2015年5月2日土曜日

1997  2007 ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争

  獅子戦争っていうのはオリジナル版(PS)のPSPへの移植追加版ってとこです。特にここが変わったというところはたいしてありません、暗黒騎士という隠しジョブが加わってはいますが、暗黒騎士になる前にゲームは終わりますw 制約が厳しすぎる・・・


 タクティクスっていうとFFシリーズでいうとかなりの異色作でして、まぁゲームシステムがシュミレーションゲーっていうのは全然違うとこなんですけど、それよりも世界観がちょっと違いますよね。ハードな世界観っていうのか。ファンタジーってのはヒトを殺しても血が出ないんですけど、タクティクスはまぁドクドク血が流れます、人間のやら化け物のやら、天使のやら・・・。でも12才以上っていうゆるい規制なんじゃな・・・なんでファンタジーの世界の中では自由のために人を殺してもいいっていう、本音、を語れるのでしょうかね、日本は平和主義っていう、タテマエ、を捨てていい、まぁ現実世界でも憲法を変えようって、タテマエ、を捨てようっていう流れになってますけど、だいたいにおいて暴力なしで平和が実現出来るなんて、タテマエ、を本気で信じてる(のが多い)のは世界の中で日本だけですしね。アメリカでは戦争に参加する人は、野蛮人ではなく、国家の英雄、です。まぁそんな話しはいいですよね。



 ベースにしてるのは明らかにシェイクスピアの王朝物で、王の死、王家の人々の争い・・薔薇戦争、肉親の殺し合い、陰謀術数・・・っていうアレです。やっぱシェイクスピアってのはどこにでも顔を出すヒトでして、このジャンルもウィリアム先生が完成させてっか・・・・って感じがしてしゃあない。それにくわえてかなりの程度宮﨑駿かぶれみたいなとこがあります、お城の真っ青な屋根の上での対決(カリオストロ)剣聖シドは茶色のフードをかぶった剣豪ってわけで明らかにナウシカのユパ様まるぱくりです。フードをとらないのでモヒカンではないと思うけど。最後にいくにつれて王家の対立というテーマからファンタジーらしいゾディアックストーンなる、魔石?っぽいのにとりつかれた化け物たちと戦うことになります。しかしそのファンタジー要素が強まるにつれて最初の頃言ってた、平民と貴族、生まれの違いと運命っていうストーリーははっきり言ってぶれまくってますわね。身分とかの前に悪魔や天使と闘わないといけないんだもん。

まぁこの本当の黒幕は聖職者たち、っていうのもシェイクスピアでいうウェストミンスター枢機卿と同じなんですけどね、まぁシェイクスピアではウェストミンスターがいきなり化け物になったりはしませんけれど。
 そいでいわゆる全滅エンドってのもやっぱしシェイクスピアの手の中です。
 




 ちょっとオトナのゲームだにゃ、と1997年当時にIは思ってましたね、なんかおどろおどろしい・・・。Iはちょこっとだけやってすぐにやめた。なんじゃこのまどろっこしぃゲーム、と思って。

 タクティクスっていうとセリフ回しでして、重々しいっていう感じもあるし、名言の宝庫だっていう人もおります。エンディングも決してハッピーエンドではありません、スタッフロールの後に最後のシーンがあるので見逃さないように。


 ゲームの完成度なんですけど、かなりよく出来てるし、ヴォリューム感もけっこうあって、携帯ゲームにはセーブが出来なさすぎるってことを抜かせばすごいグッドでありんす。

 ただ、後半になってくると、数ターン、もっとひどいと1人のキャラが突っ込んでいって、一発で相手のボス倒して終わりってのになってしまいます、先に技出したもんがち的な、これはゲームになってません。ゲームバランスを破壊してるのは明らかにダメージがでかすぎるんですよね、だいたいのキャラはせいぜい400くらいしかHPがないのに、フレアとか使うとらくらく600くらいダメージになってしまいます。
 それとラスボスも糞弱い、なんとダメージ0で勝てます。裏面は一応あるんですけどクリアデータ引き継ぎで出来ないのでどうも・・・。それにやっぱり裏面でも事情は一緒で一発当てたらほぼ勝ちです。いろんなレアアイテムがある、というんですけど、レアアイテムなんか持っててもまさしく宝の持ち腐れで使うとこがありません。

