そのDVD全集のタイトルがちょっと笑いましたね。映画天皇 黒澤明っていうタイトルなんです。プライド高い中国人も審美眼はあるのでしょうか。
さてこの一番美しくはなかなかレアなんではないでしょうか。バッキバキのプロパガンタ映画なのですけれど私的には黒澤明トップ5には入ってくると思います。戦中に取られた戦争映画なのですから、戦後に作られたスペクタクル戦争映画とはまったく迫力が違います。それそのものですから。
よく、あの時代はひどい時代だったとかいいますけれど、まぁどうなのですかね、戦後教育の賜物なのか、実際にそうだったのか。実際のところはわかりません。
ただタイトル通り、美しいものはあったのでしょう、一番かどうかはわかりません。国家主義、ナショナリズム、コミュミズム、広さは違うけれど、ともかく集団主義というのは同じです、一方事由主義、資本主義は個人主義です、個人主義である限り、個人が努力して競争社会で勝ち抜いていくことが、求められるわけで結局それは、友情とか愛情なんて無いっていう公理を持っているのですよね、それで極小の家族という団体がやたらとフィーチャーされるのですけれど、家族を守る為に頑張る云々・・・、やっぱそれに感情移入は出来ないですね。だっておまえの家族なんて知らんものって感じです、自分の命も犠牲にして、家族の死に目にも会えないけれど、みんなの為に命をかける、そうじゃないとドラマにならんでしょう?美しくないですよね、自分のためだけでは・・・
そのみんな、に誰が含まれているかってのが問題ですけどね、国家なのか、故郷なのか、地球なのか、あるグループなのか、自分の好きな人すべてなのか、同じ宗教の派閥なのか、自分に金をくれる奴なのか・・・・
ナウシカみたいな、空想上の完璧な人間が、ファンタジーにはよく登場しますけれど、そういう人格が現代の社会に生まれたら何をするのかというのをよく考えます。まさか真面目に働いて年収何兆円の大企業をつくったなんてことにはならんでしょう、芸術家になって傑作を作る・・・農業をやってつつましく清貧に暮らす・・・。世界政府を作るために全世界を敵にして戦ってはくれないだろうか?