ムービープラスというCSの映画チャンネルで、この人のベスト映画。みたいなのがやってて、その中でジブリのプロデューサー、鈴木敏夫が選んだのがこの作品。
ただ、はっきり言って面白くはないですw 面白くもないのに、なんでこの作品はこんなに予算一杯使えてるの?どういうわけ?っていう映画ってのは、だいたい文学作品の映画化なんですねー、だからみんな知ってるから内容がつまんなくても予算が取れる。知らないと、えっ、この古典作品もしかして知らないんじゃないですか???って馬鹿扱いされちゃいますからね。
日本の古典文学でもなんでこれが古典・・・・??ただのエロ本じゃんみたいなのが一杯あります、好色一代男とかそういうやつ。何が面白いねん??っていうの。でもそれってその当時は、とってもセンセーショナルでアヴァンギャルドなものであったり するんですね。そっからどんどん新しいものが生まれていった先駆者的な役割、そのオリジナルがどんどん進歩してったのを知ってる後の人から見たら、は?何がそんなにいいの?ってことになる。歴史的に意味があるってわけで。今の人がドラクエ1をやってもつまんな!って思うのと同じことですね。
このトム・ジョーンズってのの作者はフィールディング、イギリスの小説の祖とも言われてる人物でして18C半ばの作家ですから、今の人たちにとってこの小説は何が面白いのかちんぷんかんぷんだろうけども、小説ってののかなりパイオニア的な存在なんですね。
小説ってのは基本的には、セックスと死。文学やってる人はかっこつけてエロスとタナトスとかほざくわけですけど、基本的にはそれだけです。 で、このトム・ジョーンズは小説のパイオニアですから、基本的にはセックスと死を扱うというわけ。主人公のトムはいろんな女とセックスして、死にかけたりしながら最後には愛する人を見つけるというもうベタ中のベタです。
なんで鈴木Pがこの映画をチョイスしたのかはわかりません、けどもこの映画アカデミー賞もとってるし(まぁ文学作品の映画化っていうのだけでかなり有利なんですけど)、中世っぽいリアリズムは良く出来てたりします。
たぶん、鈴木P的には、面白い映画ってのじゃなくて、この映画はつまりなんなんだろう??って考えさせるような映画を選んだんでしょうね、他に選んでるのがバリー・リンドンですもん。バリー・リンドンもこの映画とかなり似ていて、全然面白くないんです。ただ、わざと面白くないのを効果として狙ってるのですね。どういう意図かはわかりません、人生ってつまんないよねっていうものすごい毒を吐いてるのかもしんないし、こんなにくだらない、くだらないこと、というリアリズムを貫いてるのかもしんない。
なんにせよ、わかりやすいものを求める今のオーディエンスにはおすすめ出来ませぬw でも60年台ってこういうことが出来たんだよなー・・・、なんでしょうね、今ではこんな映画絶対予算出ないっていう、マーケティング無視というか、芸術至上主義、本物志向、アンチ市場主義みたいなこと。
世間はアメリカの大統領がトランプになるという珍事件で、ぐちゃぐちゃメディアは吠えてますけども。要するに昔のアメリカに戻ったってことなんじゃないかなって思いますね。アメリカさえ良ければ良い。アメリカ独立主義です。アメリカがなんか正義を気取って世界のあらゆる場所に軍隊を広げたのは、一体だれのせいなんでしょうかね?アメリカはアメリカさえ良ければいい、他は知らんっていうのをずっと貫いていて、けどヨーロッパが植民地帝国でがっぽり稼いでるのを見て、羨ましくなって太平洋とラテンアメリカを占領したはじめたわけですね・・・・。
でもそれは普通なんじゃない?ってワタシは思うようになってます、自分たちだけ良ければいい、それは極めて普通だし、正直な意見です。アメリカが、ちゃんと敵になったって気がしますね。味方のフリをずっとしてましたけど、アメリカは敵、っていう仮想的がやっと生まれたって感じ。アメリカはそのほうがいいと思います、世界のすべてから憎まれてるほうが。わかりやすくていいです、帝国は悪、帝国と戦おうっていうほうが。
上っ面だけは味方のフリをする帝国なんて、ゲームとかでも戦いづらいですもの。めんどくせー。悪の帝国、これがわかりやすくていいんじゃないですかね。悪の手先のイエスマン日本人、クズ科学者と小物の集まり。ひじょーにわかりやすいです。