2026年8月1日土曜日

1865 月世界旅行 地球から月へ From the Earth to the Moon: A Direct Route in 97 Hours, 20 Minutes (French: De la Terre à la Lune, trajet direct en 97 heures 20 minutes)  ジュール・ヴェルヌ

  タイトルが恐ろしく長いのですが、日本語にいたってはこの小説、タイトルがついてないのですね。

 便宜的に月世界旅行、という名前になっているというだけで、恐ろしく長いこと、翻訳が無かった。

 ヴェルヌの月世界旅行、といえば、メリエスに映画化もされ、めっちゃ有名なのに。


 正確には、この小説は、二部作になっていて、その前半が

「地球から月へ」  De la Terre à la Lune 


 です。


地中に超巨大な大砲を作って、それで月に弾丸をぶち込む。


という単純ですが、ぶっ飛んだアイデアで月を目指すという、話。今で言うところのマスドライバーってやつですね。

 これが1865年の小説ってのがまじでたまげますね、日本はまだ江戸時代。その時にヴェルヌは月を目指していた。なんていう先見の明。

 今だったらなんでしょうか?宇宙船でケンタウロス座を目指すとか、ブラックホールで別世界を目指すとか、異世界への扉を開けるとか、そういう次元ではない、そんなの誰でも思いつきます。

 

 もっと信じられないくらいのアイデアですね。


 小説とありますが、これが小説なのかは謎。ほとんどは、数字の記述ばかりです、月まで届かせるにはこれぐらいの火薬、材質は?バレルの長さは?場所は?時期は?みたいな計算をずっと続けます。

 まさにこれがすごいところで、普通の小説家は計算なんか絶対しません。ヴェルヌは計算するし、その費用、運送、労働力まで計算する。

 この情熱、ヴェルヌの科学に対する熱量、それが一番誰にも真似出来ない。こいつが一番科学が好きなんですわ。

 

 この壮大な実験の結果がどうなったかは、もちろん自分で読んでたしかめろとしか言えないのですが、本当にぶったまげた想像力と熱量です。

 これが小説なのかどうかもあまりわからない。


 現代にヴェルヌがいたら、一体どんな物語を書いたのかまぢで気になりますね。