通称エリ8。タイトルからはなんの漫画かわかりませんが、戦闘機マンガです。
戦闘機マンガっていうとだいたい第2次大戦、ジェット機じゃなくてレシプロの時代の作品ばかりなんですがエリ8は珍しく、というかワタシは初めて読みましたが音速機のマンガです。当時の最新の戦闘機で戦っています。(1980年頃)、まぁ今となって冷戦の戦争漫画としても読めます。
舞台は中東の架空の国アスラン王国での内戦に外国人傭兵部隊のパイロットが参加するっていうもの。
こいつは名作です。 なんでしょうか、この時代ってこういうシリアスマンガが許された時代だなぁって感じですね、まっすぐで純粋な感じがします。現実逃避なのにリアルでまっすぐな感じがあります。まるで戦前の軍国主義マンガを読んでるような。
キャラの死亡率がものすごい高い、全滅系のマンガでもあります、新キャラも古残キャラもおかまいなし、あっさりと死んでキャラが入れ替わる。そのあっさり加減がワタシの好みですね。さすがにメインキャラはなかなか死なないけれども・・・。
絵面は少女漫画そのものでして、りぼんとかなかよしの古い少女マンガはすべてこの描き方っていうあの描き方です、この新谷かおるっていうのは男性なんですけど少女マンガ誌からデビューしてる変な経歴の持ち主。だから画風が少女漫画なんですね。名前も男か女かわからん名前だし。
この描き方のいいところがあって、キャラデザにちっとも時間をかけなくて済むんですね、もはや出来上がってるデザインから選んでくるだけだから。ヒロインは基本全員同じ顔だし、イケメンキャラも全員同じ顔をしてます。パクリとかいう問題はないんですね、よくワンピースのパクリみたいな絵面だ、っていわれますけども、このタイプの描き方は全員ほぼまったく同じです、ぱくりとかじゃなくてもはやテンプレなんですね。
まぁまぁそこはいいから内容をじっくりお楽しみ下さいっていうことなんですな。
今のマンガは漫画家にかかる負担が大きすぎますわね、キャラデザも自分で考え、絵もイラストのレベルもあげないといけないし、人気が出るためにはおっきなお友達にも媚びをうっていかないといけんし、結果内容に回す時間がなくなっていきあたりばったりの物語とか、内容無しのおっぱいマンガに陥ってしまいます。
エリ8も連載漫画の例にもれず、ところどころいきあたりばったりだったり、よくよく考えると矛盾してない?ってところがかなりあります。特に後半の神崎との因縁みたいな描写はとってつけた感がいなめない。神崎が悪役としてペラペラになってしまうのがよくないので設定をつけたしかみたいな感じなんですが、昼ドラみたいな話しでう~~ん、とそこは良くないです、あとソリア姫は仮死状態だった、みたいなのも、いやいや・・・仮死状態にする医療レベルがあるなら白血病くらい治るし。
ただ、それにしても最後はいい感じでなんとかまとめたと思います、終わり方ってのがどんな物語でもすごく大事で、最後の最後にうそぉーーーーん!!っていう残念なことになった作品は枚挙に暇がない、20世紀少年は最悪でしたし、エヴァンゲリオンも・・・なんじゃそりゃーってワタシは思いました。終わりよければすべてよしといいますけども、ほんと終わり方って大事。逆に最高の終わり方だなぁってのはあしたのジョーですね。途中ハリマオーとかやばいとこもあったはずなのに終わり方が素晴らしくて、名作中の名作になっています。あと夏目漱石の小説の終わり方ってのがワタシは大好きです「それから」、「野分」、など抜群に良いです。
なんにせよ、久々にこれは当たり作品でした、是非オススメです。