2021年11月27日土曜日

イマジナリー・スクランブル 

  ここ最近迷走しまくっています運営ですが、ワタシはこの虚数海戦はなかなか良かったのではと思いました。もちろん、虚数空間ってなんやねん、めちゃくちゃや、しかも夢の中の物語という超なんでも有り設定、さらにいつもの夢だけど現実になる、夢の中でも死んだら死ぬ、みたいな、いっつもそれじゃん、などツッコミどころ満載でありますが。


 ただFateってなんなんじゃろうか?っていう基本に立ち返ると

「ストーリーが非常に充実した、ギャルゲー」

 これだと思うのです。

ギャルゲー的なお楽しみ要素もありつつ、歯ごたえのある物語、この2つの要素の掛け合わせがFateシリーズのレゾンデートル。

 言うなれば、Evaだって、美少女がロボットで戦うアニメです、美少女とロボット、という異質なもののミックス。

 普通戦闘ってのは男がするもの、美少女が戦うわけない。美少女戦士、になれすぎて忘れていますが、普通美少女というのは戦わないもの、それが戦う、という異質な組み合わせ、が面白いという寸法。

 もしEVAに美少女が出てこない、硬派なロボットアニメだったら、どんなに構図が凝っていたり物語が深淵でも、今の半分以下の人気だったと思います。

 

 だけど!作品や会社が大きくなると、いやいや、私達美少女の力になんか頼ってませんし、エロゲーなんて作ってませんし、物語の面白さだけで勝負出来ますし、みたいなかっこをつけたり、銀行やら株主、スポンサーやらなんやらが絡むとエロはどんどん扱いずらくなる。


 それで、ただ単につまらないロボットアニメやら、ただ単につまらん格ゲーなどが生まれて、会社が倒産するというわけ。


 なんにせよ、単純なロボットアニメ、単純なSF、シリアス一辺倒な戦争もの、ゴリゴリの超大作RPG、そういう、ストレートに何かを作るのはとっくの昔にもう限界、全部やり尽くされていると思われます。

 だから何かと何かの掛け合わせ、合体!合成!が必要な時代がもう30年以上前からきている、つまり第2世代ですね。


 

 今回のイマジナリー、は基本に立ち返った気がします、とにかく水着でかわいい女の子出して目の保養もさせつつキャラを好きになってもらって、時にシリアスもはさみつつ。そのバランス、これがFateっぽさ。

 キャラを好きになってもらう、ギャルゲーとしてはそこが生命線です、キャラを好きになってもらわなかったらそこでジ・エンド。物語をこねくり回しすぎていたり、イラストがいまいちだったりで全然キャラに感情移入できず、ちっとも物語が入ってこない。これはもうギャルゲ要素としてはおしまいです。

 今回登場した楊貴妃は、誰にでも好かれるキャラ作りでイラストも良く、なるほど、じゃあ物語読んでみようって気にさせてくれる当たりキャラでした。それによって物語が成立したと思われます、ゴッホだけだったら、またも意味不明な物語でしたでせう。

 もちろん天才でれば、登場人物全員を読み手が嫌いだなぁ・・・って思わせつつも、面白い物語を作れるかもしらん、けどそんなの至難すぎる技。あざとくてもいいからやっぱり好かれるキャラ、を出しとくのが賢明ですよね。


 はっきり言いまして、シリアスなだけの物語なら、もっと面白いもの書けるやついくらでもいる・・・、いやいないんですが、過去の名作がたくさんある。本当に重厚で面白い物語を求めるなら、ドストエフスキーを読めって話、あるいは美しい心情描写を求めるなら夏目漱石や太宰を読めって話なんです。あんたらには漱石みたいな文才は無い、いや誰にも無いですよ。もちろんワタシにも全く無い。

 今の時代に普通の小説とか描くやつは気が狂ってます、え?自分がドストエフスキーよりも天才だと思ってるのかしら?無理ですけどそれ?って感じ。ベートーヴェンよりもすごいシンフォニー作曲する!いや、無理だよそれ。別の新しいものに挑戦するほうが絶対良いって誰でも思うでしょう。賭けてもいいです、第九を上回ってその地位に取って代わるようなシンフォニーが今後作曲されることはありません。全然別のスタイルの名曲は生まれるでしょうけどね。


 どうも昨今、こいつら自分が文才あると思ってない?っていう雰囲気がします、無いです、無い。だから無いなりに、新しい組み合わせ、ゲームであり絵もあるってことで文才の無さをカバーしていかないと。そしたらいつの間にか新しいものが出来ていたってこと、それを目指していたのでは無かったか?