2016年11月20日日曜日

1907  黄色い部屋の秘密 ガストン・ルルー

密室トリックの古典と言われている作品です。最近はちょっとミステリ路線を走ってます。いや全然本なんて読まなかったんですけど、ちょっとインプットが必要な感じだ、つまりはやる気が無い時は本でも読もうってことですw 冬ってやつはほんとやる気を奪うよなぁ・・・。



 黄色い部屋の秘密、というタイトルにもなってるんですからこの密室トリックを中心に物語は展開していきます。

 けどワタシの勝手なルールですが、推理小説っていうのは、読者は最後に探偵が犯人を指摘する前に、ちゃんと伏線を拾っていれば、読者が推理して犯人がわかるもので、それが隠されているのは、サスペンスドラマ、なんですよね、ワタシが思うには。金田一シリーズみたいに次々と殺人が起こってくみたいなのもドラマ、です。だって最初には犯人はわかりっこないですもの。




 この小説は明らかに、サスペンス、のほうで、ちゃんと読んでいっても、秘密、はずっと隠されていてそれを推理していくことは出来ない。ようするには物語、なんですね。推理小説ってのはゲームだとワタシは思ってて、クリアする為のカギがどこかにある、物語ってのはまぁなんでもありですから、どうとでも書けるわけです。ここまで読んであなたには誰が犯人かわかりましたか?みたいなのがありますけども、サスペンスであればそんなのわかるわけないです。サイアク、誰も知らない宇宙人がいて、そいつは時が止められてり戻したり出来る!!みたいなひどい結末でも書けるわけです。わかりっこないぜそんなのっていう。


 
 それでも一応推理モノなのでオチを明かすことは出来ないんですがーーー・・・・、ワタシ的にはこのトリックは無茶苦茶だし、トリック以前に状況設定にかなり無茶苦茶がある気がする・・・まぁまだまだミステリ小説の発展期の作品で完成されてないってことなんでしょうね、だって1907年ですもん、100年以上前の作品ですからね。

 作中で、コナン・ドイルのトリックは無茶苦茶だ、足跡1つだけで犯人なんてわかるものか!あぁいう捜査は古い!みたいなライヴァル心むき出しなのもこれが創成期の作品だなって感じがしますね。今ではコナン・ドイルを否定するヤツなんていませんもの。みんなホームズ好きっていいますよ。なんかエッジを効かせるのを気取りたい若造でもない限り。でも同時代人にとってはまだホームズは神格化されてはなかったってことですね。


 ともかく結構ひどい出来です。これはミステリの歴史を学びたい人向けですわね。それとなんかワタシこのガストン・ルルーって人と反りが合わないって感じがするのかも・・・。