この本もそれまでとはうってかわって、いきなり哲学問答のような話になります。
ヨブというなんの罪も犯していない人間がいましたが、サタンは神に挑戦します、彼がなんの罪も犯さないのは、彼が裕福で健康だからだ、すべての財産を取り上げ、苦痛を与えれば、彼も神を呪うに違いない。
神はやってみろ、とサタンに許可します。
創世記以来、初めてサタンが再登場しましたね。
ヨブは苦痛に耐えかねて、神以外のものを呪います、なんで私はなんの罪も犯していないのにこんな目にあっているのか・・・・
ヨブの友人がヨブと対話して、神を擁護する・・・というお話。ギリシャ的神学の対話ですね、あまりにもできすぎた話ですので、作り話でしょう。
けど聖書で初めて、物語ではなくて、哲学的な本です。明らかにギリシャの影響が中東世界へ入って来てますね。
聖書の中でもかなり長い独立した物語で、明らかに作者がそれまでと異なるものです。
論理の要旨は至極簡単に言うと「何も知らないくせにごちゃごちゃ言うな」ということです。ある意味「無知の知」ですね。自分が何も知らないということを知れ。神を批判することなどお門違いだ。というわけです。