2012年7月10日火曜日

1945 虎の尾を踏む男達

amazonにレビューを出したくないので、本に関してはgoogle booksに書いてるのですが、映画に関しては意見を出すところが無いですね。ちらとサイトを見ても、〇〇がかわいぃ~~5つ星!みたいな感じだったのでおえっとなってやめる・・imdbは日本語対応してないしね。キネ旬は大嫌いだし。

 本題。1945年9月製作・・・えっ?製作出来るの?って年ですけど、どういうわけか可能だったらしいのです、詳しいところはわかりません、軍の圧力のもとに作られたのか、それとも戦争が終わってから気合が入りまくって作ったのか。ともかくGHQに発禁にされたというのは事実です。GHQは日本のことなんか何一つ知らなかったということでしょうね、というのは義経というのはアンチヒーローだからです。義経は、最後の最後まで、復讐戦をしない、そんなヒーローは絶対にいない。ヒーローというのはほぼ100%好戦的な野蛮人で、最後まで戦わないというのはありえない、キリストですら、私達には神がついている、あいつらは最後の審判でひどい目にあうんだっていう、いじめられっこの言い訳みたいなコトを言ってるのに義経はそれすらもしない。頼朝を非難もしない、頼朝は小心者のクズだというけれど、実際二頭政治が上手くなんていきっこないのは義経だって頼朝だってわかる、ましてや義経は美形、天才、大人気、だけど本人は長兄を建てる、が長兄は妻の財産に頼っているし・・・となれば先は真っ暗。実際は弟を殺しても真っ暗なのだけれど・・・政治的には頼朝がやったことは正しいと思う、梶原の讒言というのも嘘だろう、頼朝はもっとキレる人間だから。
映画自体は、抜群の出来なのですが、一般受けはしないでしょうね。勧進帳をみんな知ってるという前提だし、いちいち説明なんてしない。そう、最近の映画は説明しすぎる、ほぼ説明ゼリフといっていい。ただもぉ・・演技の冴えときたらえぐい、特にエノケンはすごすぎる。こういうもぉナチュラルな俳優はリリアン・ギッシュとかのレベル、リア王の道化を演じられる日本人がいるんだって初めて思いました。手先の動きが常人と全く違う。他の俳優がエノケンに全部押されてるのがわかる、志村でさえもエノケンのパワーにまったく太刀打ちできん。
それでもやっぱり古臭くってたまらないという人は、まずこれをどっか真ん中くらいから再生して三分くらい見て静止、それから今のテレビでやってるような映画をちょっと見る。
おや・・・?静止されている映画のほうは、写真としても成立するくらい構図も、雰囲気も完成されてる、けれどテレビ映画のほうは、間抜けていてとても静止画としては鑑賞に耐えないという事に気づくでしょう・・・なぜ?
1フレームごとの圧力がまったく違う・・・