桃太郎 海の神兵 瀬尾光世 1945
さて前回の桃太郎の続編ですが、こちらがようやく完成品という感じでもあります。
内容は思い切りプロパガンタ的な後半と、ミュージカル的な前半で全然違います。とくに軍が介入しただろうな・・ってのは影絵のとことかすぐわかります。
けれど、たぶんこんなに丁寧に作られたアニメーションは他にないです。もののけや、千、よりも圧倒的にたぶん枚数もかけられているし、人員が膨大な数投入されてるってのがすぐわかります。たぶん日本のアニメで一番動画を切ったアニメでしょう。背景もすごい技量があって、青空の抜けとか、戦艦とかもすごい良い。
そして爆撃機の描写がこんなにリアルなアニメーションはおそらく今でもありません、恐ろしく、精緻に書かれている、パラシュート部隊のやりかたとかも、ものすごいリアリティです。すごいとしかいいようがないですね本当に。
ただアニメ=平和とほがらか、子供向けなどと思ってる人にはまぁどう対処したらいいかわからないかんじですね。Iはそうは思わないけど、どういうわけかこれはすごい揺さぶられるものがあって落ち着かない気分にさせてくれます。
もし民主主義が自由な表現を許すなら、こういう戦争賛歌の映画があってもいいのですが、実質的には発禁です。
本当は平和を願ったアニメなのだ、みたいなきれいごとをいうやからもおりますが、そういうやつもいるし、そうじゃないやつもいる。誰しも平和を望むのなら戦争なんか起こりっこないですからね。
まず資源と比べて人間が多すぎるし、しかもその資源も圧倒的少数が独占している、それが戦争の原因ですが、戦争はやめろというのに、人口を減らせ、私有財産の独占をやめろなんていうやつは今ではほとんどいません。贅沢をやめろ、金儲けをやめろ、なんていう人間は皆無です。むしろ戦争をやめろという人すらもいなくなりましたけれど。
いやはやともかく日本アニメのTOP5には入る作品ですね、めずらしく称賛します・・・。これはアニメをやるひとは絶対見るべきです。I自身はアニメをやるひとでもなんでもないのですがw