サムエル記、は私が思うにめちゃくちゃ旧約の中でも重要なお話で、「王」というものが生まれる場面を描いた本。
それまでジャッジ、裁き人、というのがリーダーだったイスラエルの人々でしたが、彼らは、サムエルに、私たちもほかの民族のように「王」が欲しいと言います。
サムエルは「王」は様々な暴政を行うことになるぞ、と人々に警告をしますが、それでも人々は戦争を指揮する王を求めます。
そしてサムエルは、一度断絶しかけたベンジャミン家から、サウルを、初代のイスラエル王に任命する・・・
サムエルの言う通り、王、というのは暴虐の限りを尽くし、権力をほしいままにするわけですが、それを民衆が望んで生まれてくるものです。なんで人々が「王」を求めるのか?というのは非常に興味深いですね。
サウルが「王」になってから、フランス革命までの3000年近く、「王」の時代が続くことになります。それくらい重要な決断です。
サムエル記は上下巻になっていて、サムエル記といいつつ、サムエル、サウル、ダヴィデ記です。
サウルは最初の王ですが、ダヴィデに嫉妬してサウル陣営とダヴィデ陣営で内戦状態に陥る、随分お話が神話から離れて現実的になってきましたね。
サウルはそういうわけで予言の通り悪い王となり、二代目のダヴィデがイスラエルの繁栄期を生み出す偉大な王となります。それは現在サウルという名前の人はいないけどデイビッドはかなりの数いるということでもお分かり。
ダヴィデの在位期間はBC1000~、つまりキリストの誕生のちょうど1000年前ってことになってますがちょっとできすぎな気がしますな・・・、ダヴィデの実在は結局のとこわからん。やっぱり聖書の記述通りとは言わないまでも、モデルになる人物はいたんでしょうね。
ダヴィデは非常に人間的で、行動に性格の一貫性があります、ダヴィデはこういう人物ってのがはっきりわかる。
ほいでその子があの「ソロモン」です。