2015年11月23日月曜日

1988  機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

 通称逆シャアですが、ガンダムシリーズ長いですけど最高傑作は逆シャア、っていう人は多いです。ファーストのTVシリーズが一番って人も多数ですけど。


 全然知らない人にはこれがまずどういう映画なのかわからないと最後までぽかーーーん、で終わってしまいます。ファーストガンダムはテレビアニメだったんですけど人気があったので映画で再編集版が作られたんですね、EVAと同じです、テレビの再編集みたいな使い回しの映画が作られたのです。今考えるとなぜ?ですけど当時にはビデオもDVDもねぇから、見逃した人たちがついてこれないから映画で一気に見れるっていうのは必要なことだったんですね。EVAがガンダムをぱくって再編集で映画を作ったのはただの金儲け・・・・?

 
 で、テレビアニメはその後Zガンダム、ZZガンダム、っていう続編が作られたんですけど。逆襲のシャアはそのZZの後のハナシってことになってます。

 なってるはずなんですが設定はメチャになってて、ZとZZで登場したキャラは一切登場せず、アムロやシャアはまったく年をとってないし(むしろ作画のせいでブライトも含めみんな若返ってます)、ともかくガンダムシリーズの最初、のフィナーレってことで、ファーストガンダムの主人公である、アムロとシャアっていうのをフューチャーして映画にしましょうよ、ZとZZはナシナシってことで。みたいなノリと考えればいいんじゃないでしょうかね?


 ともかくファーストガンダムさえ見ていればなんとなくはストーリーは入っていけます。ただ、独特のノリっていうのか、ガンダムのノリがこの映画は特に激しくって、一体何をしてるのかさっぱしわからん!って、頭が固い人は思うでしょうね。そんな真っ直ぐ理解しようとしちゃだめで、ともかく若い女の子、少年少女、そしてかっこいいロボットのアクション、なんとなく感動的なノリ、悪いオトナ!みたいな、そう、歌舞伎風の、見せ場をきっちり見栄を切って、デデーーーン!!どうだぁ!!みたいなノリなんですね。サイコフレームって何・・・・?むちゃくちゃやーーー。隕石を動かせるのかいなーー、みたいなことは一切言いっこ無し、山寺宏一声わけぇーー!



 一番のこの映画、の見せ場はやっぱ出渕裕のメカデザインですね。これまでのもさいガンダムとはまったく作画のテイストが異なってます、特にシャアのタマが入るコックピットの感じ、メカの部品のゴチャゴチャ感、まさに出渕メカ、この時代、一気にメカのテイストが変わりましたが出渕マジックです。ただ作画がクソしんどすぎるってわけですぐに廃れました、バブリーな時代だったから可能だった人海戦術だったんですね、今なら3DCGで処理すれば出来ますけどね。ただあのごちゃっとした感じは出せませんね、もっと綺麗でほんとのメカっぽくなっちゃうから。出渕デザインはごちゃっとしててどういうわけかメカっぽくない、ややスチームパンクよりなんですね、無駄っぽい。けどガンダムの作画はこの映画がやっぱ頂点ですね。カットごとにありゃ?ってカットもあるし、すばらしー!!っていうカットもある。けど総じてハイレベル。

 当時まだ出始めたばかりの3DCGがコロニーのところだけ使われてますが、イマ見るとこれは超ローテクっつーか、わーー、そういえば昔こんな感じだった!って感じのCG技術。でも当時のファンはうわっすげー!!これどうやってやってんだ!って思ったでしょうね、手書きでやってもこんなふうにはならんぞ・・っていう。


 ただノーマルスーツはすげーダセー。これは一体・・・、それにサイコミューだの神経でロボ動かせるなら視覚モニターいる?みたいなツッコミどころも多い。殆どのMSがファンネラー仕様になってて、主要キャラはみんなファンネルで戦うのですけど、ザコMSがもうただのヤラれ役すぎて出撃する必要もないって気がするw 


 もはやニュータイプはすべて超能力で何でも解決出来るようになってるので、このストーリーは確かにもう使えませんね、行き着くトコまでいってしまった。だからほんとにガンダム、はこれでフィナーレで、このあとのやつは設定、は全然別のものになってます。

 
 なんにせよ80年台後半から90年台そこそこ、この時代が日本のアニメの作画黄金時代でしてこれ以後はどんどん落ち目です、作画勉強する人には絶対外せないアニメですね。そしてなんにせよ景気が良かった頃の日本を感じさせてくれる・・・・。

 1988年。この年って1つの区切りで主要なメディア、がアニメ、からゲームに移り変わりはじめた年なんですね。1997に完全にアニメの役割は終わって、ゲームがメインのメディアになりました。テレビもそうで、マスメディアの主役はテレビからネットに移り変わっていく。