも常軌を逸している。ウィズの集大成としては確かにそうです、十分すぎるほどのやりごたえ。だがとにかく!難易度がえぐすぎるって!この面白さが伝わる前にみんな挫折してしまうでしょう。

 

 おすすめパーティはどう考えても前衛忍者x3魔法魔法僧侶です。魔法1では足らない。帰還用マロールと核爆弾をストックするにはダブルマジックが必須。魔法係はとにかく素早さ重視なのでホビット、前衛はドワーフ。つまりドワーフx3、ホビットx3のホビットの冒険スタイルのパーティですね。前衛も忍者にしやすくするためにボーナスは素早さに振るのがよき。忍者はレベルが上がるとACが下がり、最終的には裸忍者x3の変態集団になりますwそこまでやりこむ必要ないけどw


 あと今回ビショップのレベルが高くないと鑑定失敗するし、アイテム鑑定できないと金策が詰むのでサブとしてビショップが必ず必要。


 ラスボスも期待を裏切らない激強です。まず倒し方をわからないと、何も出来ずに即死。その倒し方も、わかると非常にスッキリ!ここであれが役に立つのか!!ただわかっても激烈に強い。正直完全装備でも勝てる確率は25% 運が悪いと普通に即死する。ボスが連れてる雑魚4匹だけでもこっちを1ターンでイゴらせる脅威。核が飛び交うまさに世界の終わりみたいな戦いですw 



 ウィズファンであれば、攻略情報を見つつ、ぜひプレイするべきゲーム。間違ってもノーヒントプレイはおすすめしない、ウィズプレイヤーは忍耐力と精神力を試されてきた歴戦の猛者ですが、それでもキレると思うw