2019年5月5日日曜日

1957 深川安楽亭  山本周五郎

 ワタシはこの手の時代物っていうのは、確実に面白く無さそうだ、という感じで読まないのですが、この作品はちょっとした縁があったので読んでみました。

 山本周五郎の作品を読んだのも初めてじゃないかしら。


 別に時代物が嫌いってわけじゃないんですよね、吉川英治はたぶんほぼ読破したし、姿三四郎とかも読んだ。


 ただいわゆる人情物ってのが好きではないのです。山本周五郎はワタシの感じでは明らかにその、人情物、に属する作家で、まさにそのとおり。


 この作品は、安楽亭というところにあつまっているあぶれもの達が、稚地味が娼婦として売られそうな男を助けようとして・・・というお話。

 ベタベタのやーつ。まぁすぐ時代物ってのは女が売られるところから始まりますわね。


 黒澤明のなんかの映画で

「好きなヒトと一緒になれて幸せか?」

って聞くシーンがありました。

好きな人と一緒になれれば、幸せ。

別に黒澤明じゃなくても、一般的にそうらしい。好きなヒトと一緒にいるやつは幸せ。


 ワタシは幸せってそんなものか?ってその時から思ってましたね、かなり前のこと。幸せってそういうもの?そんな単純なもの?


 やっぱ江戸時代ってのは平和が長く続きすぎたんだと思いますね。みんなスケールが小さくなってる、社会的地位が塊すぎていて、消極的でネガティブなんです。もっとでかい夢みようぜ!!って言いたくなる。好きなヒトとほそぼそ平和に暮らしたい・・ワタシはなんかそういうのってキモいと思ってしまいますね。


 さんざん悪口言ってますけども、全部ワタシの個人的趣味の問題。文章とか構成に関しては、これはこれで、ちゃんと出来ていると思います。演劇とかになるのもわかる。きちんと完成されている。こういうのが好きなヒトは、好きでしょう。ただワタシはそうじゃない、ただそれだけの話。