名前は聞いたことあるけどちっとも知らない映画シリーズ。ベン・ハー、ベン・ハーっていうのがなんのことかわからなかったのですが、単に主人公の名前だったんですね。
大きな筋書きは、ユダヤ人ベン・ハーがローマに楯突き、ローマの仲間になり、またローマにふりまわされるが、結局最後には、イエス・キリストがすべてをまるっと解決するという。キリスト教徒以外には子供だましの映画ですけど。
まぁそのへんの物語はどうでもよくて、兎にも角にもすげーエキストラの数なんです。そしてすげーセットの作りこみ方。今では別にCGでエキストラなんて何億人でも作れるんですけどこのCGが無い時代にヒトの海みたいなのを作ってるのはほんと恐れいりますね。こいつら全員分の衣装代、弁当代だけでいくらになんねん!!ってもぉ心配になっちまいます。
CGがないのにすごい、ってのを今言いましたけど、よくよく考えるとそれってなんのこっちゃですよね、CGがないのにすごい映像だから良い、ってのは一体なんなんでしょうかね。映画としての物語、構図、絵、っていうのよりも、裏側の努力が見えるから良いってのは映画、っていう1つの物語をつくるっていうのからは脱線してますよね。頑張ってるから良い、みたいなことって。
けどやっぱ感動っていうのはそういう、誰かの苦心から来てるってのも事実、コンピュータが作った映画がどんなに素晴らしくても、全部コンピュータが作ってたらたぶんなんにも感じないんでしょうね。映画それ自体よりもそれを作ってうんうんやってるメイキングのほうが面白いってのは多々ありますし・・・・
それにしたってこの時代の映画のスケール感、人海戦術的なやり方ってのは今では見られない映像です、ともかく数で押しまくれ、っていう。新しいスター・ウォーズにもモブシーンはたぶんあるんでしょうが、この人数の圧、ってのを作れてるのかどうか・・・。
この映画の後半でLEPERつまり癩病、ハンセン病ってのが出てきます。もちろんローマ時代の話だからラペルは迫害されてるものとして描かれて、最後には奇跡で病気が治るっていうムチャクチャな解決法なんですけど。
もののけ姫でラペルが出てきましたよね、エボシの火縄銃部隊のメカニックは癩病たちなんだっていう裏側が明かされる。エボシは悪いやつだけど、けど町を発展させ、ラペルにも生きるすべを与える存在でもある、悪と割り切れない。もののけも結局最後は、奇跡が起きて大回復、っていう同じ道をたどるんですけど、Iはそれが気に食わないからもののけってすきじゃないんですよね、なんじゃそれ・・・。夢オチと同じレベルですそんな終わり方って。
別にもののけに限らず最後には超奇跡、なぜかわからんがセカイは蘇り緑がかえってくる、みたいなのってロープレとかでもよくあるんですけど、納得いかねーーーー。EVAもそうといえばそういう終わり方ですね。個人的にこういうのはしないように気をつけようって肝に銘じよう。
でもわかるといえばわかるんです、物語に深入りしすぎて、なんか後味悪い終わり方をさせたくない、みんな救いたい、って自分が思ってしまって、大奇跡だ!!ってやっちゃうのは。優しすぎるっつーのか。特に絵を描く人はそう思ってしまうのかも。コトバだけの物語なら、みんな死にました。って冷徹な終わらせ方もできるんですけど、絵を描いてると顔を見てるというか、知り合いになっちゃうので、結局は死にました・・。みたいなやり方が忍びなくなっちゃう。