 それとこれもよくないなーと思うのは後半に仲間に入るキャラが強すぎます、こっちがかなりの時間をかけてコツコツ育てたキャラは一瞬で用なしになります。雷神シド、とヴァルフレアなんですが、攻撃力が倍近く違う・・・・。はっきり言えばシド1人だけでもラスボス勝てます。ヴァルフレアの乱れ打ちは魔法銃でほぼ3倍ダメージ、しかもほぼ射程が最大なので、遠距離からノーダメでこれも勝ててしまいます。しかも別に裏キャラでもなく普通にやってれば普通に仲間に入るキャラが、超バランスブレーカーってのはいかがなもんでしょう。いろんなジョブがあってそれをどんどんマスターして強くなるっていう触れ込みなのにシドとヴァルフレアは固有ジョブっていうオリジナルのジョブでそれがえぐいくらい強すぎます、ジョブシステム破壊です。

 このゲームは初めっから7割くらいのところまでは面白くて後半はほぼゲームになってません。けどまぁバランス調整ってのは一番ゲームでむっかしぃとこなんでしょうね、こうすればよいなんていう指標みたいなもんがねぇから。
 
 ゲームもやっぱ商売でして、あまりに難易度あげて一般ユーザが離れちまえばそれまでなんで、世知辛いもんです。スーファミのころはまだそういうユーザのことを考えるみたいなことを殆どしてないで作りたいように作ればえぇやん、ってのが残ってたんですけどね、それでえぐ強いラスボス、みたいなのがゴロゴロおった。(クソゲーも大量にあった、ただクソゲーはすぐに歴史に埋もれるので無かったことになり、名作だけが残って黄金時代だったように感じるのですよね。)


 後付でタクティクスはイヴァリースアライアンスというFFの中の1つの世界観みたいなのになってるんですね、クエストが開発を行ってるFFシリーズってわけで。



 これはちょっと全然ちゃう話しなんですけど、今の時代、この時代と一緒に歩んで作品を作ろうという気概を持たないといかん、とある人が言ってましたが、今の時代ってどういう時代なんですかね?よく言われるのは閉塞感、というけどそれは裏を返せば戦争前の時代ってことですよね、つまるとこ幸福?な時代なわけです恵まれた時代。そういう時代にどういう作品がいいんですかね?1つの世間の潮流ってのはデカダンスですよね、腐敗、テレビは腐ってるとよく言いますけどその腐ってるというのが1つの形態なんでしょう、腐り果ててる、ほとんどのものが結局美少女だのアイドルだのエロでカネを稼ごうとしてる、でもそれが、ダメ、ってわけでは無いのだと思うのです。その腐敗、デカダンスをどうやって洗練させて、スタイル、にしてくかですよね。ヴォードレールみたいなアンチ・ヒーローの登場を待ってるのかもしんないなぁ・・・。
  エロ同人みたいはデカダンスの先頭を切ってるまぁ下品なw メディアがありますけれど、やっぱ彼らが時代のキーとなるんだと思うのですけど。風のうわさで女子高生のアンピュテー物がじわじわと流行ってると聞きます、アンピュテーっつーのはまぁ切断系っちゅーのか。ドン引き率98%、そういうものがじわじわと出てきてるっていうのは明らかに1930年台のエログロリバイバルってことなんでしょうね・・・猟奇趣味。
 ネクロ系っていうドン引き率200%の最後のジャンルが残ってますけどなw ゾンビってのはでも一般向けに改造されたネクロなんですものね。