タイトルが恐ろしく長いのですが、日本語にいたってはこの小説、タイトルがついてないのですね。
便宜的に月世界旅行、という名前になっているというだけで、恐ろしく長いこと、翻訳が無かった。
ヴェルヌの月世界旅行、といえば、メリエスに映画化もされ、めっちゃ有名なのに。
正確には、この小説は、二部作になっていて、その前半が
「地球から月へ」 De la Terre à la Lune
です。
地中に超巨大な大砲を作って、それで月に弾丸をぶち込む。
という単純ですが、ぶっ飛んだアイデアで月を目指すという、話。今で言うところのマスドライバーってやつですね。
これが1865年の小説ってのがまじでたまげますね、日本はまだ江戸時代。その時にヴェルヌは月を目指していた。なんていう先見の明。
今だったらなんでしょうか?宇宙船でケンタウロス座を目指すとか、ブラックホールで別世界を目指すとか、異世界への扉を開けるとか、そういう次元ではない、そんなの誰でも思いつきます。
もっと信じられないくらいのアイデアですね。
小説とありますが、これが小説なのかは謎。ほとんどは、数字の記述ばかりです、月まで届かせるにはこれぐらいの火薬、材質は?バレルの長さは?場所は?時期は?みたいな計算をずっと続けます。
まさにこれがすごいところで、普通の小説家は計算なんか絶対しません。ヴェルヌは計算するし、その費用、運送、労働力まで計算する。
この情熱、ヴェルヌの科学に対する熱量、それが一番誰にも真似出来ない。こいつが一番科学が好きなんですわ。
この壮大な実験の結果がどうなったかは、もちろん自分で読んでたしかめろとしか言えないのですが、本当にぶったまげた想像力と熱量です。
これが小説なのかどうかもあまりわからない。
現代にヴェルヌがいたら、一体どんな物語を書いたのかまぢで気になりますね。